好きな翻訳者はいますか? | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

 

みなさんこんにちは。

札幌から参加しているのりちゃんです。

 

今日のブログのタイトルは

 

「好きな翻訳者さんはいますか?」

 今日は翻訳者の方にスポットを当てて絵本を紹介したいと思います。

 

 まず、当然ながら私は好きな「絵本作家」さんがたくさんいます。

好きな作家さんがいると楽しいです。

メディアに出演されると聞けば録画をし、展覧会があると聞けば行ってみたり、雑誌のインタビューを見つけると切り抜いたり。

ちょっとしたおっかけ気分(笑)

 

 そして作品についても「今回は新しい挑戦をされたのね・・」とか「前作があってこその今回の作品ね」な~んてわかった風なことをファン同志でおしゃべりしたり(笑)

 そんな風に作家さんには当然注目していますが、海外絵本が大好きな私は「翻訳者」の方も気になる存在なのです。

 

 好きな本を並べていたら出版社が違っても「アレ?この絵本たち全部同じ翻訳者だ!」って気づいてビックリすることがあります。

 

 翻訳者の方は、出版社の方に翻訳を依頼される場合もあれば、ご自分で、本を選んで出版される方も多いようで、「好きな絵本が気づけば同じ翻訳者」というようなことがおきた場合、おこがましいですが、もしかして同じような感性かも・・・って嬉しくなってしまいます。

 

 そんな風に、翻訳者に注目するようになると、また絵本を選ぶ楽しみも増えますし、絵本を探すひとつの目安にもなります。

ぜひみなさんも「翻訳者」にも注目してみてくださいね。

 

 というわけで、最近私が次の作品が待ち遠しくてたまらない翻訳者、星野由美さんの絵本をご紹介させていただきます。

 

 

『どうしてなくの?』

文:フラン・ピンタデーラ

絵:アナ・センデル

訳:星野由美

偕成社2020年12月

 星野由美さんの翻訳に出会ったのはこの絵本が最初でした。(後から既に持っていた『いっぽんのせんとマヌエル』も星野さんだったと気づきました)

 

 「どうしてなくの?」という男の子の素朴な疑問から始まるストーリー。お母さんがその問いに答えていくのですが、その答えが実に素敵なんです。

 読むたび響くところが違うのですが、特に気に入っている一節を引用させていただきます。

 

「わたしたちのこころは はてしない うみのようなもの

どうしても あらしはさけられない

だからなくのかもしれない

でもあらしがすぎれば

しずかなうみにもどって

なみは はまべに たくさんのえを かいてくれるわ」

 

美しい言葉ですよね。共感と感動でした。

悲しい涙、怒りの涙、不安の涙・・・・様々な涙をこの絵本が美しい絵と心に響く言葉で伝えてくれます。

 

私はコロナ禍の真っ最中、いつのまにか疲れてしまっていた心、張り詰めていた心を、この絵本にふっと優しくときほぐされたような思いになりました。

 

私にとってとても大切な絵本となりました。出会えて良かった絵本です。

 

次の絵本はコレ!

 

 

『たかくとびたて女の子』

作:ラケル・ディアス・レゲーラ

訳:星野由美

汐文社2020年1月

 
女の子への応援歌ともいえるこちらの絵本。表紙の女の子たちがそれぞれ個性的で生き生きとしていて素敵でしょう。

でも残念ながらそんな女の子たちの心に影を落とすようなことが世の中にはたくさんあります。

 

この絵本は女の子たちがいつのまにか受けている様々な差別や性役割を「小石」で可視化して、その重さで女の子たちは飛べなくなってしまうんだということを教えてくれます。

 

「小石」というところがまさに!!なんです。

小石だから最初は気づかなかったり、気にならなかったり。

でもそのうち積もり積もって、ハッと気づけばもう飛び立てないほどの重さに・・・。怖いですね。でも現実にこういうことが起きていると思いませんか?

 

とてもわかりわかりやすい伝え方だと感動しました。

女の子に知恵と勇気を与えてくれる絵本です。

 

 

さて、もう1冊いっちゃいましょうか。

 

『わたしたち』

作:パロマ・バルディビア

訳:星野由美

岩崎書店 2021年9月

 

素敵な表紙でしょ。この洗練された絵とシックな色使いにまず心惹かれます。そして見つめあう親子。目と目がしっかりと合っていますね。

 

こちらは文章はとても少ない絵本です。

けれど、少ない言葉なのですがインパクトがある。

そして「絵」が親子の優しい、愛しい時間をたくさん語ってくれています。親子で絵もじっくりと見ながら楽しめます。

この絵にはちょっとした秘密があるのです♪星野さんのホームページで拝見して「なるほど!!」と嬉しくなりました。多分お子さんのほうが気づくかも。

 

 

他にもお気に入りがあります。

 

『ぴう!』

文:マリア・ホセ・フェラーダ

絵:マグダレナ:ペレス

訳:星野由美

ワールドライブラリー

こちらはしかけもある美しいアートブック。色鮮やかな絵と力強さを感じる絵です。そしてなぞなぞも楽しめる、チリの絵本です。

 

『いっぽんのせんとマヌエル』

文:マリア・ホセ・フェラーダ

絵:パトリシオ・メナ

訳:星野由美

偕成社:2017年8月

こちらは自閉症スペクトラムの男の子、マヌエル君のストーリー。

日本版には「ピクトグラム」がついています。

シンプルなお話と可愛い絵が魅力です!

 

 これらの絵本を翻訳された星野由美さんは、主にスペイン語圏の詩と絵本を翻訳されています。

ご紹介した絵本に出会いすっかりファンになってしまいました。

 

こちらが↓星野由美さんのホームページです。

 

ころりん ころらど COLORIN COLORADO (colorin-colorado.info)

 

星野さんが翻訳した絵本についての紹介、エピソードや、ラテンアメリカやスペイン語圏の絵本もたくさん紹介されています。

 

そして、余談ですが、星野さんのホームページのデザインが素敵で大好き(笑)

 

 

 こうやって翻訳してくださる方がいるからこそ、たくさんの海外の絵本に私も出会えます。翻訳のお仕事については語れませんが、どれほどの難しいお仕事だろう・・と思うのです。

作者の言葉をどう解釈するのか、どの言葉を選ぶのか、どう表現するのか・・・。日本語もアヤシイ私(笑)には想像を絶するお仕事です。

 

これからも大好きな翻訳者の方にも注目していこうと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。