ゲームにはあまり縁のない生活を送ってきました。
代々あまりゲームに興味ない家系のようで、囲碁将棋などする家族、親戚もいませんでした。
なので囲碁・将棋にプロフェッショナルがいるというのがピンとこず、遊ぶことが仕事なのか・・・というイメージを持っておりました。
その認識を新たにしたのは、漫画「ヒカルの碁」と「3月のライオン」を読んだ時。
特に「3月のライオン」は主人公・零の孤独な境遇と相まって競技の厳しさが伝わってきて、
「遊びじゃなくて、体というより脳を酷使するスポーツ選手っていう感じなのかな」と。
話変わって、作家の奥泉光ファンです。
2年ほど前に「雪の階」を読んでからなのでニワカですが、この度
「死神の棋譜」
が待望の文庫化だったので読みました。
ファンとか言いながら文庫化しないとなかなか手が出ない不敬・・・
将棋ミステリです。
主人公はプロになることはできなかった、元奨励会会員のライター。
奨励会からは年に二人しかプロになれないそうです。厳しい。競技人口と比較しなければ正確には分かりませんが野球選手やジャニーズ(デビューする)より厳しいんじゃないでしょうか。
年齢制限の26歳まで将棋一筋でプロになれなかったら・・・アスリートのセカンドキャリアというのは話題になりますが、プロ以前の立場のセカンドキャリアというのはあまり想像したことなかったです。
たとえプロになることはできなくても、何かに打ち込んだ経験が無駄になることはないとは思いますが・・・
これまでの作品と同じく、一筋縄ではいかない構成で、最後までどうなるのか!?と夢中で読みました。
作中、大東亜通商という第二次世界大戦時にあった商社が出てきて、これは「グランド・ミステリー」に出てくる彦坂の会社だったんじゃ?と思ったら、彦坂の方は「亜細亜通商」でした。
「グランド・ミステリー」の彦坂といえば、物語の最後で華族の令嬢と婚約・・・みたいな描写があり、令嬢が「雪の階」の惟佐子だったら面白いのにな!と思ったんですが、終戦末期では惟佐子は30歳くらいになっているはずで、年齢的に無理があるのが残念。
彦坂と惟佐子ってすごーくいいカップルになりそうなのに。
ヒカルの碁はとっても面白いけどヒカルのキャラには感情移入できず。子供らしくていいんだろうけど。
絵も可愛い。ダイアリーも買ったよ。
