2025年3月に届きました
とっても素敵なご夫婦
天国でまた一緒に過ごされているのでしょうね
◆【父の最後の頼み事】
2024年12月3日に父が旅立ちました。
あと半年の命と告げられて、本当に半年で父は帰らぬ人になってしまいました。
3年前に母に先立たれ、母のいない生活にやっと慣れてきたかなと思っていた矢先でした。
青春は剣道とともにあり、人生の後半も剣道の指導者として生き抜いた姿は、我が父親ながら、あっぱれでした。
亡くなる前日
「真っ赤なバラの花を25本買ってきてくれないか」と、父が言いました。
バラの花は、亡くなった母が大好きな花でした。
「何もそんなに沢山飾らなくてもいいんじゃない?」と、妹が笑いながら父に言いました。
すると父は
「きっと、幸子さんは、天国の入り口で待ってくれている。
幸子さんに久しぶりに会うんだから、プレゼントを用意しとかないとな。」
と、言いました。
バラの花は、母への手土産だと言うのです。
母の元へ逝く準備をする父を見て、こんなにも母の事を想って生きてきたのかと改めて知りました。
その翌日、「光治、あとの事は頼んだぞ。」
そう言い残して、25本のバラの花束を胸に抱きしめて、
静かに息を引き取りました。
棺の中にバラの花束を入れると、母の妹が、
「あんた達のお父さんらしいわ。真っ赤な25本のバラの花を渡してプロポーズしたんだもの。姉さん、それに感動してOKしたんだから」
と、言いました。
初めて聞いた話でした。
25本というのは、母のその時の年齢だったそうです。
自分の死が近いことを悟った父は、母にプロポーズしたその日を思い出し、
3年ぶりに再会する母に、またプロポーズするつもりなのでしょうね。
葬儀が終わって、家族みんなで空を見上げて
「父さん、ちゃんとお母さんの所へ行くんだぞ~
母さん、目印のバラの花、見つけてあげてよ~」
と、叫びました。
あれから4ケ月・・二人は再会し、和やかな時間を過ごしてくれていると信じています。
たったひとつの命だから 愛する人と精一杯生きて
魂の世界に還っても 再びその人と共にありたい
福岡県、40代男性