あっちこっち…より道したっていいじゃない -6ページ目

あっちこっち…より道したっていいじゃない

ミーハー万歳★
あれもこれも大好きってスバラシイ・・・

 

 

 

あの人

お父さんじゃありません

全然 知らない人です

 

 

 

となりの家に住む、西野さんの娘のひと言から、この奇妙な物語は深い闇の中へとおちていく…

 

 

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西野さんは、ちょっと気味が悪い人だ。

いじわるなことを言ったかと思えば、笑顔で挨拶してきたり、会話のなかには笑いだってあるけれど、何かが違う…。ほんとは人づきあいが苦手なのか、隠しごとがあるのか、ココロをオープンにして仲良くなれるような雰囲気の人ではない。

越してきたばかりの高倉さん夫婦は、西野さんに、そんなもやもやした違和感を抱いている。

それなのに…高倉さんの奥さんは、どんどん西野さんに近づいていく。

 

ある日、西野さんの娘が駆けよってくる。

「あの人、お父さんじゃありません。全然、知らない人です」と…。

 

 

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かつて、ご近所さんというのは、お砂糖を借りに行ったり、宅配便を預かってもらったり、回覧板をお届けしたり…生活のなかで、もっと身近で関わりがある存在だった。母の代わりに、近所のおばちゃんに怒られたりもした。

いつの頃からか、つきあいはなくなり…今となってはマンションのとなりに住む人の名前すら知らない…

寂しいような気もするけれど、それでいいのかもしれない。

 

 

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高倉さんの夫は、6年前の一家失踪事件の真相を追っていた。元刑事の血が騒ぐのか、のめり込んでいく夫に、専業主婦である奥さんのココロには、小さな寂しさがちょこっとずつ積もって、その隙間が大きくなってしまっていたのかもしれない…(ほら、男の人って、そうゆうとこあるから。まだ修復できるうちに、ちゃんと気づいてあげなきゃいけないのに)。

人のココロは不安定でもろい。弱いところには、悪いものが憑きやすくできているものなのだ。

 

 

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それにしても、西野さんの異様さは尋常ではない。現実ばなれしていて、狂ってる。

何者なのか…何がしたいのか…あの重い鉄扉の奥に広がる、まるで要塞かのような異空間は…グロテスクでさえある。

 

6年前の事件と、今、となりで、進行形で起こっているなにか良からぬこととが、少しずつつながっていく…けれど、すっきりと真実が明かされることはなく、真相はワタシたちの想像の域を超えることはない。

高倉さん夫婦の洗脳が、いつ解けていたのか…西野さんの娘には、ストックホルム症候群的な感情はなかったのか…このあと、彼女はふつうの人生を生きていけるのか…

 

 

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不気味な西野さんの、にやけた顔がアタマに焼きついたまま、不穏な空気のなか幕をとじる、実に、クリーピーな黒沢ワールド。

 

 

 

 

 

 

久しく行っていなかったので、そろそろ佐賀のCIEMAが恋しくなっていた。

そうだ…「セトウツミ」を観に行こうカオ

 

日曜日。 朝早くから、ごとんごとんと電車に揺られ、田んぼを眺めながら佐賀に到着。相変わらず、ほとんど人はいない。閑散とした街の風景にもだいぶなれてきた。

 

 

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部活に燃えるのも、志望校を目指して猛勉強するのも、憧れの女子に恋焦がれるのも青春。

でも、何もしないのもまた、青春。

 

菅田将暉も池松壮亮もワタシは大好きだ。

あえて名前は出すようなことはしないけれど…最近、その辺にうようよ出てきた、若くてちょっとキレイな顔しただけのなんちゃって俳優くん達とは違って、別格の演技力を持っているし、本物感がただよい内面からの輝きがキラッと眩しい。

そんな2人が、な~んにもしないで、毎日いつもの川沿いの階段に座って、だらだらおしゃべりをする。

 

いいなあ、こうゆうの。。。

 

本来、高校生って、いくらしゃべっても、しゃべり足りることはなく、なんてない会話でいつまでもきゃっきゃっと浮かれた時間を過ごすことができる、幸せな生き物である。遠い昔を思い出せば、ワタシもそうだった…週2、3日のバイトの日をのぞけば放課後いつまでもロッカー前でしゃべる。LINEやメールなんてないから、夜は長電話で、母にいい加減にしなさいと怒られることもしばしば。ナマの、尽きることない、他愛ない会話があふれていた日々。

 

 

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いまやコミュ障などという言葉まで定着してしまうような世の中。ある意味、セトくんとウツミくんもそうなのかもしれないけれど、この映画はそんな2人のゆるいおしゃべりだけで成り立っているからフシギだ。菅田将暉&池松壮亮だからこそ成功したのだと思うけれど、2人の会話のクオリティの高さや、表情や間のとり方が上手すぎて…漫才とかコントとはまた違う、かゆいところにすぐ手が届くような、なんとも心地よい笑いが始めから最後までず~っと続いていく。

 

大森作品は先日、あの重厚な「さよなら渓谷」を観たばかりけれど、それとは真反対にある軽快さ。どうでもいいようなフリして実はお互い気にかけてるとことか、両親との微妙な関係とか、ちょっとほろっとなったり神妙な面持ち(笑) になってしまったり…アクションはないけど見どころはいっぱいだ。

 

ずっと笑いっぱなし。

ずっと2人のやりとりを観ていたい。

2人の、宝物のような時間を、共有できたことが嬉しい。

今日もきっと、2人はあの川沿いの階段にいる。

 

 

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これもコミックが原作のようで、家に帰りついてすぐ、Kindleでオトナ買いしたことは言うまでもない(笑)

 

 

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時間があったので、どこかでランチでも…と思ったけれど、日曜日に営業しているお店なんてないので、CIEMAカフェでいただくことに。チケットカウンターのうしろにある小さなキッチンで、ジューっとハンバーグを焼く音がする。いい香りがただよって、ワタシはソファに座ってのんびり本を読みながら待っている。

 

 

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9月になれば、ここで「シング・ストリート」をやる。

それに合わせて、ワタシはまたここに来ようキャー

 

 

 

 

 

すばらしい、すばらしい、すばらしい!

 

 

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まず、目標を決める。

そして、今すべきことが何かを考える。

あとは、そのゴールに向けて全力で走る。

 

ひと目で好きになってしまったあの子に近づきたくて、ボクのバンドのPVに出演してよ、って声をかけた…返事は、まさかのYES。

さあ大変! 今すぐバンドを作らなくちゃ!

 

 

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1985年のダブリン。

不況で父が失業して両親のケンカは絶えず家庭は崩壊寸前。家計を圧迫する教育費を抑えるために、やむなく荒れた公立校へ転校させられ、そこではイジメに悩まされる…灰色で最悪のボクの人生、兄と音楽だけが救いだった。そんなボクの前に、天使のようなあの子が舞い降りる。

 

 

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80年代のブリティッシュサウンド。音楽に疎くても、アラフォー世代には懐かしいロックが山盛り。

ロンドンへの憧れと、淡い恋ゴコロと夢と希望と。その想いはみずみずしく繊細で、ワタシが忘れかけてたワタシの夢をも思い出させてくれるよう。

 

 

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全然イケてない少年たちが、みるみる内にキラキラと輝きだす。多感な少年たちの日々の想いが言葉につづられ、それを音楽にのせて撮影する。ひとつ、やり遂げればそれは自信になり、また新たな1歩へとつながっていく。

 

ココだけが、ボクの居場所だと思ってたけど…それは違った。海の向こうには、新しい未来が待っている。新しい自分を見つけるためには、時に、なにかを手放す勇気もいる。しがみついているだけでは新しい道は開けない。

兄が、叶えられなかった夢も、必ずボクが…。

 

 

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「Once ダブリンの街角で」「はじまりのうた」も大大大好き。これも、大好きな作品になることはずっと前から分かっていたけど、思っていたとおり、すばらしくて感動、涙もこぼれた。

「はじまりのうた」では、キーラ・ナイトレイというスターを起用したことで、思いどおりの映画が撮れなかった、というカーニー監督のインタビュー記事を読んでショックをうけた。後にキーラに謝ってはいたけれど、なるほど…「シング・ストリート」には名を知られている(ワタシが知っている)俳優さんはひとりもいない。カーニー監督の半自伝的映画とも言われ、前作と似たようなシーンもところどころある。これこそがきっと、彼が本当に作りたかったものなんだろな。

どこまでもどこまでも、音楽への愛と兄弟への愛がつまった物語…

 

これは、絶対にもう1回、観に行こう。

 

 

 

 

 

交通事故に遭って気を失ったミシェルは、見知らぬ地下シェルターの中で目を覚ます。

男が、ここへ連れてきたのは君を救うためだ、と言う。

見覚えのない、男。

さらにその男は言う…シェルターの外の世界はすでに滅びたのだ、と。

 

 

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「密室」…という言葉が、どうも気になって仕方ない。限られた空間のなかで起こっている出来事を、魅せるドラマに仕立てるには監督・脚本のセンスは欠かせないワケで…この「10クローバーフィールド・レーン」を観たかったのも、これがその、気になる「密室劇」だというから。

前作があることも知らなかったし、レビューはいくつか読んだものの、どれも物語の核心に触れたものではなく、ほぼ、まっさらなままワタシもそのシェルターに放り込まれた状態。

 

 

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何が起こっているのか何も知らないミシェルの視点で、観ているワタシも一緒に手探りしながら状況を把握しようとする。果たして、その男、ハワードが良い人なのか…ミシェルよりも先にシェルターに来ていたエメットが信用できる人なのか…。

必要なもの全てがそろった快適なシェルター生活でありながら、決して気を許すことはできない緊迫した時間が流れていく。

 

 

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前作「クローバーフィールド」を観ている人なら、外の世界で何が起こっているのか分かっているので、今作にはミステリーの解明を期待したのかもしれない。けれどミシェルもワタシも、そんなことはどうでもいい。ただ、生きてココから出ることができさえすれば。

やがて、ハワードが言っていること、恐れていることは、あながち嘘ではないと分かってくる。でも彼は、まだなにかを隠している…。

 

 

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ゾンビだろうがゴジラだろうがエイリアンだろうが…シェルターの外になにが居ても、あるいは、なにも居なくてもかまわない。素性のはっきりしないハワードより危険なものは、きっとない。信じそうになってはブレーキをかけ、また様子を見ながらブレーキをゆるめ…と、くり返し、不本意ながらも心理を揺さぶられる。そこに「あえて見せない」という演出のスパイスが効いているので、ワタシとしては、クライマックスよりも密室シェルター内でのハラハラどきどきの方がずっと楽しめた。

 

 

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ミシェルは機転が利くしアタマも良いし、スマートで可愛くて器用だ。恋人とケンカ別れしてこんな事になってしまったけれど…彼女ならきっと、生き延びていく。

結局ハワードが何者だったか、って? …それも別にもう気にしてないはず(笑)

 

 

 

 

 

 

ワタシの日常は、今、どうやら刺激が少し不足しているようだ…。

平穏な毎日こそが幸せであり、今日のような梅雨の合い間の晴れの日には、仕事のストレスからも解放されて、ヨガにでも行ってゆったりまったり過ごせば、それはそれで最高の癒しなのだけれども…

違う…癒しではないなにかを身体が求めてるようなこの感覚(笑)

朝から園子温の「地獄でなぜ悪い」を観たら気分は爽快。

昨晩、初めて観た白石晃士の「ある優しき殺人者の記録」がおもしろくって、このまま勢いにのって「貞子vs伽椰子」を観ようと決めた。

ワタシのようなホラー初心者は、信頼のおけるレビューを読んで、おもしろいことを確信してからでないと、なかなか手が出せないものなのだけれども、これは大丈夫。ちぶ~さんが大絶賛してるからakn

 

 

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ワタシはこれまで初期の貞子しか観ていない。

貞子も伽椰子もすっかりコントやパロディの常連で、キャラクターばかりが独り立ちしてしまって、シリーズが進んでも映画のおもしろさは置いてきぼりだったような気がしてた。ここでまた貞子も伽椰子も原点に戻ったというのだから、この新たな呪いの幕開け、ワタシもぜひ観ておきたい。

 

 

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「呪いの動画」と「呪いの家」

共に呪いをかけられてしまったユリとスズカを救うため、霊媒師のケーゾウが立ち上がる。

バケモノにはバケモノをぶつけるしかないだろう、と、貞子&伽椰子を戦わせるという秘策に打って出たのだ。

そして…運命の、ご対面。

2人が呪いをぶつけ合えば、消えてなくなるだろうという計算だったのに…物ごと、そう上手くはいかないものだ。呪いは、消えるどころか明らかに倍増した(笑)

 

貞子になった伽椰子…あるいは伽椰子になった貞子の誕生だ。

 

 

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「貞子vs伽椰子」の特別映像で、伽椰子を演じた遠藤留奈さんのインタビューがおもしろかった。これまでも非人間キャラを何度か演じてきたそうで、この伽椰子で自身のホラー顔を生かせるのが嬉しいと言っていた。もちろん気づかなかったけれど「アイアムアヒーロー」にも、彼女はいたらしい。

ギギギと軋むような音をたてながら這ってくる伽椰子…背中がゾッとなって怖かった。白石監督らしさ、というのが分かるほどワタシは知らないのだけど、目はスクリーンに釘づけで、ビクつきながらもおもしろくて、すっかり伽椰子ファンである。

 

人間女子2人の演技がイマイチだっただけに、バケモノ2人と俊雄くんはキラキラ。

となりの席の「いや~もうムリ、こわい~」と彼氏に甘えるカップルがうっとおしかったけど、刺激的な日曜日で、すっかり元気もチャージできた。

くれぐれもワタシはお客さまや同僚に呪い殺されることのないよう、明日からも、心をこめた丁寧な仕事をしなければ…(笑)

 

 

 

 

 

 

 

セリフが棒読みっぽいので、演技がうまいのか正直、分からないのだけれど…ものすごい存在感のある人だと思う。可愛らしいルックスなのにあんなにナイスバディで、男兄弟の中で育ったせいで中身は男なのだとご自身がいつか言っていたとおり、さばさばした感じや鋭い目線がカッコイイ。ドラマSPで初めて知って、その後もつい気になってしまっている。

いつもイライラしてて怒ってるシーンばっかりだな、と思っていると、急にオンナになったり妙にエロかったりコメディエンヌだったり。主役でなくとも、出演作は記憶にのこる。

 

 

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flower1海よりも まだ深くflower1

 

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なにか大事件が起こるわけではなく、アクションもハラハラもどきどきもないけれど…ワタシたちの日常だって、けっこうそんなものだ。そんな平穏な毎日のなかにこそ、幸せや喜び、イライラや悲しみがあって、それらを宝さがしのように拾いあつめていくのが人生なんじゃないかな、とワタシは思っている。たとえそれが、自分が思い描いていた人生とは違っているとしても、ね。

夫と離婚したとはいえ、気にならないワケではなくて、息子の父と母であるという関係も永遠に続くワケで…それでも女として、もう1歩をふみ出したいという、揺れるココロが真木よう子の表情にはよく現れていたなと思う。

 

 

 

flower1ゆれるflower1

 

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ミノルのガソリンスタンドで働く幼なじみチエコ。

かつてはタケルの恋人だったチエコ。

ミノルが秘かに想いをよせているチエコ。

文句なしの素晴らしい映画。これは、なんだかスゴすぎて、思い出しただけでもゾクッとする。

ゆれる、3人の気持ち。ゆれる、真実。

 

 

 

flower1ベロニカは死ぬことにしたflower1

 

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「何でもあるけど、何にもない。だから、ワタシ死ぬことにした…」

奇妙な人たちが集まる精神病院で目覚めたトワが、また生きたいと思うまでのお話。

おもしろいかも?…と惹き込まれそうになるのに力づくで現実に連れ戻されるような…そんな、感覚の映画。う~ん。あの韓国人は一体なんだったのだ??彼が、せっかくの真木よう子を台無しにしていたような気がする(笑)

つまらない映画。でもこれは、いつか原作…ちゃんと主人公がベロニカのやつ、を読んでみたいと思う。

 

 

 

flower1さよなら渓谷flower1

 

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これは、すごい話だ…。とある事件の真相を追う記者によって暴かれる、俊介とかなこの秘密。

夫婦として、ひっそりと暮らしている2人は実は。。。

幸せになってはけないだなんて、歪んではいるけど…2人の間にあったのは確かに愛だったのだと、ワタシは信じたい。いろいろな賞をとっているけれど、この真木よう子は賞賛されるに値する演技をみせたと思う。ちょっぴりしか出てこないけど、新井浩文の存在感もすごかった。

原作は吉田修一さん。この人の本は、響くなあ。

 

 

 

flower1そして父になるflower1

 

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6年もの間、わが子でないと気付けなかった罪悪感。6年もの間、育ててきた子を手放す苦悩。あっけらかんとした明るい母だったけれど、彼女に辛さや苦しみがなかったワケではない。

家族ってなに? 親子ってなに? 幸せってなに? 何が正しいのかは、誰にも分からない。

5年後、10年後、あの2つの家族はどうなっているのかな。

 

 

 

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ボクの記憶から、花嫁が消えた…?

カバンから出てきた婚約指輪はいったい誰に渡すつもりだったのかな?

…とぼけた顔して3股とはなかなかやるのお、てるひこ君(笑) 記憶をたどる花嫁さがしの旅が始まる。豪華なキャストがそろって意外とおもしろかった。ここでの真木よう子は3股かけられてるうちのひとりで風俗嬢。これがまた可愛くて可愛くて…。

コメディだけど、これは終わってみればわりと切ない、てるひこ君の失恋物語だったりする。

 

 

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気づけば、このところ観ている映画には真木よう子がいっぱい、いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、人生に於ける不条理の何たるかを問う可笑しくて皮肉なウッディの哲学…

みなさん、今日はウッディ・アレンの新作が公開された日ですよカオ

ワタシは早速、行ってきちゃったflower1 お馴染みのオープニングクレジットだけで、すでにわくわく。このしょうもない邦題は、なんとかならなかったものかと少し残念に思うけれど、作品はおもしろかった。

 

 

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生きていたって、人生なんてなんの意味もない…不運つづきで、ひとりぼっちで、無気力で、なんの楽しさも見い出せない哲学科の教授のエイブ。世の中を悲観してどんより暗く退屈で、しかもインポで…まさにどん底。

そんなエイブが見つけた唯一の楽しみ…それは、噂になってる悪徳判事を自らの手で殺害するという完全犯罪の妄想(笑) 判事を殺すことは悪いこと? それとも人助け? 

判事の行動を細かく観察しては綿密に計画をたてて…むなしかったエイブの人生に、皮肉にもここでようやく、生き生きとした花が咲く。

良いことなのか、そうじゃないのか…エイブのなかにも当然、迷いはあって、なんだかんだ自分を正当化する訳だけど、それ以上に、観ているワタシたちの気持ちも惑わされて、いつの間にやら善悪のボーダーラインがあやふや。そこが、この映画のおもしろいところでもあるんだけどね。

はてさて、そんなエイブの密かな楽しみを知らずに、彼に惹かれて恋に落ちる教え子のジル。彼女もまた大いに悩む…正直でいようとしすぎて、結局は自分が苦しくなっちゃう。

 

 

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あ~でもあない、こ~でもない…観たあとで、わいわい語るのが楽しそう。ちなみにウッディの作品には、カフェとかダイナーに人が集まって、そうやってうんちくを傾けてるシーンがよく出てくる。

それ、ワタシもしたい(笑)

 

「マジック・イン・ムーンライト」のようなロマコメではないけれど、大きなおめめのエマ・ストーンがなんとも可愛い。彼氏がいながら教授のことも好きになっちゃう女子大生。今回の衣装もまたステキで、これからのウッディの作品でもぜひ観たいと思う人のひとり。

 

同僚の女教授には迫られて、教え子にも惚れられて…どん底にいるくせにモテるエイブ。でもホアキン・フェニックスは、ちょっと微妙だった(笑) あの美しいリバー・フェニックスを兄にもちながら、お腹でっぷりのオジサン。「her/世界でひとつの彼女」のときも、ホアキンはあんまり好きになれなかったので、もしかしたらワタシが苦手なだけかもしれないけれど、この教授はオーウェン・ウィルソンがやってくれたら良かったのになあ、と。

 

 

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ウッディの映画を初日に観るのは、なんだか課せられた使命を果たすような気分えっへん

次いで公開が楽しみなのは今年のカンヌのオープニング作品として上映された「カフェ・ソサエティ」…これはまず、ポスターのビジュアルに、ひとめぼれハート

おじいちゃんウッディ、まだまだがんばってくれてて嬉しいなあ~

 

 

 

 

 

 

 

いつか歳をとって、もし、もう働かなくていいくらいの余裕ができたら、ワタシは別府に暮らしたい…そう思えるほど、ワタシはこの街が好きだ。

福岡に来てもう20年もたっているというのに、ようやくこの数年で九州圏内をぶらりとプチ旅行するようになって、豊かな自然と美味しいご飯と贅沢な温泉がこんな身近にあったなんて、これまでちょっと損をしていたなという後悔と、九州ってスバラシイという発見の喜びとを感じている今日この頃。

 

 

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左上がり矢印この画像はお借りしました

 

仕事や日々の、ばたばたしたアレコレで、その感動は、つい忘れてしまいがちだけれども…梅雨入りして朝から霧雨の降る日曜日…大好きな別府への日帰りプチ旅行で、気持ちを充分に癒してきた。

福岡からは車で2時間弱の別府。温泉街が近づくと、ところどころ湯けむりがあがっているのが見える。この風景が、とても好き。

 

 

 

 

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まずは、名物のとり天。サクッサクの衣に甘辛いタレがからまったどんぶり。駅前にある、初めて訪れたお店だったけれど、マヨネーズ嫌いのワタシには、タルタルが別盛りという気遣いが嬉しかった。

素泊まり2600円という駅前温泉では、10枚つづりの入浴回数券がたったの1000円くらい。旅行雑誌に載るような高い宿だとなかなか手を出せないけれど、このくらいの金額で泊まれるところがけっこう沢山あって、かしこまってない庶民的なところがまた別府の魅力なのだと思った。

駅前あたりを散策していたら、1度行ってみたいと思っていた映画館を見つけた。85歳のおばあちゃんがやってる小さな劇場だというのに、これまでにもかなりビッグな方々が訪問していて、館内に飾られた数々の写真から、おばあちゃんの映画愛があふれているのが感じられる。気さくにおしゃべりをしてくれて、館内も快く見学させてくれた。つい先日は、阪本順治さんが来られたそう。

 

 

 

 

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その映画館のすぐ近く。葉っぱに隠れて、注意していなければ簡単に見落としてしまいそうなのに、なぜか、惹きつけられる喫茶店の看板が。

その雑居ビルの階段を2階に上がってみると…その空間は、広がっていた。

うす暗い店内にはやわらかい灯がともり、静かな音楽が流れてカウンターの奥には眼鏡をかけた白髪の紳士。となりの部屋にはテーブル席があって、可愛らしいランプや壁に掛けられた絵がどれもステキ。この部屋の窓からはうっすらと光が射し込んでいる。

思わずため息のこぼれてしまう光景とはまさに、このこと…。

メニューはコーヒーとココアのみで、たっぷりと時間をかけて、1杯をとても丁寧に淹れてくれる。車で素通りしてしまうのはもったいない、昭和の香りただよう温かくて優しいひととき。

 

 

 

 

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相変わらず霧雨がつづいて肌寒い。今回のプチ旅行のメインは高崎山のサルたちに会うこと。

写真右上にいるのが、昨年生まれて、シャーロットと名付けられたことで世界に注目されることになってしまった子ザルちゃん。くりっとした大きな目がとてもカワイイ女の子。

毎年5月~8月はちょうどお産の時期とのことで、高崎山にも赤ちゃんがいっぱい。ママにしっかりくっついて甘えていたり、好奇心旺盛にキョロキョロしていたり、中には本当に産まれたばかりで、まだへその緒がついたままの子がいたり。

あっちでケンカ、こっちで追いかけっこ、そっちでは身をよせ合って雨やどり…。

2つの群れ全部を合わせると1000頭以上もいるサルのことを毎日見守っている、係員さんのお話がおもしろくて、サルの社会の厳しさを、つい人間社会に当てはめて考えてみたり、サルワールドの妄想にひたってみたり…。いつまで見ていても飽きることはなく、あっという間に2時間くらいたっていたかな。

 

 

 

 

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すっかり冷えきってしまった身体を温めるのは温泉が1番。

あちらこちらに立ちより湯があるけれど、今回は初めての鉄輪むし湯へ行ってみることに。

石菖の敷きつめられた蒸し風呂に横になると、草の香りにつつまれて一瞬で眠りに落ちたのが分かる。10分の間、毛穴全開で全身から汗を出し、そのあとでつかるお湯は最高でぽっかぽか。

別府なので、もちろん温泉に行くつもりでタオルだけは持っていたけれど、洗顔と髪は家に帰ってからと思っていたので、クレンジングも化粧水も持っていない。浴室に置いてあるのはどこのか分からないリンス・イン・シャンプーとボディソープのみ。どんまい、ワタシ。

髪バサバサになるの覚悟してそれ使ったし、ボディソープで顔も洗った(笑)

でも大丈夫。お湯が良いので、髪も顔もつるんつるんえっへん

帰りはすっぴんだけど、夜だし車だからまあいっか。

 

 

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日曜日だからか、梅雨だからか、地震があったからか…

どこも閑散としていたのがちょっと寂しかったかな。

 

おかげさまで、ワタシはすっかり元気になって

今週もまたがんばって働くことにするカオ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

是枝監督の、映画は好き。

ふわふわと、ゆったりと、優しく流れるように描かれる日常が、す~っとココロにしみ込んで、穏やかな気持ちになれるから。なにか大事件が起こるわけではなく、アクションもハラハラもどきどきもないけれど…ワタシたちの日常だって、けっこうそんなものだ。そんな平穏な毎日のなかにこそ、幸せや喜び、イライラや悲しみというのがいっぱいあって、それらを宝さがしのように拾いあつめていくのが、人生なんじゃないかな、とワタシは思う。たとえそれが、自分が思い描いていた人生とは違っているとしても、ね。

 

 

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1度だけ、文学賞を受賞したことがあるものの、その後は小説家として全く陽の目を見ることはなく…良多は怪しい興信所で働きながら、競輪やパチンコにのめり込んでいつでも金欠。姉に金をせびり母の部屋からも金になりそうなものを物色する。養育費だってまともに払えないのにプライドは高くて、別れた妻には未練がたっぷり。彼女にできた新しい恋人のことも気になって仕方ない。

 

 

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絵に描いたようなダメ男なのに、ダメ男というのは、なんでこうも愛おしいんだろう(笑)…このままじゃいけない、と一番分かっているのは良多自身で、不器用だけど一番焦っているのも良多。共感できるところがあるからこそ応援してあげたくなるような。

いつまでも子供のままで、そんな彼をふわっと優しく包む母の姿もまた愛おしい。

 

 

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このところ、仕事よりも職場のストレスでいっぱいいっぱいのワタシ。家族でも友達でもない人たちが集まっているのだから、上手につき合っていくのはやっぱり大変なこと。それでも、なにかのご縁でせっかく出逢ったのだったら、ワタシはその出逢いをもっと大切にしたいと思う。ちょっぴり疲れた気持ちに、この映画はとても心地よかった。

 

 

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ゾンビも宇宙人も出てこないけれど…普通の人たちの日々の生活にドラマを見出すことができるのは、是枝監督だからなのかな。ワタシ、この映画とっても好きだったな。

 

 

 

 

 

全編140分をワンカットで撮ったというところにそそられて…

ヒッチコックの「ロープ」みたいな極上のサスペンスを期待して…

映画館に、行ってみたけれど。。。

 

 

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マドリッドからベルリンに越してきたばかりで、ドイツ語も分からず友達もいない少女ヴィクトリア。ある夜、クラブで出逢った青年たちと仲良くなって、イケナイことに巻き込まれていく…。

 

 

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140分もの長さをワンカットで撮ろうという試みはおもしろい。ただ、そこだけに捕らわれてしまっている感は否めない。無意味な場面も多く、せっかくのロマンスもハラハラも緊迫感も、結局はだらだらしたシーンでつながれて、それがあまりにも長くて、残念なことに全体的にぼやけてる。

偉そ~なことを言わせてもらうと、脚本でもう少しなんとかなったのではないかと…。まあ、ドイツ語のできない主人公で、お互いがカタコトの英語なので粋な会話劇を期待するのは無理なのかな(笑) しかも、もともと、ちゃんとした台本はなく役者の即興のセリフも多かったらしいので、そもそも、考え抜かれて綿密に計算された会話で魅せる作品にするつもりではなかったのかも。

 

 

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ならば、せめてもう少し短く!

「ロープ」とはもう全く次元の違うところにあることは始まってすぐに分かったけれど…

ヒッチコックだって80分程度の尺のほとんどを‘おしゃべり’に費やしている。そして観ているワタシたちは、いつバレるのか、いつバレるのか、とハラハラが止まらなかった。

まあ当時のカメラは、1度に何10分も回せなかったというので、厳密にはワンカットではないかもしれないけれど…。

 

 

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失敗してもそうは簡単に撮りなおしのできないなかで、出逢いから別れまでの、あれだけの出来事、しかも広範囲に渡って、一気にカメラに収めたのだから凄いとは思う。しかし、これを観たことで、如何にカット割りがおもしろい映画を作る上で大切なのか、逆に分かった気がする(←また、偉そ~w)。

 

 

 

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そういえば…昔GyaO! で配信していた【ホテル・ワルツ】って映画があって、これも全編ワンカットで撮られてたっけ。なんとなく観た映画だったのに、これはおもしろかったなあ~