好きな作品は何本もあるのに「チャーリーとチョコレート工場」辺りから、ワタシの中ではどうもイマイチなティム・バートン…。合わないとか、嫌いとかじゃないけど、どうもイマイチ(笑)
それでも昨年末、六本木ヒルズで開催していたバートン展に行って彼のアタマの中を覗いてみたら…彼のその豊かな発想力は、やはり「鬼才」と言われるだけのことはあるな、と感心した。
バートンと言えば…とお馴染みになった大きな目のキャラクターの数々。今作は、彼がインスパイアされたという「BIG EYES」シリーズに隠された、真実に迫ったお話。バートンの原点とあらば、これはぜひ観ておきたい。実話に基づいた作品なんて「エド・ウッド」以来かしら…?
まだまだ女性の社会的立場も弱く、女性は男性に依存するしかなかった時代…。60年代のポップアート界に衝撃を与えた大人気「BIG EYES」シリーズ。作者のウォルター・キーンは一躍有名になるけれど、実はその絵を描いていたのは妻のマーガレットだ。絵やポスターは飛ぶように売れる。しかし金を儲ければ儲けるだけ彼女のココロの穴は大きくなっていく。
やがて彼女は画家として、また女性としてのプライドと自由と幸せを勝ち取るために立ち上がることを決意。その姿はたくましい。けれど、この映画のおもしろさはそこではなく…嘘と見栄と欲にまみれ、滑稽で哀れな人間の姿を描いたところにあるのだと、思う。
いくら女性の立場が弱い時代だったとは言え、世間に告白する機会はマーガレットにだって何度もあったはず。結局は彼女も合意の上で、2人のビジネスは成り立っていたワケで、彼女ばかりが被害者なのではない。
ウォルターが画家を夢みていたのは本当だと思う。アートの腕には恵まれなかったものの、巧みなセールストークと口から出まかせの嘘の数々は思わぬところで彼の才能を開花させたのだから、それもまた何とも皮肉で可哀想な話だ…。
次から次へと、まあよくそんな御託を並べられるものだ。積みかさなった嘘はやがてウォルターの身を破滅させる。それでも最後の最後まで足掻く姿は情けないやら可笑しいやら。
「たとえ嘘でも、信じている人にとったらそれは真実…」
そんな綺麗ごとが通用するレベルではなかった(笑)
寂しそうな「BIG EYES」の子供たち…。
彼らの大きな目は、見苦しいオトナたちの姿をじっと見つめている。
自慢できることではないけれど、ワタシはよく騙されて傷つけられる…。信じては裏切られ、裏切られても「もしかしたら…」ともう1度、信じてみようと思ってしまう。たとえ傷ついて涙を流したとしても、淡い期待を抱いてまた待っているときは幸せだから。
ときどき、そんな自分がバカだなあと思う。
ワタシのココロもきっと、スクリーンの向こうから見透かされていたに違いない。



PS。役者さんのこと
クリストフ・ヴァルツ 彼は最高! そしてなんてまあ口が達者なんでしょ! ラストでちょこっとウォルターご本人さま登場するけど、雰囲気が似てて笑ったw
エイミー・アダムス 相変わらず可愛いこと。ブロンドの髪がちょっと違和感あったけど慣れる。
「アメリカン・ハッスル」のような露出はなかった。
クリステン・リッター 名前は知らなかった。でも彼女は「ブレイキング・バッド」でワタシが大好きだったジェシーの恋人ジェーン。
テレンス・スタンプ 何を観ても「プリシラ」のド派手な彼のイメージがよぎる。
ジェイソン・シュワルツマン ウェス・アンダーソン・ファミリー。それだけで、嬉しい。








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今年のクリスマスはサンタクロースが来なかった…どうやらサンタにも、いろいろ事情はあるらしい。家で映画を観ながらなんとなくクリスマスも過ぎてしまって、そろそろお正月モードに切り替えなくてはいけないのだけれど…年末の大掃除はなかなか手付かずで、パソコンに向かって今年1年のブログを読み直しながらワタシの2014年を振り返っていたりする。































