あっちこっち…より道したっていいじゃない -13ページ目

あっちこっち…より道したっていいじゃない

ミーハー万歳★
あれもこれも大好きってスバラシイ・・・





先日の佐賀への「旅」の目的が、この「ソニはご機嫌ななめ」
まだ知ったばかりのホン・サンス監督だけど、加瀬亮が主演していた「自由が丘で」がとっても好きで、他の作品もぜひ観てみたかったので思い切って遠くまで。
お客さんは、ワタシともう1人だけ。ソファ席でゆったり鑑賞。


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人と人とのつながりと、美味しいお酒とおしゃべりと。
な~んて特別なことはなくたって、ちょっぴり不器用でくすっと笑える可笑しなドラマがここにある。

可愛いけれど、特別な美人というワケではない。別段オシャレなワケでもないし、スタイル抜群というワケでもない。だいたいが、いっつも不機嫌で言葉は強気。
なのに…ほろ酔いの時は気ままなニャンコみたいに甘えてくるし、媚びてるワケではなくて自由奔放で気まぐれで…彼女のまわりは、いつもちょっとした騒動が巻き起こる。ふり回されたってなんのその、オトコはそれでも彼女を放っておけない。つい守ってあげたくなってしまうような…ソニはそんな女の子。


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アメリカ留学を考えてるソニは、教授に推薦状をお願いするため、久しぶりに大学を訪れる。この教授1番のお気に入りの教え子が、ソニ。 そして
元彼に、偶然再会。昼間っからつき合わせて一緒に飲むけど、彼はまだまだソニに未練たっぷりのよう。 先輩が歩いてるのを見かけて声をかけ、先輩とも飲みに行く。「私と寝たい?」なんてドキッとするような事を聞いてみたりする。

ソニと、教授と元カレと先輩…
久しぶりに現れたソニに、オトコ3人の胸がキュンとなるズキュン★


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推薦状のためとは言え、頼ってきたソニが可愛くて仕方ない教授は「実は好きな子がいる」と募る想いを元カレに明かす。でも相手がソニだということは内緒。元カレはソニとよりを戻したくて先輩に相談するけど、でも先輩だってソニが気になってるしキスだってしちゃったし…
3人はお互いがお互いを知っているあいだ柄…はい、ソニをめぐって四角関係のできあがり。
ぶつかりそうで、ぶつからないオトコ3人の恋と、そこをするりとすり抜けるソニ。
いやはや恋の行方は如何に…。


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これがサンス監督のスタイルなのか「自由が丘で」に雰囲気は似てる。ほとんどのシーンでみんなほろ酔いで饒舌。絶妙な会話と、不器用でこっけいなオトコ達…それをスパっと90分弱で上手くまとめるあたりが、どことなくウッディ・アレンのようでもあり。
1歩間違えばどろどろになる四角関係。もう1歩間違えばソニはめちゃくちゃイヤなオンナ…そこを巧みなバランスでほのぼのコメディに仕上げてあるので後味も良い。


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今回、初めて訪れた佐賀のミニシアター。ワタシを癒す、とてもステキな映画館で、次は何を観に行こうかなあ…と、すでに考え中カオ 観のがしてた「フランシス・ハ」もいいな…「チェイス!」も観たいな…サンス監督のもう1本「ヘウォンの恋愛日記」も気になるなあ。
あれもいいな、これもいいな…こんな楽しい悩みだったら、いつだって大歓迎
はーと。


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今年に入って、今のところ大きなもやもや期はまだ訪れていない…
これは、年明け早々の「百円の恋」のおかげだと思う…多分。いや、絶対。
胡散くさく聞こえるかもしれないけれど…めげそうになると、深呼吸しながら自分を落ち着かせて、一子の姿をアタマに浮かべて自分を励まして…。年度末の仕事の忙しさもあって、今は気持ちをごまかしながらやってはいるけれど、そろそろダメかな。いろんな事が重なって、もうココロが折れてしまいそう。。。 

今日は、おとなり佐賀県のミニシアターへ、初めての映画ひとり旅。
電車にゆられて、窓の外を流れていく普段とは違う景色をぼ~っと眺めるのも気分転換。

本来の目的は、ホン・サンス監督の「ソニはご機嫌ななめ」
もともと上映期間が短かかったこともあって、気づいた時には福岡では終わってて、もう観れないと思うと余計に観たくて…(この映画のお話はまた後ほど)。
でもせっかく遠くまで行くのなら、なにかもう1本くらい観たい…今のワタシに必要な映画、今のワタシを元気にできる映画…「百円の恋」しかない。

途中、鳥栖駅で乗り換え。な~んもないホームで次の電車が来るまで30分。
寂れた感じや立ち食いそばのお店が「旅」っぽくていい。あ~このゆったりした時間が、ワタシには必要だったんだな…と感じる。
佐賀駅までは永遠と続く田舎の風景。となりのおばちゃん達の会話や、地元の女子高生の笑い声が、なんだか映画のワンシーンみたいだったりして。


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佐賀駅から、散策しながら(というか迷子になりながら)の映画館までの道のりも素敵。鳥栖よりもかなり都会で、街がまだ新しいのか高いビルもなく、広々としてきれい。よく晴れていて気分も良い。「悪人」のあの待ち合わせ場所をとりあえず見て、Googleマップを片手にぶらりお散歩。小洒落た感じのお店も沢山あって、本当はランチでもしたかったけれど…実はワタシ、博多駅から乗る電車を間違えていたもんだからそんな時間はなく…(笑)
ようやくたどり着いた映画館が、それはそれはステキすぎて驚いた!
スタッフの方も、上映作品のラインアップも、雰囲気も…福岡ではちょっと味わったことない暖かさ。
3000円で会員になると年間2本無料鑑賞でき、次回からは1本1300円。劇場の中も、ふつうの椅子席のほかソファもあって、座るところはどこでも自由。
なんでこれまで知らなかったんだろ? いやきっと…「今」こそが、ここに来るべき時だったということ。
お客さんも5人くらいしかいないので、ワタシはふっかふかのソファでゆったり。

そして「百円の恋」は思ったとおり、ぼろ泣き。こうなることは分かっていたけど、やっぱりガツンときた。
おかげでワタシ、また明日からも頑張ろうって、少し元気になれた気がする。


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ソニが始まるまでは少し時間があるけど、あまり映画館から離れてしまうとまた迷子になるので、すぐとなりの佐嘉神社へ。手作づくり市みたいなイベントがあっていたのでぐるりとひと回り。ふらり入った小さなカフェはワタシの好みにぴったり。マスターは優しい顔をしたおじさまで「素敵なお店ですね」と伝えたかったけど、なんだか恥ずかしくなってしまって口にできずちょっと後悔…。それは、次の機会に、必ず。


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思い切って、いつもの生活から離れてみることもたまには大事なんだな、と実感…。
日が暮れるとまたそこには違った風景があって、このまま現実の世界に戻っていくのが名残おしい。
特急に乗っても良かったけれど、普通電車でのんびり帰ることにした。。。







信頼するパンクさんのレビューでたびたび目にしていた「未体験ゾーンの映画たち」
宣伝費やらキャストの知名度やら、いろいろワケあって劇場公開に至らなかった幻の映画たちのお祭り。掘出し物にめぐり逢えるか…はたまた「なんだこりゃ?」と未公開に納得してしまうのか…作品の情報も少ないのである意味、賭け。


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東京にいなければ、こんなレアな体験なんてできないだろうと思っていたけれど、福岡でも先週末から開催しているとのこと。5作品ずつ週変わりの上映で、それぞれ1日1回しかやらないので、観たい作品をじっくり選ぶ余地はなく、とりあえず行ける時に上映しているのを観るしかない。
1本800円…ハズレでも、まあいっか。いざ、ユナイテッドシネマへ!


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「コードネーム:プリンス」
裏社会からは足を洗い、平穏な日常を送っていたポール。
ある日突然、行方不明になってしまった娘のベスを探し出すため、かつての仲間たちと共に再び危険な街を奔走する…。
というお話だけど、初体験は…残念ながらハズレ(笑)

ブルース・ウィリスにジョン・キューザック、キャストの知名度…という点ではクリアしているけれど、やっぱり問題はそこじゃない。「ノンストップ・ハード・アクション」と謳ってるくせにダレまくりだし、敵が弱すぎ。
そして何より主人公ポールがただの中年おっさん(笑)
プリンスと呼ばれ、かつては恐れられていた…ということらしいけれど、その辺りはうまく伝わってこなかった。アクションもイマイチで銃をかまえてもカッコ良くないのは致命的Queenly
ココロには残らなくても、見ごたえあるアクション…例えばジェイソン・ステイサムの映画みたいなw…感じには残念ながらなっていなかったな。後ろの席のおじさんはずっとイビキかいて寝ていたし…ZZZ

いざ、娘を救出すべく敵陣に乗り込むクライマックスのシーン!
敵がね…お行儀よく1人ずつ廊下の角や柱の影から出てきては、あっけなくポールに殺られてく。なんだか昔あったファミコンのゲームみたいで。
そしてラスボス(ブルース・ウィリス笑)登場、ポールはそれを一発で倒す。ラスボスなのに!
めでたしめでたしパパは娘を連れて、帰りましたとさ。なんとも、サッパリ。

わざわざレビューするまでもないのだけれど…書いておかないと確実にこの映画のことは忘れてしまう自信がある。せっかくの初体験なのに。「未体験ゾーンの映画たち」は4月までは続くので、また挑戦してみようと思う。


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ユナイテッドシネマ福岡は、ヤフオク!ドーム隣接のモールの中。
ソフトバンクは頑張ってるのに、モールは悲しくなるくらい寂れてて…ショップは半分くらい閉店してるし、野球やコンサートの時にスーパーが激混みする以外には人もいない。もちろん映画館もいつだってガラガラ。話題作だろうが今回みたいな企画物だろうが、常にVIPのようにゆっくり観れる。その内つぶれちゃうんじゃないかって実はハラハラしてるけど…なんと言ってもここは家からチャリで5分。なんとかこれからも踏んばっていてもらいたい(笑) 









恋人に裏切られ、失意のままライブハウスで歌っていたグレタ。音楽プロデューサーのダンにその才能を見出され、CDアルバムを制作することに…。 


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もしもグレタが、誰もがハッと息をのむエネルギッシュな歌声で、瞬く間に聴く人の全てを魅了するような…例えば「バーレスク」のクリスティーナ・アギレラのようなシンガーであったなら…
もしもダンが、業界の常識・非常識を熟知して、経済的にも余裕のある凄腕の…例えば「ドリームガールズ」のジェイミー・フォックスのようなプロデューサーであったなら…
それはそれで、素敵なシンデレラストーリーが仕上がっていたと思う。
しかしこの映画の魅力は、そんな夢物語的なところにあるのではなくて、もっとこう…身近で、凹んだ気持ちをじわじわと、またふくらませてくれるようなところに静かにひそんでいる。


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お金がない、場所がない、楽器もなければコネもない…
「ない」から出来ないのではなくて…「ない」のなら、そこから作り出せば良いだけ。
それはそれはいくつもの苦難はあるだろうけれど…笑顔が辛さを忘れさせて、楽しい努力が幸せを感じさせてくれる。常識のレールから外れた、突拍子もないアイディアばかりかもしれないけれど…夢や目標に向かう一生懸命な姿は、もやもやしがちですぐ立ち止まってしまうワタシの背中を、ポンと優しく押して1歩を踏みだす勇気をくれる。
どんなに悲観しがちな物事だって、角度が違えば良い面が必ず見えてくるってこと。


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ココロにふわりと舞い降りるような感動。

同じカーニー監督の「Onceダブリンの街角で」をつい先日観たばかり。素晴らしい音楽と優しい物語とで…それはそれはもう、すぐに大好きな映画の仲間入り。カーニー自身が元バンドマンというだけあって「はじまりのうた」にも彼の音楽愛はあふれてる。
そして、これがカーニーのスタイルなのか両作品とも、紛れもなくラブストーリーであるのに、新しく始まる恋を描くのではなく、離ればなれになってしまった家族を…友人を…そして恋人たちを音楽でまたつなぐ、という物語になっているところがステキ。まさに、Begin Again…堕ちたっていい、何度でもはい上がってくればいいのだから。
偶然にも最近よく聴いているMAROON5…アダム・レヴィーンの歌う声が、ワタシはとても好き。
前作のマルケタ・イルグロヴァも今作のキーラ・ナイトレイも澄んだ歌声が耳にとても心地よい。ずっとずっとその余韻に浸っていたくなるような…


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サウンドトラックがかなり人気なのだとか…それも納得、ワタシもぜひ欲しいと思
う。別れたデイヴの留守電に、グレタが歌ったあの歌が好き。そして、テーマソングとも言える2人の「Lost Stars」…キーラ と アダムがそれぞれグレタとデイヴの想いを込めて歌い、ワタシのココロにも残ってる。







この世に生まれてきた人たち全てに、いつかは必ず訪れる「死」…
その形こそ様々なものではあるけれど、生命を全うした人を悼み弔うことは大切だと、ワタシは思う。「死」を考えるのは「生」を考えることと同じ。ワタシがどんな「死」を迎えるのか…それはきっと、ワタシがどう生きるのかということ。 


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孤独死した人の葬儀を執り行う仕事をしている民生員のジョン・メイ。部屋に残されたレコードや写真や手紙から、たった独りで亡くなった故人の人生を想い、その人のための葬儀の音楽を選び弔辞を書く。
ココロの距離が遠く離れてしまった家族とようやく連絡がついたとしても、葬儀に駆けつけてくれるような者はない。ジョンはひとりひとりに時間をかけて、見送ってやる。

ジョンには、家族も恋人も友人もない。いつもひとり、几帳面で規則正しい生活を送っている…。
ある朝ジョンの自宅の真向かいのアパートで、ストークという男が死後、何週間もたった状態で発見された…こんなに近くに住んでいたというのに、これまでストークのことを何も知らなかったジョンはショックを受ける。
そしてちょうどその時、不本意ながら解雇を言い渡されたジョンは、最後の人となったストークのために、残された日々で彼の人生のかけらを集めようと決意する…古い写真の中で笑っている、おそらく彼の娘であろう少女を見つけてあげよう、と。


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この旅は、ジョン自身の生きる意味をも少しずつ変えていく。
ストークは、誰もに愛されていたとは言えないかもしれない。でも彼は間違いなく、多くの人たちの記憶の中で生きていた…。家族を泣かせ、アルコールにおぼれていたとしても、だ。

ジョンの図らいで、ストークの葬儀には多くの人が集まった…しかし、そこにはジョンの姿はなかった。。。 


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ずっと誰かを見送り続けていた人生…ジョンの幸せは一体どこにあったと言うんだろう。
ラストは、涙が止まらない。今、思い出してもじわ~っと涙が目に浮かぶ。
愛や憎しみ、喜びや悲しみ、怒り、そして不安…いくつもの感情が今のワタシを生かしてる。自分の生き方を、まっすぐ見つめなおすタイミングを与えてくれる、そんな1本。





今、気になってる映画のひとつ…「はじまりのうた」
福岡ではまだ上映していないので、同じジョン・カーニー監督の「Onceダブリンの街角で」をまず先に観ることにした。



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男には、ロンドンに愛する恋人がいたが、すれ違いが原因で今は別れてしまった…
女には、幼い娘と夫がいるが、結婚生活はうまくいかず夫とは別居中…

そんな2人がある日、ダブリンの街角で出逢う。
ストリートミュージシャンの男と、チェコ移民の花売りの女。
音楽をとおして2人は惹かれ合いココロを通わせていく。

こうして、あらすじを文字にしてしまうと、ありきたりで陳腐なラブストーリーのように聞こえてしまうけれど…2人の関係は恋人として進展することはない。お互いに深い愛情は感じているものの、それは「男と女」としてではなく、「人と人」との、とても美しい愛だからだ。

2人のココロにぽっかりあいてしまった穴を互いに埋め合い支えあって、1枚のCD制作に向けてどんどん距離は縮まっていく。音楽にあふれた作品だけれども、ミュージカルではないしこれまで観たことのある他の音楽映画ともまた違う。
2人の出逢いにはじまり、街で行き交う人や融資を決意してくれた銀行員、レコーディングスタジオの人やバンドメンバーなど、人と人を繋げる音楽の使い方がスバラシイ。
主演のグレイ・ハンサードはアイルランドで活躍するThe Framesのボーカルで、監督自身もかつてのメンバーだったらしい。澄んだ歌声のマルケタ・イルグロヴァもまた、プロミュージシャンとのこと。
うまく伝えられない想いや迷い、不安が歌詞にのせられて、優しいメロディと共に染み入る感じ。物語の全編を、優しく包みこむいくつもの楽曲が、ずっと記憶に残る、いつまでも大切にしたい映画の1本。



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2人が海を見に行くシーンが好き。
「夫のことをまだ愛しているの?」と聞く男に、女はチェコ語で答える…
字幕は出ないので、本当のところはなんと言ったのか分からない。でも、ワタシに伝わったように、彼にだって伝わっていたはず…「愛しているのは貴方よ」と。

完成した1枚のCDを持って、もう一度夢を追ってみようと1歩を踏みだす彼を、ワタシは応援してあげたいと思った…。ハンサードもマルケタも、今後は俳優業を続けていくつもりはないらしいが、2人が残した宝石は、これからもずっとずっと輝きつづけるものであることは間違いない。














これは福岡市民の憩いの場所
…大濠公園

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家からすぐ近所で、ワタシが普段ランニングやウォーキングしてるのもこの公園。週末はまだ暗いうちから、1周2キロのコースを走る。1日を長~く感じることができるし気分も爽快。
福岡市美術館は、この公園の中にある。入り口には草間彌生さんのカボチャがで~ん、と。
いつもはだいたい素通りだけど…見て、このピグモンもまなざし…テレパンダ

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ワタシはウルトラマンをよく知らないし、特別ファンという訳でもないので、怪獣と言えばバルタン星人くらいしかピンと来ない。そして成田亨さんというのも実は初めて聞いたのだけど、こんな可愛い瞳に見つめられたらもうメロメロで…笑はーと。
くもり空ですっきりしない休日の午後。たまには美術館で過ごすのも良いかな。
愛らしい怪獣たちに、会いに行くことにした。

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成田亨さんというのは、青森出身の画家・彫刻家で「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」などの、ヒーローや怪獣、メカを多数デザインした人…らしい。しかしまあ、何も知らなかったとは言えフタを開けてみれば、あれもこれも見たことある怪獣ばかり。カネゴンやらガラモンやらケムール人やらエレキングやらジャミラやら。
彼のデザインが現代のヒーローや怪獣たちのデザインにも大きな影響を与えているというのも納得。
ウルトラマン・シリーズはおそらく成田亨さんの、最も知られている一面。この展覧会では、それ以外にも企画だけで没った作品や、怪獣以外の絵画などが多数紹介されている。
「男はつらいよ」の原点に繋がるエピソードも発見!

特撮のセットも再現されていて、ミニチュアの街を、自分でカメラを動かして映し出す体験もできる。
テレビシリーズの単なる美術監督ではなく、彼は紛れもない芸術家だった。
彼の描く東洋のモンスターたちもなかなかおもしろかった。
鬼、般若、阿修羅、そして鳳凰まで。 

ところで…ワタシを魅了したピグモンは、なんでも友好珍獣と言われる人間の味方なんだってキャー
汚いモップみたいだけど、なぜか可愛い。

キラキラIMG_2295.JPGキラキラ












アニーと最初に出逢ったのがいつだったのか、もう覚えていないけれど…子供のころに観た映画があの歌とともにずっとずっと記憶に残っている。青山劇場で1回と福岡に来てからも1回、舞台を観る機会にも恵まれた。とにかくワタシは「アニー」の音楽も物語も好きで好きでたまらないのだ…昨年、映画館で初めて予告編を観たときには一瞬でココロを掴まれてしまったし、久しぶりに聴いた「tomorrow」には知らずのうちに涙まで出てた…以後、今日ようやく映画を観れるこの日まで、予告を観るたびにじ~んと胸が熱くなって涙を浮かべ…ちょっと危険だとは思ったけれど、期待値はかなり高くなっていた。


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ところが公開を前に、ラジー賞にノミネートされていると知り、もしかすると…もしかしちゃうのかもしれない…という不安が…Queenly しかしこれはもう、評価がどうこうより「アニー」を観るのはある意味、ワタシに課せられた使命のようなもの。
前作と比べてしまえば、制作費はよりかかっているだろうに陳腐にみえるシーンや設定はチラホラ…それでもワタシは泣いたしやっぱり「アニー」を好きだと思った。


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現代のニューヨーク風(?)にアレンジされたり今作オリジナルの楽曲もいくつかあったようだけど、キャストの歌唱力があったので違和感はカバー。街にある日常の音が自然に音楽にリンクしていくオープニングのシーンは、とても良かったなあ、と思う。


82年のジョン・ヒューストン版では、ワタシが特にお気に入りのキャラクターがアニーを除いて3人いる。

まず、ミス・ハニガンキャー

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あの酔っぱらいっぷりは最高。乱れて淫らで、でも根っからの悪い人じゃなくて…。ラスト間近でようやく良心が勝つのにギリギリ間に合わない。可哀想な、愛すべき憎まれハニガン。
キャメロンのハニガンも好きだったなあ。
良い人になるのがちょっと早すぎたけど、やっぱりキャメロンは3枚目っぽい役が似合う。
日本で上演された舞台では夏木マリさんもハニガンをやったそう…これはぜひ観てみたかったなあ。
ハニガンは、間違いなくこの作品の良し悪しを決めるキーパーソンだ。


そしてプンジャブ

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口数は少なくインチキくさい魔術師みたいだけど、アニーと仲良し。怪しげな雰囲気がいい。
ラストのアニーの救出劇にはあんなにハラハラさせられたのに…今作にプンジャブはいなかった。
運転手がそれに近かったけど、彼にはそんな見せ場はなく残念。


で、ルースター

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悪知恵ばかりが働くハニガンの弟。後からこれが「ロッキー・ホラーショー」の彼だと知ってワタシはびっくり! 彼もまた決して憎めないキャラクターなのに、新作では登場すらしておらずこれも残念。


その他も、あれやこれや言い出したらきりがないのだけれど…全部ひっくるめての「アニー」なのだと思う。1977年ブロードウェイ・ミュージカル初演から何十年もの間、世界中で実に多くの人に愛されてきた作品にまた、こうしてひとつ新しいページが加わったことは嬉しく思う。 
ラジー賞??…とってしまったら、その時はその時。それでヒューストン版を好きになる人がもっと増えればそれはそれで尚、嬉しい。



ただ、映画の日の日曜日に観るのはやめておけば良かった…。
満席の上、ポップコーンの匂いやらおしゃべりやら途中でトイレに行く人やら…はあ
汗












別れた恋人に宛てた、日記のようにつづられた長い長い手紙。
それは彼の、夢なのか現実なのか、記憶なのか願いなのか…
時間の流れにのって、行ったり来たり想いはゆれる。
恋人がふと、その手紙をバラバラと階段の上から落としてしまう。拾いあつめられた手紙には順番など記されていない。 だから物語は、バラバラになった手紙と同じように流れてく。パズルのピースがはまっていくみたいに行ったり来たり。
1枚、忘れられたページには何が書かれていたんだろう。


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ヤマもない、オチもない…ミステリーもハラハラのサスペンスもない。
ゆったりとした日常のかけら。
夢からまだ醒めきれずまどろんでいるような感覚でゆらゆらと、行ったり来たり。
誰の人生も、いろんな人たちの人生のかけらが寄りあつまって彩られてる。出逢って別れて…ちょこっとずつ交わった人たちのかけらで。 




くゆる煙草のけむりと1冊の本。
物語の舞台はソウル…しかしそこにはテレビやドラマで慣れ親しんだ都会の光景はなく、どこかヨーロッパの片田舎の小さな街を思い起こさせるような細い坂道とカフェ。

ホン・サンス監督の映画はこれが初めて。自然体の加瀬亮が魅力的。全編ほとんど英語だけれど、違和感はない。別れた恋人にもう一度会うため訪れたソウルでの新しい出逢い。ワインでほろ酔い、饒舌になった加瀬亮が可愛らしい。




時間だけは、誰の上にも同じスピードで流れてく。あせっても立ち止まっても、それは平等に。
60分ちょっとの作品。でもそこに流れている時間は、どのエピソードをとってもかけがえのない宝物。