2024/04/29 ペットロス | 汚事記

汚事記

汚い事が記されます。

2月12日に、飼っていた猫が死んでしまった。

2002年9月8日から飼い始めたので、今年は22年目で厳密には21年と6か月、共に暮らしたことになる。猫可愛がりに可愛がってきたが、遂に覚悟していたその日が来てしまったのだった。

死んですぐの1か月は実感がなく、何が起こったのか本音では理解できていなかった。箱に入れた死体を火葬場に持って行って骨になったのも見て骨壺もあるのに、どうも死が納得できず、猫がどこか旅行にでも行っているような気分で、もうちょっとしたら帰ってくるんだみたいな、そんな軽い感じで、我ながらおかしいな、私の感覚はかなり狂っていて尋常ではないぞ、と他人事のように感じてはいた。あまりにわかりたくない現実ゆえに逃避が行きすぎていたようだ。2か月目から、どうやっても二度と会えないことがやっとのみ込めてきて、やたらとつらかった。もうすぐ3か月近いがなかなか立ち直れない。

カラスに狙われていたところを保護した2002年9月8日、獣医に連れて行ったら生後約1か月とのことだったので、8つながりで覚えやすいから8月8日生まれとした。21年半だから、猫の年齢にすると……18+((21-1)×4)+2……で、ちょうど100歳。18は最初の1年で、+2は半年ぶん。

確か10歳の時に腎臓病にかかった(クレアチニンの数値がいくつだったか忘れたが、かなり悪かった)にもかかわらず、療法食だけでよく今まで持った。

いつの間にか高い所にまったく上がらなくなり、爪とぎもしなくなり手足のツメが剥がれずに伸びて先が肉に刺さり込むようになった。キャットは、

「シャーッ!」

とか、

「フーッ!」

と怒って嫌がったが、爪切りだけは2か月おきにやるようになって数年、いつもいる茶の間のお気に入りのイスにジャンプで上がれなくなった。腎臓病の症状が出ていて、腰から下はガリガリに痩せ、毛が固まる皮膚症状が出て1年以上。それでも毎晩、苦労しながら階段を一段、一段、這いあがって二階の私の部屋に来てカリカリを食べてぬるま湯をなめた。

遂に自分では階段を上がれなくなったのが今年に入ってからで、上がりたそうにしているときは、私が抱っこして二階と茶の間を送迎した。床に踏ん張って立とうとしても後足の筋力がなくて立てなくなってきて、排便時に大変な苦労をしていた。ウンチが出なくなり詰まって吐いて泡を吹き倒れかけるから、指で掻き出して難を逃れたことも昨年から3回あった。それまでトイレ関係では飼い主に苦労をかけたことがなかったから、キャットさんにとっては大変な屈辱であっただろう。

死ぬ3日前に倒れるようになり、歩けなくなった。毛艶も、下半身あたりの良くない状態が、肩のあたりまで来ていたように見えた。

息を引き取る晩を回想すると、22時頃、横に寝たきり動けなくなり、ひどい下痢が始まって上側の後足の痙攣とともに便が止まらなくなった。この辺りで私は、(これはもう最期の時が近いのでは?)と思い始めた。キャットさんの体調不良についてはそれまで何度、(もう駄目かも)と諦めかけたことがあったかしれないが、ここまでひどいと病後の良くなった姿が想像できない。

すべて出切ってしまった頃から、かつてないほど呼吸が激しくなった。キャットは手を繋いでてくれと言う風に、私に向かってやっと動く上側の前足の先をのばした。私は人差し指と親指で猫の前足を持ちながらずっと撫でたり声をかけたりしていたが、意識が無くなっては気付く、を3回繰り返した。とうとう、5時過ぎに小さく声を出し、今まで見たことがないほど口を大きく開け息をついた。同時に黒目がスーッと白くなって呼吸が止まってしまった。呼吸が止まってからも5回くらい激しい痙攣があって生き返ろうと頑張っているようだったが肺が動かず駄目で可哀そうであった。

最後の鳴き声の感情がいまだに私は理解できていない。苦しみなのか恐怖なのか、助けてと言ったのか。いま文章を読み返していて、苦しさからの声だとわかったような気がするが、やはり違うかもしれない。

キャットさんの最後の数年を思い返すと彼女なりに、私や家族が最低限のショックや悲しみで済むようにと神通力レベルの神がかり的な領域で頑張ってくれていたのではないかと思えるような節がいくつかある。

あんな素晴らしい心優しい猫は他にいない。

楽しかった日々を思い返すと楽しいには違いないが、やっぱどうしたってさびしい。

 

話は変わって、GWの3連休で明日から3日間、仕事だ。その後、GWの後半4連休。

今日は天気も良かったしGWの前半最終日であるから、釧路の美術館でやっている猫の写真展を見に行ってきた。汽車に乗って何時間も揺られて行ってきた。

本に載ってる写真をプリントした大きなパネルがいくつも壁に貼ってあるだけだった。あれで千円はちょっと高い。

私がパネルを見ていると、マーモットが水膨れしたみたいな顔の女子小学生が逆回りで急に隣に来て動かない。いい加減どけよと思ったが、まあ子供だし……と、譲ってふと顔を見るとニヤニヤしている。

私が小学生の頃にも、こういう変に底意地の悪いおかしい女子がいたな。

そのブサガキ、鈴をつけていて動くたびにチリチリうるさい。ギロチンの家系かよ。

 

明日、仕事メンドクセー。