他にも読みたい本があるので、『徳川家康』はもうずっと、寝る前に少しずつ読むようになっている。
20巻目も相変わらずダラダラ続く。
平和な世の中到来。外国勢力が関係してきて、大久保長安の描写回も多い。金銀、マネー経済的なこととか。時折、淀君と秀頼の大坂勢力がチラチラ不安を煽る。
『朝の葵』
秀忠に男子出生。秀忠の子は一番先が千姫、次に子々姫、次が勝姫、その後に長丸という男子が生まれていた、とか知らんかった。1年経たずに死んでしまった、と書いてある。
家康、竹千代と名付けるよう言いつけ、これまでの人生振り返り。
「堪忍は無事長久の基、怒りは敵と思え。勝つことばかり知って負くることを知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人を責むるな。及ばざるは過ぎたるに勝るものぞ」
と家康の自戒。「怒りは敵と思え」、これはね、胸に刻んでるね。自分みたいにカッと来やすい人ほど、大事。
大坂で千姫お付きの栄の局が秀頼に孕まされちゃった件をどうするか、光悦と相談。
『若い桐』
片桐且元の弟・貞隆の屋敷に預けられている「於みつ」こと栄の局。
茶屋四郎次郎を継いだ、許婚の清次は、連れ子でもなんでも構わず「於光」のことは不縁にするつもりはないと言う。この茶屋四郎次郎清次は若いのにものすごい「人物」だ。この小説で読む前は名前を聞いたことがある程度で、よく知らんかった。こんなすごい人ならもっとメジャーでなくてはならないと思ったが、そうなってないってことは、後でなんかやらかすんだろうか。
『器量と器量』
光悦宅に大久保長安。茶屋が加わり長安、茶屋の若さと知識・見識に嫉妬。
『花と悪夢』
長安、光悦宅で酔ってダウン。光悦の従妹「於こう」に散々からかわれる。この辺りはシュールなギャグ漫画みたいだった。なんだかんだ、長安と於こう、くっつく。
『世界の風』
会話にはちょくちょく登場していた三浦按針ことウィリアム・アダムス、登場。家康、按針に天文学と幾何学を教わっているとある。知識欲旺盛なのは見習いたいところ。
家康は、按針にルソンで働いてもらいたいらしかった。
『身勝手世勝手』
家康、本多正純、成瀬正成、家康の愛妾・お勝、麦こがしを食べながら世間噺。
豊国祭、大坂方の話、按針に対抗するソテロの話、ソテロはすぐに南蛮美女を献上してくるらしい、とか。
『陸の巻き波』
成瀬正成、大坂行きの船の中で乗り合わせた於こうと会話。内容はどうでもよくて覚えてない。
着いてから織田有楽斎に逢に行く。有楽斎の人物描写、これまではちょっと足りない感じだったのが、ここから急に思慮深そうな人を食ったような怪人物になっていてヘンテコ。ああ、辞書変換がいちいちクソだ。
『淀の小車』
成瀬正成と有楽斎、淀君と会見。
『一つ目の龍』
忠輝の屋敷に伊達政宗がやってきて、大久保長安と密談。政宗を手玉にとろうと画策、怒らせたり何だり。伊達政宗は長安なんかの手に負えるようなマヌケじゃないと思う。どうなんだろう。
『佐渡の夢』
於こうと長安の様子。
『大坂の夢』
淀君、片桐且元、秀頼の様子。
秀頼はダメっぽい。
『彼を知るもの』
天海、藤堂高虎、家康の様子。
家康が大坂方に対してどう接していくか、考え方がおおまかに記される。小説だから作り事……なんだろうけど、この辺は都合良すぎっていうか、普通そうはならんだろ、っていうか。とにかく雑だ。
『将軍上洛』
承タイ(タイの漢字が出ない)、久々に登場。
家康、征夷大将軍を秀忠に譲り、まず大坂の秀頼を右大臣にして豊臣を公卿方のトップに据え、徳川の秀忠は武士方のトップにして、協力体制でやっていこうという計画。
家康の思惑通り、うまく事が運ぶかどうかってとこ。
『光る波かげる波』
淀君が錯乱して秀頼は挨拶には出ないことになってしまった。
滅びの序章みたいな? 淀君ってのは子供の頃から戦国の世の倣いで散々ひどい目に遭ってきてるから、どこか歪むのも仕方がないとは感じていたが。且元と修理はもう少し何とかならんかったのかな。
『異端と正統』
高台院、秀頼の上洛拒否を知り、ショック。
豊家の延命を慮り家康に遭う高台院、はからずも涙。
家康がまた一段と大きくなっていて、読んでるこちらも、人としてかくありたいと思ったりした。