左から、クロサイ、シロサイ、スマトラサイ、インドサイ
こんにちは、まるモフです!
先々日は<世界サイの日>ということで、今回は<サイ>の記事になります。
地球最大の哺乳類の一種であり、「重戦車」という異名をもっている大型の草食哺乳類です。
世界の大型哺乳類の中で最も絶滅が危惧されており、世界中の動物園や保護施設で生息域外保全、域内保全に尽力しています。
どんな動物なのか、生態、習性、生息状況などを見ていきたいと思います。
※太字・色文字だけでも読んでいただいても結構です。
分類
哺乳綱奇蹄目サイ科
まず、<サイ>と呼ばれる動物ですが、地球上で現存しているのは、全部で4属5種のみです。
○サイ科の動物
・シロサイ属-シロサイ
・クロサイ属-クロサイ
・インドサイ属-インドサイ
ジャワサイ
・スマトラサイ属-スマトラサイ
サイの祖先にあたる<パラケラテリウム>と呼ばれる生物を含め、多くのサイ科の動物がいましたが、食料目的で乱獲され
現在の種にとどまったとされています。
奇蹄目の動物
ウマ科:シマウマ、ロバ、モウコノウマ
バク科:マレーバク、ブラジルバク、アメリカバク
基本的に蹄の数が<奇数(1,3,5,7)>である動物はこのグループに入ることが多いです。
サイ科は爪の数が3本(奇数)なので<奇蹄目>と呼ばれるグループに属しています。
動物園でよくみられる、シマウマやロバ、マレーバク、ブラジルバクなどもこのグループに入ります。
ちなみに、カバやシカ、ラクダ、イルカ、アシカ、アザラシなどは<クジラ偶蹄目>に分類されています。
他の特徴として、歩き方は3つの歩行のうち<蹄行性>であること、盲腸が非常に長い、
胃が一つで反芻をしないものがあげられます。
生息状況
CR:絶滅寸前種
ジャワサイ、クロサイ、スマトラサイ
VU:絶滅危惧種
インドサイ
NT:準絶滅危惧種
シロサイ
現在サイ科全種がレッドリストに入っており、すべてが絶滅の危機に瀕しています。
もっとも少ないのは、ジャワサイが60頭ほど、スマトラサイが80頭ほどしかいないとされています。
他の種も1万にも満たないので、このまま保護政策がうまくいかないと、近い将来<EX:絶滅種>のカテゴリーに入る可能性があります。
○生息地
草原や森林、湿地、熱帯雨林など、種によって生息地が異なります。
ジャワサイとスマトラサイは河川と沼地
・シロサイ、クロサイ
アフリカ大陸南部、東部。
ヒガシクロサイとミナミシロサイ2亜種
・インドサイ
インド、ネパール
・ジャワサイ、スマトラサイ
東南アジア:マレーシア、インドネシア
絶滅の原因は開発による生息域の縮小、角の採取目的による密猟、気候変動による干ばつによる脱水など。
絶滅の大部分は人為的な影響が大きく、開発や密猟などが大半だと言われています。
角が特に中国やベトナムなどで非常に高価で取引されており、日本円で推定1kg当たり300万~800万円程に
なるそうで、漢方薬(薬用はほぼない)、工芸品に使われています。
対策として、予め角を切断をしておく、探知センサーを取り付けて保護するなどの対策が取られています。
形態・習性・能力
体長:370~400CM
体重:2~3トン
体高:170cm
寿命:35~50年、野生化で25~40年
○抗菌対策
基本的にはどの種も灰色ですが、紫外線や殺菌作用の目的で泥遊びをするので茶色い色をしています。
○夜行性
基本は単独で、夜行性か薄明薄暮性で縄張り意識が強いです。
繁殖や親子の群れなど5~6頭で作ることもあります。
○爪や牙通さない、暑い皮膚
サイはゾウやカバなどと同じ、<厚皮動物>で、皮膚の厚みが1.5~5.0cmと分厚いです。当然
ライオンなどの爪や牙を通しませんので襲われることもありません。
インドサイは鎧のような見た目をしているので、さらに分厚い皮膚をしています。
体毛は基本的にはありませんが、スマトラサイのみ体毛が濃いです。
○サイの角ですが、骨ではなく、毛が硬質化したものになります。
インドサイが1本、他は2本、スマトラサイは1~2本かイボになります。
ケラチン質で、我々ヒトの毛や爪のようなもので皮膚から生え出ています。
角はオスのほうが大きく、戦うときに使うに使います。
○夜行性に適した感覚器
感覚器ですが、視力は非常によわく、最大でも、たった30mしかみえません。
その代わり嗅覚、聴覚は非常にすぐれているので、夜行性であることがうかがえます。
○食性に適応した唇
サイの口先ですがとても器用に動かすことができ、敏感です。
種によって形が違うのですが、食べるものに関係していると言われています。
シロサイなどの地面の草を広範囲にむしり取るように食べる都合上、口がワイド(名前の由来)になっていて、
インドサイ、クロサイなどの森林で暮らす種は木の枝を上手くつまんで引き寄せられるように口が尖っています。
○最高走行速度は45~55km/hほど、早く、普通自動車の法定速度(60km/h)ぐらいの速さに相当します。
食性
基本的に草食で、筋肉が発達した唇で、枝や草などをむしり取って食べたりします。
食性上、塩やミネラルが必要でジャワサイとスマトラサイは海水を飲むみたいです。
見れる動物園
絶滅寸前種という事で、繁殖保存に力を入れている国の一つであることから、
サイは日本で多くの動物園でみることができます。
主に日本で飼育展示されているのは、シロサイ(ミナミシロサイ)、クロサイ(ヒガシクロサイ)、インドサイの3種のみです。
展示されている動物園が異なったり、2種混合展示されている園もあるので注意してください。
○シロサイ(ミナミシロサイ)
盛岡市動物公園(岩手)
群馬サファリパーク(群馬)
東武動物公園(埼玉)
富士サファリパーク(静岡)、
豊橋市総合動植物公園<のんほいパーク>(愛知)
姫路セントラルパーク(兵庫)
アドベンチャーワールド(和歌山)
アフリカンサファリ(大分)
鹿児島市平川動物公園(鹿児島)
○クロサイ(ヒガシクロサイ)
八木山動物園<フジサキの杜>(宮城)
日立市かみね動物園(茨城)
上野動物園(東京)
よこはま動物園ズーラシア(神奈川)
大阪市天王寺動物園(大阪)
アドベンチャーワールド(和歌山)
広島市安佐動物公園(広島)
鹿児島県平川動物園(鹿児島)
○インドサイ
横浜市立金沢動物園(神奈川)
多摩動物公園(東京)
東山動植物公園(愛知)
秋吉台自然動物公園<サファリランド>(山口)
以上が<サイ>の記事でした。
人為的で多くの生息数を減らしている動物の一種であり、世界各国で繁殖や保護に尽力を尽くしています。
私たち人が利益を追求し、行動し、暮らしが豊かになっていく分、他の動物にどのような影響があるのか、今一度考えてみてはいかがでしょうか?
貴重なお時間の中、最後までの購読ありがとうございました!
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