父は憶えている | 3代目大村屋

3代目大村屋

映画・ダンス・旅行を中心に、日々感じた事を…

監督・出演:アクタン・アリム・クバト

出演:ミルラン・アブディカリコフ

 

 クバト監督がネットニュースで見つけた実話に着想を得て、出稼ぎ先で記憶と言葉を失い故郷へ帰ってきた父とその家族を描いたヒューマンドラマ。23年前にロシアで行方不明になっていたザールクが、キルギスの村に帰ってきた。家族や村人は記憶と言葉を失った彼に動揺するが、家に妻ウムスナイの姿はなかった。周囲の心配をよそに、ザールクは村にあふれるゴミを黙々と片付ける。そんなザールクに、村の権力者による圧力や、近代化の波にのまれていく故郷の姿が否応なく迫る。第35回東京国際映画祭コンペティション部門出品。

 

 キルギス映画は初めて見たのかもしれない。記憶を失った父は、何もしゃべらない。質問してもほとんど返事をしない。20年以上、自分が誰か分からず、ぼんやりとした生活を続けてきたからなのかなぁ。妻だった女性は今は町の権力者の妻になっているけど、全く幸せじゃない。姑も意地悪だし、夫は成金で腹黒い。これと言った事件は起こらず淡々と進んでいくけど、最後に元妻が歌った歌は覚えていたんだよね。何かを思い出せたのかもしれない。2人が元のさやに納まるといいなぁ。
☆☆☆(T)