ほかげ | 3代目大村屋

3代目大村屋

映画・ダンス・旅行を中心に、日々感じた事を…

監督:塚本晋也

出演:趣里 森山未來

 

 終戦直後の闇市を舞台に絶望と闇を抱えながら生きる人々の姿を描いたドラマ。焼け残った小さな居酒屋に1人で住む女は、体を売ることを斡旋され、日々をやり過ごしていた。ある日、空襲で家族を失った子どもが食べ物を盗みに入り、入り浸るようになる。女は子どもとの交流を通してほのかな光を見いだしていく。ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品され、NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞したほか、毎日映画コンクール日本映画優秀賞やキネマ旬報主演女優賞など国内でも数多く受賞した。

 

 戦争で生き延びても、心が病んでいたり、貧しさにあえいでいたり、戦後を生き抜いた人たちは本当に大変だったんだなぁと実感した。現地での体験は多くの兵士の心を蝕んでいたんだろう。最近になってようやく、兵士たちの心の闇がクローズアップされてきた。そのせいで家庭内暴力や酒に走ったり、鬱状態のまま抜け殻のようになってしまったり。戦争は終結しても、その後何年にもわたって人々を苦しめたんだと言うことに改めて気づかされた。

☆☆☆☆(T)