理想郷 | 3代目大村屋

3代目大村屋

映画・ダンス・旅行を中心に、日々感じた事を…

監督:ロドリゴ・ソロゴイェン
出演:ドゥニ・メノーシェ マリナ・フォイス

 田舎に移住した夫婦が閉鎖的な村で住民との対立を激化させていく姿を、スペインで実際に起きた事件を基に映画化した。フランス人夫婦のアントワーヌとオルガはスペインの小さな村に移住する。しかし、村人たちは新参者の夫婦を嫌い、嫌がらせをエスカレートさせていく。そんな中、金銭的利益となる風力発電の計画をめぐり夫婦と村人の意見が対立する。ゴヤ賞で主要9部門を受賞したほか、東京国際映画祭では東京グランプリ(最優秀作品賞)などを受賞した。

 

 いや~、人間関係って怖いわ。実話に基づいているから、本当にびっくりしちゃう。閉鎖的な田舎の村に生まれ、結婚相手もおらず、貧乏でよその土地に行くこともできない。そんな兄弟はフランスから来た元教師のアントワーヌが最初から気に入らなかったんだろう。インテリで、有機農業をして、きれいな奥さんがいて…。そんな時に風力発電計画に反対されて、それが着火点になってしまったのかもしれない。

 

 アントワーヌもこっそり隠し撮りをするなど、やられたらやり返すみたいなところがあって、どんどんエスカレートしてしまった感じ。どこかで話し合ったり、誰かに仲裁に入ってもらったり、どちらかが譲歩したりしていれば、こんな結果にはならなかったのかもしれない。でも、相手兄弟は犯罪を犯すような人達だから、話し合っても無駄だったかもしれない。そもそもアントワーヌ達は、なんでこの土地にそんなに執着するんだろう。人間関係は住むうえで一番大事だよね。マンションだって隣の人がとんでもない人だったら住環境最悪になる。

 

 アントワーヌが行方不明になっても、オルガはこの村に住み続ける。それにちょっとびっくりしたけど、真相解明のためだったんだね。彼女まで殺されなくて良かった。アントワーヌに比べて理性的で、芯が強い女性として描かれていた。でも2部はちょっとダレてしまった感じ。もう少しコンパクトにまとめたほうが良かったかな。

☆☆☆(T)