監督:フランソワ・オゾン

出演:ナディア・テレスキウィッツ レベッカ・マルデール

 

 映画プロデューサー殺人事件の“犯人の座”をめぐって3人の女たちが繰り広げる騒動をユーモアたっぷりに描いたクライムミステリー。パリの大豪邸で有名プロデューサーが殺され、新人女優マドレーヌが容疑者として連行される。マドレーヌは親友の弁護士ポーリーヌと共に法廷に立ち、プロデューサーに襲われて自分の身を守るための正当防衛だったと供述し、無罪を勝ち取る。さらに、悲劇のヒロインとしてスターの座を手に入れるが、彼女たちの前にかつての大女優オデットが現れ、プロデューサー殺しの真犯人は自分だと主張する。

 オゾン監督はシリアスな作品からコメディまで、本当に幅が広いうえに、どれも傑作ぞろい。今作はコメディで、なおかつ、すべてにおいて、軽いというかコミカルな感じで面白かった。そして、女性の描き方がいい!主人公マドレーヌも魅力的だし、弁護士のポリーヌは本当にキレ者。あとから「私が殺した」と登場したオデットも自分勝手だけど、憎めない雰囲気。この3人が争うことなく、協力してアホな男たちを手玉にとって、幸せになる。男たちの後日談も笑えて「ざまー見ろ」って感じの内容でよかった。ちなみに、ポリーヌはマドレーヌに恋していたんだよね。マドレーヌを見つめる表情が切なかった。でも、それについてはさらっとしか描かれなかった。当時の状況からすれば、ポリーヌが告白できる訳もなく、そうなってしまうんだろうね。
☆☆☆☆(T)