夜、鳥たちが啼く | 3代目大村屋

3代目大村屋

映画・ダンス・旅行を中心に、日々感じた事を…

監督:城定秀夫

出演:山田裕貴 松本まりか


 佐藤泰志の同名短編を映画化。人生を諦めかけた作家とシングルマザーの奇妙な共同生活を描く。売れない作家の慎一は、同棲していた恋人に去られ、鬱屈とした日々を送っていた。彼の元に、友人の元妻裕子と幼い息子が引っ越してくる。恋人と暮らしていた一軒家を母子に提供し、自身は離れのプレハブで寝起きする。互いに深入りしないように距離を保ちながら、表面的には穏やかな日常を送る2人だったが…。

 

 慎一の家の近所で、グエーとかギャーとか鳴く鳥の声が不気味でめっちゃ怖かった。そのせいか、全体の雰囲気が重苦しい感じだったけど、慎一と裕子の置かれた苦しい状況を表していたのかな。裕子の息子がまだ幼くて、慎一にもなついて、場の雰囲気を明るくしていたのが救いだった。恋人に愛想をつかされて出て行かれた慎一と、夫に浮気されて離婚した裕子。2人とも同じような傷を負っているから、お互いの痛みが分かるんだろうけど、その歩み寄りは遠慮しながら、おずおずとした感じだった。最後までうまくいくのか、分からなかったけど、ハッピーエンドっぽい終わり方で良かった。
☆☆☆☆(T)