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きくちゆみの安房鴨川山間地便り(14) 

棚田の夜祭り

大山千枚田は日本有数の棚田で、「棚田百選」にも選ばれた美しい棚田です(千枚はないですが、数百枚はあるでしょう)。この棚田を舞台に毎年、「棚田の夜祭り」が行われます。

この棚田で田植えをしているのは、棚田倶楽部に属する都会の人たち。大山千枚田保存会の人たちの協力を得て、いつもすばらしいお米を作っています(我が家は今年はいのししにやられて、ほとんど収穫ができませんでした。残念!)

3千以上もあるランプ(廃油を使って作ったもの)にボランティアの方々が一つ一つ火をつけるのです。この環境に配慮した廃油たいまつも手作り。手がかかる途方にくれるような作業を、ボランティアのみなさんでやり遂げているのです。

まだ日がある間に一つ一つのたいまつに灯りをともします。そして、日がくれると、はるかかなたまでほのかな灯りがゆらゆらと続き、幻想的な別世界が生まれます。

本当に美しいものです。

ここの特設舞台で毎年、舞踊フループ「オリザ」(オリザとは稲の学術名)がこの棚田で生まれた「里舞」を披露してくれるのです。踊り手は舞踊家の長村順子先生が率いる鴨川バレエ団の生徒たち。私の娘もその一人です。

小学生の踊る「ルーツ」はかわいらしく、中高生の「稲の精」はため息が出るような美しい踊りです。そして、女性たちの踊る「花」ではいのちを慈しむ気持ちが踊りから伝わってきます。毎年、踊りは進化していて、それが楽しみで必ず観に出かけます。里舞のテーマは、太古から続く稲作を通してのいのちの営み。未来を担う子どもたちに、そのいのちのバトンを受け渡すために私たちは生きている、といっても過言はないでしょう。

毎年観ているのにもかかわらず、私は今年も「里舞」を観て感動の涙がこぼれました。あなたも来年はぜひ、ご覧ください。
http://www.kamonavi.jp/ja/tanada/

「みんなみの里」からシャトルバスが運行していて、バス代と鑑賞代を含めて500円です(そのうち200円は商品券で、出店の食べものなどに使えます)。毎年10月末から11月初旬にかけて行われています(今年は10月30日~11月7日)。