パリの食。中世から今日まで。 | 大森 由紀子のブログ

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フランス菓子・料理研究家、大森由紀子が日常の美味しいを綴るブログです。

フランス人の歴史の先生から、「ガストロノミック(食道楽)なパリの歴史-中世から今日まで」
を紹介されて読んでいる。圧巻の分厚さだが、かなり詳細で面白い。中世は、そんなに食料が豊富ではなかったと思っていたが、その考えは覆された。どうやらパリは例外のようである。先日も書いたが、パリには大学ができたことにより、人口が増え、レアールに市場ができて大にぎわい。

1390年頃出版された「Les Me(s)nagier de Paris」という本によると、毎週、羊1900、牛400,子牛200頭が売られ、あらゆる種類の魚も。魚貝類は、夜ノルマンディーを経って朝パリに!スパイスもサフランはじめショウガ、丁子などなど色々そろっている。野菜に関しては、収穫時期や状態が記載されており、ソラマメは、復活祭の時期に収穫されて、湿地帯のものは平らだが、畑のものは丸い。カリフラワーは、8月終わりだし、りんごは葡萄収穫が終わったころがよい。1月に掘り起こすパネは白いが、美味しいのは黄色みがかったもので、折るとはじけるように気持ちよく割れるのが新鮮だ。などなど。しかし、こうした食材に対する知識やレシピが先行し、パリの人口に対し、市場に運ばれる生産物の数は足りていなかったようである。

またこの続きが面白い。また書きます。

*写真は、パネです。サンタムールの市場で、le 14 Fevirierを閉店するころ、浜
田シェフが取って送ってくださいました。これもTopinampeur(菊芋)のように、一時期忘れられていた野菜のひとつではないかと。