フランス地方菓子クラスのテスト内容と解答 | 大森 由紀子のブログ

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フランス菓子・料理研究家、大森由紀子が日常の美味しいを綴るブログです。

覚えているか自分の中で確認。先週の問題は以下。フランス地方菓子クラスでは毎回テスト。と言っても提出とかないです。
こうした情報は、興味あれば(まあここがポイントなんですけど)知識として蓄積されるし、知恵にも生かされる。

①      フランス革命の年はいつ?

1879年 
1789年 
1678年       

②      町でウーブリなどを売っていた菓子屋と、パテなども作っていたパティスリーを合併して、正式なパティスリー組合とした王は誰か?

1.       フランソワ1世 2,アンリ2世 3,シャルル9世

③      AOPは獲得していないのに、良質で美味しいバターを作っている個人が立ち上げた会社は?

1.        イジニー、2,ボルディエ 3,エシレ

フランス革命は、1789年ですね。覚えやすい。しかし、実際にルイ16世とマリー・アントワネットが死刑になったのは、1793年で革命から4年後。ちなみにフランスは1981年に死刑廃止になりました。

問題②の1,2,3の人物はつながりあります。

おじいちゃん、お父さん、息子となっています。おじいちゃんのフランソワ1世は、ロワールのシャンボール城(写真)を改築して紋章のサラマンドルをかかげた人ですね。フランスルネッサンス最高傑作の建築と言われていますね。二重らせん階段が有名。正妻と愛人が顔を合わせないで降りたり上ったりできるという階段です。笑。

フランソワ1世はイタリアのルネッサンスに憧れすぎて、レオナルド・ダ・ヴィンチを連れてきちゃった人ですね。アンボワーズ城のクル―館に住ませて創作させました。ダヴィンチが64歳から67歳の晩年ですけど。ルネッサンスはイタリアから始まって、それが14,5世紀、フランスは遅れて16世紀です。
絹織物も奨励して、その歴史があったおかげで、富岡製紙工場にはフランス人の技術者が指導にきていたんです。

その息子がアンリ2世。お嫁さんはかの有名なカトリーヌ・ド・メディシスです。イタリアからマカロンとかフォークとかシャーベットとか下着を持ってきました。しか
しそこに愛はなく。というのも、アンリ2世は教育係だった20も上のディアーヌ・ド・ポワティエという愛人がいましたから。

で、問題の答えは、3のシャルル9世です。カトリーヌ・ド・メディシスとアンリ2世の息子ですね。彼らの息子たちは3人もフランス王になっているからすごい!愛がなくても息子は出世。しかし、あまり統治は続かなかったです。宗教戦争などあったし、毒殺とか陰謀とかいろいろありすぎの時代。怖いです~。

このころは、ウーブリというワッフルの前身となるお菓子を道端で歌いながら売っていたのです。そのウーブリ売りやパン・デピス売りたちと、料理のサレもつくってい
たパティシエが一緒にお店をしていいよという許可を出したのがシャルル9世だと言われています。1566年。

3番の答えはボルディエですね。ボルディエさんが作ったバター。他は、バターの産
地の地名で、エシレはポワトゥー・シャラント地方のエシレ村の乳業共同組合のよう
なところ。イジニーは、ノルマンディーのイジニーというところの、正式には、イジ
ニー・サント・メールという会社で作っています。