ミアス、謎多きお菓子 | 大森 由紀子のブログ

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フランス菓子・料理研究家、大森由紀子が日常の美味しいを綴るブログです。





先週末の地方菓子の教室ではかぼちゃとトウモロコシ粉のミアスを作りました。


およそ8万年前、農耕が始まって、人類が初めて口にした食べ物といえば、大麦をつぶしてゆでたお粥でした。ミアスはそのお粥の流れを汲む代表的な食べ物。その進化したものが、クラフティーやファー・ブルトン、リ・オ・レです。ミアスは、おもに南西部で作られていますが、地域によって呼び方や内容がことなるちょっと複雑な食べ物です。ミアスの元の言葉は、トウモロコシを表すミエということばだと言われています。アキテーヌ地方、ドルドーニュ県、ぺリゴール地域では、Millasou、または、Millaと呼ばれ、カボチャとトウモロコシ粉で作られています。同じくアキテーヌ地方ですが、ジロンド県では、Mias、または、 Millasと呼ばれ、ミルク、アーモンド、小麦粉で作るものもあります。


ミディ・ピレネー地方、タン県、アルビあたりのものは、トウモロコシ粉やミルクで作ったものを、ソテーします。これは、アルビの著名なショコラチエ、ミッシェル・ブランさんが教えてくれました。著書「私のフランス地方菓子」に紹介させていただいています。リムーザン地方、コレーズ県では、Millassouと呼ばれ、じゃがいもの薄切りをガチョウの油でソテーするお料理系のミアスもあります。(粉糖でつけた模様は、とくに決まったものではありません。これは私が勝手にデコレーションしました。本来は焼きっぱなしです)