旦那ﾁｬﾝよ･･･
年下の彼もすぐに昼職しつつ夜を
掛け持ちしながら趣味の時間必須に作り
それでも彼なりに頑張ってくれていた。
彼の家庭は父と祖母しか居ないのだが、
付き合い当初から彼の祖母には
「可愛い一人孫取られた～！」
と冗談半分で言われつつも、息子の事も
私の事も温かく受け入れてくれていて。
入籍の意思が決まって話した時は
「大変だろうけど息子を頼むね」
と、母子共々快く受け入れてくれた。
ペットだった彼は「旦那ちゃん」に昇格した。
お腹が大きくなった私を見て、
散々反対して暴走して喧嘩三昧だった宿敵の
元旦那もやっと大人しく距離を保つようになり
むしろ、目の前で見てきた流産や乗り越えた
長男の出産の事もあったせいか、
私の体を気にかけていたようだった。
安心して進む道に向き合えると安心した。
出産当日。
ちょうど休日の日中に陣痛がやってきて
5分間隔になる頃、一緒にいた旦那ちゃんは
「ちょっと遊びに行っても大丈夫そう？
病院向かう？まだ多分生まれないでしょ？
絶対立ち会うんだから、連絡頂戴ね！」
と言い残し、趣味のゲームの為に近場に出かけ。
立ち会い出産を望む旦那が出かけるか？
と、思ったけど旦那ちゃんも気が気じゃない
遊びに出たはいいけどソワソワしてたらしい。
後で「遊びに行くタイミングだったか？」
って聞いたら友達に「もう産まれる！」って
自慢もしてきたかったみたいね。
私は間隔を見ながら息子と入院荷物を車に乗せ
陣痛間隔を予測しながら休み休み自分で運転し
旦那ちゃんを迎えに行き、直で病院へ向かった。
今考えたら、その状況で遊びに出た
旦那ちゃんも考えられないし、運転してた私も
恐ろしく無謀な光景だけど母は強いものだ。
病院の先生には陣痛開始の連絡と向かう事を
連絡はしていたのだが、近いとはいえ・・・
自分で運転してくるとは思ってなかったようで。
「2人目だから進み早いかもしれないし無理せず
早めにおいでって言ったでしょ！危ないな～！」
と、怒られた。そりゃそうだ。
病院到着から2時間程で旦那ちゃんも立ち会いで
分娩室に入ったが、ずっとどうでもいい話してて
ずーっと日常会話、話しかけてくるし。
大股開きで地味な痛みと戦う私の横で義父に
「そろそろ出るよ～」と電話していた。
地味に痛いながらも呑気に旦那ちゃんと
話して盛り上がっていたら助産師さんに
「痛くないんですか？そろそろですけど？」
と、呆れられてた。
私、痛み中枢がネジ外れてるみたいね。
笑ってしまったが、いざ直前になると
少々気が散っていきめなくてウザくなり。
結果的に私に追い出された旦那ちゃん。
こっそり入口から覗きながら産まれる瞬間に
一応立ち会ったそうで、
バッチリ立ち会いは出来た！と、喜んでいた。
陣痛中も立ち会いも望まず全く見て見ぬふりを
していた薄情な元旦那に比べたら、素直で
可愛いもんだな～と、後になって笑った。
私にとっては、懐っこく付いてきて裏表なく
素直で「はいはい」と言う事を聞いてくれる
単純でちょっぴりトンチンカンな旦那ちゃん。
彼が自由なところも若いからと許せていたし、
男としては一丁前に生意気だったので喧嘩は
頻繁にしていても、やっぱり可愛いで許せる。
それは、互いに気兼ねなく言い合えてたから。
自分が自由人で趣味時間大事だからか
私自身の時間作りにも協力的で、以前のように
窮屈に思った事がなかったし、平等で自由。
負担は多少あったけれど、
旦那ちゃんの趣味にも協力的に許してあげられて
うるさく言いつつも、とても楽しかった。
一度、1人で育てると腹括ったのも、
居ると思ってもあまりアテにしないのも
適度に気持ちの余裕として、私も1人より
って考えられたから、多少は気にならず
バランスが良かったんだと思う。
ともあれ。
無事に次男が生まれて家族が増えた。
と、同時に･･･
旦那ちゃんも含め、子供が3人みたいになった。
のほほんと平和で、並の幸せには
近づいていたハズだった・・・。
