お土産がない。


 自分の家の近くにはなぜかお土産がない。


 まあ探せばお土産といえなくもないものがないわけではないが、それにしても名物といえるものがない。


 しかし、考えてもみればである。


 わざわざここに来たい、と遠くから来る人はいるだろうか?


 と逆の発想で考えてみる。


 するとである。


 まず期待とは思わない。


 つまりである、


 わざわざここに訪れて、お土産を買って帰ろうという場所ではないからお土産がないのは当たり前である。


 ということである。オシマイ。


 単純だがそういうことである。


 だから、ある意味、お土産がある駅というのは観光地化した駅だと思っている。田舎の素朴な駅は好きだけれども、それは決して見世物ではない。

 しかし観光地には「いざ、見よ」という何か力の込められたような下心を感じるものがある。


 お土産がなくても魅力的な駅、というのはある意味理想的な駅だとは思うけれどもさすがにそこまでに達するのは難しいと思う。


 駅は駅だ、見世物でもなければ芸術の対象となるような存在も必要はない、といってしまえばそれまでなのかもしれない。が、


 思わず下車したくなる魅力、というより魔力のある駅はやはりあって欲しいと思う。


 残念ながら自分の駅にはそれがない、というよりそれがあればある意味お土産のための駅として全国に勇名を馳せるのかも知れない。今後それが出てほしい気はするのだが。

 福島、などとカテゴリーを作ってしまったが、別に自分は福島県出身者とかそういうことではない。


 昔、家族旅行で会津若松に行ったときのお土産が久々に出て来たのだが、それがパチモンの考えに通じるところがあったので紹介させていただくことにする。



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 白虎刀・・・会津若松といえば白虎隊なので白虎刀というらしいがなんとも安易なネーミングである。


 まあ、それはそれでいいとして、確かにブームや知名度にあやかりたい、という気持ちはわからなくもない。


 もちろん、男の子にとって武具は欲しいお土産の一つである。かくいう自分も箱根で十手を買い、そして会津若松でこういう刀のキーホルダー(リングの部分がとれてしまっているがこれはキーホルダーである。)を買い求めたわけだから、一応、お土産としてまあ男の子向けではあるのだろう、と勝手に想像してみたいする。


 しかし後年、よくよく歴史というものを考えてみるとである、この過剰演出というべき竜の装飾が何ともいえぬチープ感を醸し出しているといえよう。


 そもそもである、刀の鞘にここまで派手な装飾を施すのかというと非常に疑問がのこる。


 もちろん、そういうデザインがあるかというと確かにそういうのもあるのだが、基本的には漆塗りとかで、最小限の作り、つまり質素かつ重厚に作ることに美しさというか清涼感のある美しさが本来の刀にはある。


*補足 銘の刻印が刃身を上にして読める状態が刀、逆さにして読める状態なるのが太刀であるが、太刀の場合、鞘に鎧等の帯に下げるホルダーを装着しているケースが多いので、これで太刀と判断できるケースもある。


 しかし中途半端な金メッキの竜が割り込むことにより得も言われる不協和音が発生し、得体の知れぬチープ感が出現するのがパチモン土産における刀の定番である。


 会津若松における刀はまだよくできた方である。これがアキバ土産だとそのチープ感はさらに加速度的に向上するので用心されたし。


 というのは、このお土産の裏側を見てみると・・・




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 見づらいと思うが、「開運招福」と書かれている。


 ああなるほど、これは白虎隊が本当に使っていた刀だ、と強引な歴史スポットを演出するのではなく、あくまで縁起もの、招き猫のようなモンなんだな、と妙に納得させられてしまった。


 ・・・となると、問題はアキバの刀である。残念ながらまだ購入していないのでお見せできないのだが、これが縁起モノ目的であるのか侍が使用したものとして日本文化を象徴するものであると伝えてよいものなのか、おそらく海外からの旅行者には知る由もないだろう。


 今日も縁起モノを侍の魂と思って買いこんでいく旅行者がまた一人と増えていき、縁起ものを買うとする日本人観光客は一人も増えないのである。




 かつて国際都市との代名詞いえば六本木であった。


 しかし今や秋葉原は紛れもなく六本木以上の国際都市である。


 六本木がどちらかというと西洋的な国際感覚があるのに対し、秋葉原はどちらかというと東洋的な国際感覚が多いような気がする。


 別の見方でいえば、定住型の国際都市が六本木ならば、観光型の国際都市が秋葉原ともいえるだろうか。


 そんなわけで、観光型である以上、お土産が充実しているのは秋葉原ということで秋葉原でお土産探しの旅に行って来た。


 サッカー日本代表の高原直泰選手がドイツのブンデスリーガに移籍したとき、現地でついたニックネームは「スシボンバー」だそうである。


 とりあえず日本らしい名前としていかにもてっとり早いというか安直というか、とにかく寿司というよりSUSHIは日本らしいという、そんな外国人のニーズを狙ってかそんな下心あるキーホルダーと思えるのがこのSUSHIキーホルダーである。



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果たしてこれを心の底から買いたいという、純粋な憂国の志士が何人いるだろうか?


 大半の方は「ああ、やっちゃったな~」 という感じか、完璧に日本文化を理解してもらおうとは思わなくても、極端に偏見をもたれてしまっては困る、というような感じで多少は眉をひそめてしまうような、そんな微妙なはがゆさが入り混じった感覚とでもしておこうか。


 ちなみに自分が買ったのは金モデルだが、他にも銀モデルが存在している。値段はというと共に315円。


 そして、領収書を確認してみると、


 民芸品


 ・・・民芸品!?・・・扱いなのですか・・・・!?


 民芸品というのはもっと何というか、日本でしか手に入らない、日本の職人が精魂こめて作ったものでないととてもではないが民芸品とは思えないのであるが・・・


 単純な問題として、ロサンゼルスやニューヨークの日系人街で買えるのでは?


 と思ってしまう品物である。何もわざわざ遠路はるばる日本まで来て買う必要を全く感じないのと思うのは日本人である自分だけであろうか・・・