[ためになるお口の話(23)口呼吸<1> 乾燥し免疫力が低下]
(北海道新聞 2011年11月2日)(兼平孝)
皆さんは「自分は鼻で呼吸している」と思っていることでしょう。
しかし、鼻呼吸のつもりでも無意識のうちに口が開き、口で呼吸している
「口呼吸」の人が少なくありません。
睡眠時まで含めると日本人の半数近くが口呼吸をしており、欧米人に比べて
はるかに多いと指摘する研究者もいます。
私たちの体は鼻で呼吸することを前提に設計されています。
鼻は高性能の「空気清浄機」「加温・加湿器」です。
鼻で呼吸することで、空気中の汚れたちりや雑菌の大半は鼻の粘膜に吸着・
除去され、鼻の中で適度に温められ加湿された空気がのどを通って肺に届き
ます。
しかし、口呼吸ではちりや雑菌がほとんど取り除かれない上に、空気が十分
加温・加湿されずに肺へ送られるため、気管支や肺に負担がかかります。
病原菌やアレルギー物質が入りやすくなることで、免疫力が低下し、病気に
かかりやすくなると考えられています。
また、口の中に直接外気が入ることにより、口やのどの粘膜が慢性的に乾燥
します。
老若男女問わず、口呼吸は口腔乾燥症の大きな原因の1つで、口臭や歯周病、
虫歯の多発、さらには口内炎や口角炎の原因となることがあります。
問題は、口呼吸をしていても本人が無自覚なケースが多いことです。
実際、いつもポカーンと口を開けている口呼吸の人よりも、上下の唇が
わずか数ミリ開いているだけの「隠れ口呼吸」の人が意外に多いのです。
本人も周りもほとんど気づいていません。
そんな場合でも、口の中はしっかり乾燥します。
スポーツをしているときなどを除き、口呼吸は健康に良くありません。
では、なぜ口呼吸になるのでしょうか。
次回もこの話にお付き合いください。
(北大病院歯科診療センター講師)
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/health_news_mouth/146121.html