[乳児の睡眠関連死を防ぐ18のアドバイス―米学会
うつぶせ寝以外にも原因多数]
(AFPBB News 2011年10月21日)
<睡眠関連死>
乳幼児突然死症候群(SIDS)については、1992年に米国小児科学会が
うつぶせ寝を避けるよう勧告を出して以降、減少しているが、睡眠中の不慮の
死亡については近年、増加している。
うつぶせ寝以外の、睡眠関連死の原因を特定することが重要だ。
同学会は10月17日、乳児の睡眠関連死を防ぐための18項目のアドバイスを、
米医学誌「Pediatrics」(電子版)に発表した。
<安全な睡眠環境について>
勧告は、仰向け寝、硬い寝具の使用、母乳育児、ベッドを別にした上で寝室を
共有、定期の予防接種、おしゃぶりの使用の考慮、軟らかいベッドを避ける、
温め過ぎない、たばこ、アルコール、違法薬物を避けることなどを推奨して
いる。
なお、すべてが保護者向けではなく、医療従事者やメディア、メーカーなどに
向けたアドバイスも含まれている。
<乳児の睡眠関連死を防ぐアドバイス>
(1)推奨レベルA
・あおむけ寝
・寝具の表面は硬いものを使用
・寝室を共有し、ベッドは別々にする
・軟らかいもの、軟らかい寝具をベビーベッドに近づけない
・妊婦は定期検診を受ける
・妊娠中と出産後、喫煙を避ける
・妊娠中と出産後、飲酒と違法薬物を避ける
・母乳を推奨
・昼・夜間の就寝時におしゃぶりの使用を考慮する
・温め過ぎない
・SIDSリスクを減少させる手段として呼吸循環イベント監視のための
ホームモニターを使用しない
・SIDS予防キャンペーンを全睡眠関連死に拡大し、小児科医や一般医などが
積極的に参加する
(2)推奨レベルB
・米国小児科学会と米疾病管理センターが推奨する予防接種を受けるべき
・SIDS予防減少をうたった商品を避ける
・保護者の管理下で、目覚めた状態でうつぶせの時間をつくることは、
発育を促進して変形斜頭症を予防する観点から推奨される
(3)推奨レベルC
・医療従事者、新生児室や新生児集中治療室(NICU)のスタッフ、
保育士は、出生時からのSIDSリスク軽減の勧告を支持すべき
・メディアやメーカーは安全な睡眠ガイドラインにのっとった発信、
広告を行うべき
・SIDSや他の睡眠関連死を完全に防げるまで、それらの危険因子、原因、
仕組みについての研究を継続すべき
それぞれの項目で、「ぴったりしたシーツをかぶせた硬いマットレスを使用」
「マットレスに変型がなく、ベッドとの間に隙間がないこと」などと、乳児の
安全な睡眠環境について、エビデンス(根拠)に基づいた細かなアドバイスを
行っている。
日本では伝統的に母子が添い寝をするケースが多いが、ベッドの共有に
ついては「睡眠中のSIDSや窒息が予防できる報告がない上に、親の疲労などの
リスクをコントロールできないなど、どのような状況であっても安全と
言えない」と一刀両断。
特に、3カ月未満の子供や、ベッドの共有者が現在、喫煙中(ベッドで
吸わないとしても)、疲労超過、服薬中、両親以外―などでSIDSや窒息が
大幅に増加することがこれまで報告されていることから、いかなる場合も
避けるべきとしている。
http://kenko100.jp/news/2011/10/21/03
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上記の中で、歯科と関連する項目は、(1)推奨レベルAの
・母乳を推奨
・昼・夜間の就寝時におしゃぶりの使用を考慮する
である。
母乳の推奨は、
・栄養学的意義:栄養素不足の母親の母乳ならばミルクの方が良い
・スキンシップ:ミルクとの差を調べることは不可能
なので、従来から言われている意義はほとんど意味をなさない。
母乳の意義は、飲むのに口腔周囲筋・嚥下関連筋を全部使わないと飲めない
ことである。
逆に言えば、ミルクは楽に飲め過ぎるのが問題なのである。
口腔周囲筋・嚥下関連筋の訓練は、呼吸関連筋にもつながり、呼吸が安定し
誤嚥が減少するので、突然死の可能性が低下する。
同様に、おしゃぶりの使用の意義も口腔周囲筋の訓練にある。
さらに、口呼吸の予防にもなる。
赤ん坊は生まれた時は全員鼻呼吸である。
鼻呼吸だから母乳やミルクを息継ぎ無しに飲めるのである。
しかし、言葉を話すヒトの宿命として、すぐに口呼吸を学習し始めてしまう。
おしゃぶりは、3歳児健診を目標に止めれば、歯並びへの影響は最小限に
留められる。
小児矯正歯科の着脱式矯正治療を前提にして、4~5歳までのおしゃぶり
使用を推奨する先生もいる。
口呼吸に伴う弊害は、それこそ甚大であるからである。
口腔内細菌や扁桃に棲息する細菌の増殖は、脳卒中から掌蹠膿疱症まで
ありとあらゆる疾患の原因となる可能性があるからである。
鼻呼吸の習慣は一生の財産であることは間違いない。
(横山歯科医院)
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