誓いの木~第二夜~ | 雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

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心に雨が降る日も、日差しが眩しい日も。
アロマとハーブで体と心のケアをさせていただく、傘のようなサロンです。
ご希望の方には、施術中にお客さまから伝わってきた、世界にたったひとつのフェアリーテイルをお伝えしています。



今回のお話は、公園が舞台なわけですが、私の実家の近くにも、公園がありましたブランコ


それが、徒歩30秒くらいのところにあったので、子供の頃はありがたみも何もなく・・・。


今住んでいるところの近くには公園がないので、ちょっとさみしいなー汗と感じてしまいます。



「公園」の持つキーワードは、詳しくは最終話でまた読み解くかもしれませんが・・・、


公園というものは人が生きる舞台キラキラ3です。


「公園」という言葉を聞いて、どんな公園をイメージするでしょう?


どんな自分がそこにいて、何をしているでしょう?


それを考えるだけで、自分の今を読み解くことができそうですねにこ。





それでは・・・。


お客さまのアロマトリートメント中に、私に伝わってきたストーリー
リボン


誓いの木~第一夜~


の続きをどうぞ。









翌日になりました。


少女は、少年の言っていた〝いいこと〟が気になって仕方ありません。


待ちきれず、いつもより少しだけ早く、公園に着きました。


(でも、まだ来ていないよね・・・。)


そう思いながらも、彼女は公園を見回します。


隅にあるブランコの後ろにしゃがみこむ少年の姿をみとめて、少女はそっと近づきます。





少年は、公園の隅っこにしゃがみこんで何かをしているようです。


少女が近づいてくることにも気づきません。


少女は、少年の背後からゆっくりと少年の手元を覗き込みます。


でも、少年が何をしているのか、少女にはわかりませんでした。


少女は小さな手でそっと、少年の目を隠しました。


「だーれだ?」


「あっ!」


びくっとした少年の手から、何かが落ちました。


それは、スコップでした。





「何してるの?穴なんか掘って。」


振り向いた少年は、いたずらが見つかった子供のような表情をしています。


「君を驚かせようと思ったのに、僕の方が驚かされちゃった。」


「ふふふ・・・、だって一人でこそこそ何かやってるんだもん。」





少年はごめん、と言いながらも笑って、ポケットから何かを取り出しました。


「ねぇ、手を出してみて。」


そして、自分の手から少女の手の中へ、その何かを移しました。


「なぁに?これ。」


少女の手のひらの中には、小さな種がありました。





「これ、なんの種?」


「うん。それが、ぼくにもわからないんだ。」


「どういうこと?」


「あのね、昨日、ここに向かっている時に空から落ちてきたんだ。」


「落ちてきた?」


「うん。ずっと君とこのままでいたいなぁ、って天にお願いしてたら、落ちてきたんだよ。だから、キャッチしてみた。」


少女は、急に恥ずかしくなってうつむきながら、少年の掘った穴を見つめました。





二人は、小さな種を穴の中に埋めます。


「ちゃんと芽を出してくれるといいね。」


「うん。私、きっと芽を出してくれると思う。」


二人は、目と目を合わせてうなずき合いました。






その翌日は、雨でした。


青い傘と赤い傘が、誰もいない公園の隅に並んでいます。


少年と少女は、種を埋めた時に作った目印が消えてしまうのが心配で、やってきたのです。


ところが、目印はもうどこにもありませんでした。


その代わりに、小さな芽が、雨をはじくようにちょこんと顔を出していたのです。






つづくアブラナ科の芽