今回のお話は、公園が舞台なわけですが、私の実家の近くにも、公園がありました
![ブランコ](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/narimi0/118022.gif)
それが、徒歩30秒くらいのところにあったので、子供の頃はありがたみも何もなく・・・。
今住んでいるところの近くには公園がないので、ちょっとさみしいなー
![汗](https://emoji.ameba.jp/img/user/yu/yuge/70207.gif)
「公園」の持つキーワードは、詳しくは最終話でまた読み解くかもしれませんが・・・、
公園というものは人が生きる舞台
![キラキラ3](https://emoji.ameba.jp/img/user/oa/oasis-2012/4331960.gif)
「公園」という言葉を聞いて、どんな公園をイメージするでしょう?
どんな自分がそこにいて、何をしているでしょう?
それを考えるだけで、自分の今を読み解くことができそうですね
![にこ。](https://emoji.ameba.jp/img/user/ni/nikoblog-2/748152.gif)
それでは・・・。
お客さまのアロマトリートメント中に、私に伝わってきたストーリー
![リボン](https://emoji.ameba.jp/img/user/he/heehee/430561.gif)
誓いの木~第一夜~
の続きをどうぞ。
翌日になりました。
少女は、少年の言っていた〝いいこと〟が気になって仕方ありません。
待ちきれず、いつもより少しだけ早く、公園に着きました。
(でも、まだ来ていないよね・・・。)
そう思いながらも、彼女は公園を見回します。
隅にあるブランコの後ろにしゃがみこむ少年の姿をみとめて、少女はそっと近づきます。
少年は、公園の隅っこにしゃがみこんで何かをしているようです。
少女が近づいてくることにも気づきません。
少女は、少年の背後からゆっくりと少年の手元を覗き込みます。
でも、少年が何をしているのか、少女にはわかりませんでした。
少女は小さな手でそっと、少年の目を隠しました。
「だーれだ?」
「あっ!」
びくっとした少年の手から、何かが落ちました。
それは、スコップでした。
「何してるの?穴なんか掘って。」
振り向いた少年は、いたずらが見つかった子供のような表情をしています。
「君を驚かせようと思ったのに、僕の方が驚かされちゃった。」
「ふふふ・・・、だって一人でこそこそ何かやってるんだもん。」
少年はごめん、と言いながらも笑って、ポケットから何かを取り出しました。
「ねぇ、手を出してみて。」
そして、自分の手から少女の手の中へ、その何かを移しました。
「なぁに?これ。」
少女の手のひらの中には、小さな種がありました。
「これ、なんの種?」
「うん。それが、ぼくにもわからないんだ。」
「どういうこと?」
「あのね、昨日、ここに向かっている時に空から落ちてきたんだ。」
「落ちてきた?」
「うん。ずっと君とこのままでいたいなぁ、って天にお願いしてたら、落ちてきたんだよ。だから、キャッチしてみた。」
少女は、急に恥ずかしくなってうつむきながら、少年の掘った穴を見つめました。
二人は、小さな種を穴の中に埋めます。
「ちゃんと芽を出してくれるといいね。」
「うん。私、きっと芽を出してくれると思う。」
二人は、目と目を合わせてうなずき合いました。
その翌日は、雨でした。
青い傘と赤い傘が、誰もいない公園の隅に並んでいます。
少年と少女は、種を埋めた時に作った目印が消えてしまうのが心配で、やってきたのです。
ところが、目印はもうどこにもありませんでした。
その代わりに、小さな芽が、雨をはじくようにちょこんと顔を出していたのです。
つづく
![アブラナ科の芽](https://emoji.ameba.jp/img/user/pe/pew/618811.gif)