誓いの木~第一夜~ | 雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

雨の日も晴れの日も・・・~アロマとあなただけの童話~

心に雨が降る日も、日差しが眩しい日も。
アロマとハーブで体と心のケアをさせていただく、傘のようなサロンです。
ご希望の方には、施術中にお客さまから伝わってきた、世界にたったひとつのフェアリーテイルをお伝えしています。




いよいよ、あなたの中のストーリーシリーズも、20話め!!!!となりました。


「今までブログに書き起こした中で、どのお話が一番お気に入りですか?」


と聞かれることがあるのですが・・・、これは決められないのですてへ


単に施術中に伝わってきたストーリーを書き起こしているだけではなく、その背景にある、ひとりひとりのお客さまの姿も思い出すと、どのお話も愛しくてハート



ただ、一番楽しんで書いたお話はみかん


蜜柑の願い~前篇~

蜜柑の願い~後篇~

蜜柑の願い~完結篇~





それから、一番の長編になってしまったこのストーリーも印象に残っています星

旅する星の子~第一夜~

旅する星の子~第二夜~

旅する星の子~第三夜~

旅する星の子~第四夜~

旅する星の子~第五夜~

旅する星の子~第六夜~

旅する星の子~第七夜~

旅する星の子~最終夜~



でも、ほかのお話ももちろん!!全部全部大好き。


ブログに書き起こしてはいない、100話を越えるお客さまのお話も、全部きらきらと輝いて、私の心に残っていますきらきら


お話をお伝えさせていただいたお客さまの心にも、残ってくれているでしょうか・・・。






今日書き起こすストーリーも、私の大好きなおはなし。


柔らかくて凛としたたたずまいがとってもステキな方、ライフオーガナイザーあいさんのお話です。
(読むだけでうっとりできる、『うち呑みライフ』を綴られるあいさんのブログ⇒


お客さまのアロマトリートメント中に私に伝わってきたストーリー、第20弾~誓いの木~をどうぞ。
(ストーリーシリーズ、今までの目次はコチラキラキラ
アロマトリートメントなのに、なんでストーリーが見えるの?と言う方は、コチラをご覧ください晴れ






昔々、あなたの中に、静かな公園がありました。


周りを自然の緑に囲まれたその公園は、街のはずれにひっそりと佇んでいました。


その公園は、決して広くはなく、遊具も多くはありませんでしたが、中央には大きな砂場があり、子供たちが駆け回るスペースも十分にありました。


そこではいつも、子供たちが遊び、大人たちが集い、犬や猫がたわむれます。


誰もが、その公園で友達と遊びながら、たくさんの言葉を交わし、少しずつ大人になっていくのでした。





その少年と少女も、子供の頃からその公園で同じ時を過ごしていました。


二人はとても仲が良く、いつも一緒に遊んでいました。


いつも公園で待ち合わせしては、ブランコに揺られたり、シーソーに乗ってはしゃいでは、楽しい一日を過ごしました。


それは、二人が小学校に入学しても、高学年になっても続きました。


毎日、日が暮れるまで、一日の出来事や将来の夢を語り合ったのです。






今日も、二人は公園で待ち合わせます。


「ごめんね、おそくなって。」


息を切らして駆け寄ってくる少年を、彼女は優しい笑顔で迎えます。


「ううん、大丈夫。」


二人はにっこりと笑い合いました。


その日も、二人は公園のベンチの上で語らいました。


「もうすぐ、小学校も卒業だね。」


少年の言葉に、少女の表情が少しくもりました。


「・・・うん、そうだね。」


少年は、少女の顔を覗き込んで、明るい声で言います。


「ぼく、いいこと思いついたんだ。」


「なに?いいことって?」


「それは、次までの秘密だよ。」







二人が毎日毎日一緒にいるのには、わけがありました。


少年と少女は、いつか離れ離れになることが決まっていたのです。


いつか会えなくなるその時が来るのなら・・・、せめてそれまでの日々は、一日たりとも離れず一緒にいたかったのです。






「なに?いいことって。教えてよ!」


「それは・・・、明日にはわかるよ。」


「やだ。今知りたいの。」


「ううん、明日までのお楽しみだからね。」






まだ幼さの残る少年と少女には、お互いに両親の決めた婚約者がいたのです。







つづくベンチ