いよいよ、あなたの中のストーリーシリーズも、20話めとなりました。
「今までブログに書き起こした中で、どのお話が一番お気に入りですか?」
と聞かれることがあるのですが・・・、これは決められないのです
単に施術中に伝わってきたストーリーを書き起こしているだけではなく、その背景にある、ひとりひとりのお客さまの姿も思い出すと、どのお話も愛しくて
ただ、一番楽しんで書いたお話は
蜜柑の願い~前篇~
蜜柑の願い~後篇~
蜜柑の願い~完結篇~
それから、一番の長編になってしまったこのストーリーも印象に残っています
旅する星の子~第一夜~
旅する星の子~第二夜~
旅する星の子~第三夜~
旅する星の子~第四夜~
旅する星の子~第五夜~
旅する星の子~第六夜~
旅する星の子~第七夜~
旅する星の子~最終夜~
でも、ほかのお話ももちろん全部全部大好き。
ブログに書き起こしてはいない、100話を越えるお客さまのお話も、全部きらきらと輝いて、私の心に残っています
お話をお伝えさせていただいたお客さまの心にも、残ってくれているでしょうか・・・。
今日書き起こすストーリーも、私の大好きなおはなし。
柔らかくて凛としたたたずまいがとってもステキな方、ライフオーガナイザーあいさんのお話です。
(読むだけでうっとりできる、『うち呑みライフ』を綴られるあいさんのブログ⇒☆)
お客さまのアロマトリートメント中に私に伝わってきたストーリー、第20弾~誓いの木~をどうぞ。
(ストーリーシリーズ、今までの目次はコチラ
アロマトリートメントなのに、なんでストーリーが見えるの?と言う方は、コチラをご覧ください)
昔々、あなたの中に、静かな公園がありました。
周りを自然の緑に囲まれたその公園は、街のはずれにひっそりと佇んでいました。
その公園は、決して広くはなく、遊具も多くはありませんでしたが、中央には大きな砂場があり、子供たちが駆け回るスペースも十分にありました。
そこではいつも、子供たちが遊び、大人たちが集い、犬や猫がたわむれます。
誰もが、その公園で友達と遊びながら、たくさんの言葉を交わし、少しずつ大人になっていくのでした。
その少年と少女も、子供の頃からその公園で同じ時を過ごしていました。
二人はとても仲が良く、いつも一緒に遊んでいました。
いつも公園で待ち合わせしては、ブランコに揺られたり、シーソーに乗ってはしゃいでは、楽しい一日を過ごしました。
それは、二人が小学校に入学しても、高学年になっても続きました。
毎日、日が暮れるまで、一日の出来事や将来の夢を語り合ったのです。
今日も、二人は公園で待ち合わせます。
「ごめんね、おそくなって。」
息を切らして駆け寄ってくる少年を、彼女は優しい笑顔で迎えます。
「ううん、大丈夫。」
二人はにっこりと笑い合いました。
その日も、二人は公園のベンチの上で語らいました。
「もうすぐ、小学校も卒業だね。」
少年の言葉に、少女の表情が少しくもりました。
「・・・うん、そうだね。」
少年は、少女の顔を覗き込んで、明るい声で言います。
「ぼく、いいこと思いついたんだ。」
「なに?いいことって?」
「それは、次までの秘密だよ。」
二人が毎日毎日一緒にいるのには、わけがありました。
少年と少女は、いつか離れ離れになることが決まっていたのです。
いつか会えなくなるその時が来るのなら・・・、せめてそれまでの日々は、一日たりとも離れず一緒にいたかったのです。
「なに?いいことって。教えてよ!」
「それは・・・、明日にはわかるよ。」
「やだ。今知りたいの。」
「ううん、明日までのお楽しみだからね。」
まだ幼さの残る少年と少女には、お互いに両親の決めた婚約者がいたのです。
つづく