これまでの私のJourney <海外移住後のリアルライフ> | Olive Twigs

Olive Twigs

日本にいても、世界のどこにいても、自分を生きる

 

前回は私が海外に移住する以前のお話をしました。(詳しくはこちらを)

日本の中学卒業まで普通に英語を勉強してきて、高校以降はかなりインテンシブに英語や外国語を学んだり、大学を卒業した後もできるだけ英語を使っていける仕事を選び、様々な海外経験を持つ友人たちにも恵まれ、それによって地球上の日本以外の国や地域に住む人々、文化や生活のスタイル、習慣に目が向くようになりました。

そして結婚して間もなく、主人の母国であるカナダに引っ越すことになりました。

様々な理由が重なり、海をまたいで引越しするという決断に至ったのですが、それが私にとっては初の長期にわたる海外生活、というより、海外移住になりました。

さて、それからが本当の英語圏で、英語を使って生活する現実に直面する日々となったわけです。

なんとなく海外生活を経験してみたいとか、独身時代に短期の海外の滞在でしていたような「暮らすように旅する」などという、キラキラしたものではありませんでした。

むしろ足元がぐらつく感覚が恒常的に続いているような、いつもどこか緊張を感じているというものでもありました。この例えを使うのは、はばかれる部分がありますが、いつも地震が小さく続いている感じ、というのでしょうか。

海外に移住する、海外に生活の拠点を移して構えるということは、まずはその国に入り、長期にわたって住むための許可、ビザを何かしら政府からもらわなければいけません。

そしてやっと入国した後にも、早速役所に出向いて住民票を移したり、電気や水道、電話などの生活に必要なものが使えるように整えたり、住む場所も探して決めて確保し、住む場合によっては日々の移動のための車も持たなければなりません。

そういう全てのことのための契約を数々交わし、何よりその土地で生活の糧を得るための仕事も探していくこともあります。
また、もし子供がいれば、学校を探したり、色々な子供にまつわる手続きも少なくないはずです。

 

その一つ一つの過程も、国によって規則、条件、常識的なやり方などが違っていることばかりで、はっきり言って、日本とは勝手が全然違います。

海外移住というのは、正直、例えば数年間の留学だとか海外駐在とは全然違っています。海外に出ても、片足はまだ日本に残っているというわけではなく、両足ともえいっと海外に置くということで、日本の生活と切り離されて、現地の生活に完全に根を下ろしていくことになります。
自分のBack Doorを閉めて、その生活にしっかりと溶け込むようにしないとやっていかれないのが現実だと思います。


そして、この過程をすべて日本語ではなく、英語でやっていかなければなりません。。。


どうでしょうか。。。

すでにその地に慣れ親しんだ家族や知り合いが、いつも側にいてバックアップしてくれたり、生活が落ち着くまで手厚くサポートしてくれるようであれば話は違いますが、そういうサポートが無いような状況であると、日本での丁寧に守られつつ立ち上がっていた生活と、新しい地での落差にかなりチャレンジを感じることになると思います。

いわゆる前に書いたような、母国を同じくする人々のコミュニティーや家族の厚い繋がりなどがそばにあれば全然話は違ってくると思います。でも色々な事情で、残念ながら私たちにはほとんどそういう特権のようなものがありませんでした。

それが私にとっての海外移住生活のスタートでした。
主人にとっても、自分の国に帰ったわけですが、国を長く離れている間に随分とカナダの社会状況も変わっていて、彼にとってすら勝手がものすごく違う状況になってしまっていました。

かなりラフなスタートだったと言えますね。
もう一回これと同じことに挑戦できるか、と聞かれると、正直もういいかな、という感じですが。

でも少なくともこの後に得たたくさんの経験は、もしずっと日本の中だけにいたら、それなりに独身時代のように日本と海外の間をあちこち行ったり来たりもしながらも、日本の生活をベースに、英語をパフェの上のチェリーのように扱いながら暮らしているくらいであれば、絶対に得られなかったものだと思います。

それはただ海外に移住したから英語を話せるようになった、海外でどんな人とでも普通に会話できるようになった、という種類のことではありません。それは、どこにいても自分が自分でいられるのだ、と学べたということでした。
それは、前回お話しした、昔から持っていた自分の居場所、自分がそのままでいていい場所を探せたという、心の願いが叶ったとも言えると思います。

でも実際それは、そういう求めていた理想郷を見つけられたという受け身的なことではなく、自分が自分自身でいられるようになった、という能動的な態度を身につけられたということでした。

 

そんな経験の数々から、見えてきたことや感じてきたことを、日本にいて海外に出ることに興味のある方にも、日本にずっといるつもりだけれど、広い視野を開拓しつつ自分なりの道を進みたい方にも、また海外に生活の拠点を移している方にも、なにか助けになれるような形でシェアできればと思っています。