前回、前々回に引き続き、英語の壁をどう乗り越えられるかについて、経験的に学んだことや感じてきたことをお話ししたいと思います。
その地中海沿岸地域、中近東辺りの国のおじちゃんおばちゃんの、英語を一応介したコミュニケーション力を思うと、英語教育を何年受けたとか、英語のスキルのレベルがどれほどかとか、海外経験があるかとかとは関係無いことだなと、個人的には思えるのです。
海外経験があっても、全然その土地の言葉が話せないままずっと来ている人も実際にいます。
驚かれるかもしれませんが、実はたくさーーーんいます。
例えば、おじちゃんおばちゃん、おじいちゃんおばあちゃんで言えば、中国から移民してきたお年寄り。もちろん誤解しないでいただきたいですが、全部の中国人のお年寄りがそうということではありません。流暢に英語など他の言語を話される方もたくさんいます。
その理由としては、環境的に、中国の人たちのコミュニティーとかネットワークとかとても厚くて強いのももちろんですし、家族の中での助け合いがすごく大きいです。
世界中のメジャーな都市には大抵かなり大きなチャイナタウンがあると思うのですが、そういう中国人のコミュニティーが土地に根をおろしているので、その中だけにいれば、中国語だけで事足りて、生活できてしまうというわけです。
でも、その国の政府系の何らかの書類を書き込まないといけないとか、役所に出向いて手続きをしないといけないという時は、お子さんやお孫さんが大抵その土地で教育を受けているので、通訳してもらえるのです。
そういう生活の基盤が周りにあれば、英語が一言もわからなくても、やっていけるという状況が可能になるのです。
自分の国を離れて、他の国に移住しても、その国の言葉が喋れないというのはいくらでもあります。
でも、前に触れてきた地中海沿岸地域、中近東辺りの国出身のお年の方々と比べると、彼らの周りにも例えばイタリアンタウンだとか、ポルトガルタウンだとか、レバノン系だとかイラン系の人が多く住んでいる地域だとか、家族の手厚いサポートが充実しているという環境もありますし、この違いはどこから生まれるのでしょう。
違いというのは、年齢的に同じくらいの人たちであるけれど、ほんの3つくらいの英単語しか知らなくても、周りとなんとか話そうとする人と、ほとんど話さない環境にとどまり、その環境の外とはあまり関わらないでいく人の違い。
結局はどうしていくかは個人の選択なんだと思います。ひとそれぞれの条件や環境が違いますし、その中でその人がどういう選択をするか、なんだと。
年を重ねていけば、生活のスタイルや、家族やコミュニティーでの立場やあり方や、肉体的物理的な条件もいろいろと変わってくることもあると思います。なので、どちらの選択が良くてどちらが良くないというふうには思いません。周りからのサポートがあり、言葉をそんなに必死になって身に付けようとしなくてもやっていけるのも、それもすばらしい、有難い環境です。
ただ、英語や外国語の壁を乗り越えてみたいという夢や意思があるのであれば、ある意味自分のComfort Zoneを出ることを厭わないで、周りとつながれる楽しさや喜びを目標に、自分の持っているものを一つ、また一つとフル活用して道を作ることなのではないかな、と思えます。
カレンダーが4月に変わりましたね。新しい環境に入って行く方も多いのではないかと思います。
もちろん私も含めてですが、こういう中で、英語や外国語の習得だけにとどまらず、なにか新しいものを学ばないといけない環境を前にして、これからどうなっていくのかという心配もありますよね。つい怯んでしまうような。でも、きっと自分がSafeでいられる場所を探そうとするより、むしろここまで自分の中に蓄えられてきているものを大事にしながら、一つ一つそれによって周りに貢献したり、助けになっていけることを考え進んでいくと、違いができるのかなと思ったりしています。
素敵な4月になりますように。