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親であれば誰しも、「わが子を信仰深く、立派に育てたい」と願い、熱心に教え、励まし、時には諭そうとします。しかし、子どもたちの人生や信仰の歩みに最も大きな影響を与えているのは、私たちが意識して語る教えよりも、日々の暮らしの中で何気なく見せている「親の姿」なのかもしれません。
今回の「信仰と家庭コラム」では、ノースカロライナ・クリスチャン・アクション・リーグ(Christian Action League of North Carolina)の執行責任者であるマーク・H・クリーチ(Rev. Mark H. Creech)牧師による、深い洞察に満ちたメッセージをご紹介します。
歴史に残る親子のエピソードを交えながら、聖書が教える「無意識の影響力」の本質について語られた、示唆に富むコラムです。
このメッセージが、子育てに励むすべてのクリスチャンのご家庭に、温かな励ましと新たな気づきをもたらしますように。
【翻訳記事】無意識のうちに形成される、子どもの運命
何年も前に耳にした、親にとって非常に示唆に富む一つの物語があります。
ブルックス・アダムズ(Brooks Adams)という人物は、幼い頃から日記をつけていました。彼がまだ8歳という多感な時期のある日、日記にこう書き残しています。
「父と一緒に釣りに行った。僕の人生で最も輝かしい日だった。」
アダムズは、この日のことを決して忘れませんでした。その後40年にわたり、自身の著作の中で何度もこの思い出に触れ、この一日が人生全体に大きな影響を与えたと語っています。
興味深いことに、ブルックスの父親もまた歴史に名を残す人物でした。リンカーン政権下で在英米国公使を務めたチャールズ・フランシス・アダムズ(Charles Francis Adams)です。彼もまた、自身の日記にその釣り旅行について記していました。そこには、こう書かれていたのです。
「息子と釣りに行った。一日を無駄にした。」
ある人は、この物語を「子どもと質の高い時間を過ごすことの大切さ」を教えるものとして受け取るでしょう。確かに、それも一つの正しい適用です。しかし私は、この物語を、「私たちがまったく意識していない形で、子どもの人生にどれほど大きな影響を与えているか」を示す象徴的な出来事として受け止めています。
私たちは、「特別な出来事」のほうが「日常のありふれた出来事」よりも人生に大きな影響を与えると考えがちです。しかし実際には、私たち自身が最も意識していない、一見「取るに足らない出来事」の中にこそ、本当の人格が現れ、周囲の人々の心に消えることのない足跡を残していくのではないでしょうか。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した、優れた聖公会の聖職者・神学者であるW・H・グリフィス・トーマス(W. H. Griffith Thomas)は、次のような言葉を残しています。
「他人の目が自分に注がれていることを意識する『重大な局面』で輝くことは、比較的容易です。しかし、人の目から離れ、自室で一人、神への忠実さを求められながら『その瞬間の義務』を果たすことは、決して容易ではありません。さらに言えば、私たちは、自分ではまったく意識していない日常のありふれた生活の中でこそ、周囲の人々から最も厳しく試されているのです。」
また、イェール大学でも教鞭を執った19世紀の著名な会衆派牧師・神学者ホレース・ブッシュネル(Horace Bushnell)は、『無意識の影響力(Unconscious Influence)』と題する説教の中で、この原則について深い洞察を語っています。
ブッシュネルは、影響力には「能動的・自発的なもの」と「無意識のうちに及ぼすもの」の二種類があると述べ、「私たちは、自分でも気づかないうちに人々へ与えている影響力を、もっと深く認識する必要がある」と主張しました。
彼は自然界を例に挙げ、私たちが普段ほとんど意識しないものこそが、世界を支えていると指摘します。どれほど激しい「閃光と轟音と突風」を伴う雷でさえ、私たちが日頃意識することのない「重力」という計り知れない力に比べれば、蛍の光ほどのものにすぎないというのです。
さらに、自然の光について、ブッシュネルはこう語っています。
「光は、無意識のうちにその光線で世界を満たしている。」
光は、地球を揺るがす地震のような劇的な力ではありません。その静かさゆえに、一見すると「飼い慣らされた、か弱い道具」のようにさえ思えます。ゆりかごの中の赤ん坊を目覚めさせることすらありません。それにもかかわらず、光は毎朝、世界を夜と混沌から救い出し、絶え間なく新しく創造し続けています。
そしてブッシュネルは、こう結論づけます。
「善人の無意識の影響力は、その人の意図的な行動よりもはるかに大きい。それは、自然界の静かで偉大な力が、小さな混乱や騒乱よりもはるかに重要であるのと同じである。」
まさにその通りです。そして、この「無意識の影響力」ほど、子どもたちの人格を静かに、しかし深く形づくるものはありません。
ブッシュネルはこう書いています。
「子どもの魂は純粋に受容的であり、かなりの期間、ただ受け入れることに徹しています。まだ自ら選び取ったり、取捨選択したりすることはありません。やがて成長すると、子どもは目にするものを自然に真似るようになります。このようにして、次の世代は、私たちから人生と不滅の魂の『最初の始まり』、そして『最も深い衝動』を受け取るのです。
私たちが子どもに善も悪も意図していないときでさえ、子どもは私たちから生活の型を吸収しています。その型が誤っていれば、どれほど優れた教育を受けても完全に消し去ることはできません。逆に、その型が正しければ、どれほど悪い交わりの中に置かれても完全に失われることはありません。
私たちが意識的に与えるあらゆる影響を合わせても、この『子どもへの無意識の影響力』という一つの要素ほど、人の一生を形づくる力を持つものは、おそらく他にないでしょう。」
詩人クロフト・M・ペンツ(Croft M. Pentz)も、この真理をより素朴な言葉で表現しています。
あなたを見つめる小さな目がある。
夜も昼も、あなたを見つめている。
あなたの口にする一つ一つの言葉を、
小さな耳が聞き逃さない。
あなたのすることを何でも真似しようと、
小さな手が待ち構えている。
いつの日か、あなたのような大人になることを夢見る、
一人の小さな男の子がいる。
あなたはその子の憧れであり、
その子にとって最高の知恵だ。
幼い心には、
あなたを疑う気持ちは少しもない。
その子はあなたを信じ、
あなたの言葉と行いをそのまま受け入れる。
そして大きくなったら、
あなたのように話し、あなたのように生きようと願っている。
今日も、目を輝かせながら、
あなたを見つめている小さな男の子がいる。
その耳はいつも開かれ、
夜も昼も、あなたを見つめている。
あなたは毎日の暮らしの中で、
一つの手本を示している。
あなたのような人になりたいと願う、
その子のために。
ユーモア作家ジョシュ・ビリンズは、かつてこんな警句を残しました。
「子どもをその行くべき道に従って育てよ。そして、あなた自身も、ときどきその道を歩いてみなさい!」
もちろん、常に道徳的に完全で、一貫した親など存在しません。また、子どもは成長するにつれて、私たちにも弱さや失敗があることを理解できるようになります。
それでも、自分が子どもの前で誤った歩みをしてしまったと気づいたなら、それを率直に認めるべきです。悪い手本を示してしまったことを謝り、へりくだって赦しを求めるとき、私たちは罪と神の恵み、そして赦しという福音の最も大切な真理を、子どもたちに身をもって示すことができます。
私は、親が失敗したから子どもを失うのではないと確信しています。むしろ、自分の過ちを認めず、子どもに赦しを求めないことによって、親子の心は離れてしまうのです。
子どもたちの心を最も深く形づくるのは、一瞬の「雷」のような叱責や大声ではありません。日々の暮らしの中で静かに注がれる「光」、すなわち親の生き方そのものなのです。
※本記事は、クリスチャン・アクション・リーグ・オブ・ノースカロライナの執行責任者であるマーク・H・クリーチ(Mark H. Creech)牧師による寄稿文(Christian Daily掲載)を翻訳・編集したものです。
🔗 英語原文はこちら:
https://faithnfamily.org/unconsciously-shaping-your-childs-destiny/
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