いいことずくめのエキストラヴァージンオリーブオイル、
と前回、いろいろ書きましたが、
コメント欄にお問い合わせをいただいたように、
問題は保存方法です。
高温で精製されている他の植物オイルは、
いろんな成分がなくなっている分、
状態が安定しているので、
劣化が遅いのですが、
エキストラヴァージンオリーブオイルは、
何も手を加えていない天然のオリーブオイルなので、
天然の油の宿命、
時間が経つにつれて、酸化が進んで、劣化してしまいます。
劣化するとどうなるか、
素晴らしい栄養素の量が減って、
香りや味の質が落ちてしまうんです。
もったいない!
だから、なるべく上手に保存しましょう!
オリーブオイルの敵は熱、光、空気!
エキストラヴァージンオリーブオイルを、
上手に保存するために大事なことは、
熱と光、空気をさけること。
具体的に説明しますね。
■熱に弱い
この「熱に弱い」、というフレーズが、
オリーブオイルが、加熱に向かない、
という間違った印象を与えているので、
あまり使いたくないのですが、
加熱とは、まったく別問題。
(別にまた説明します)
オリーブオイルの品質を、
最大に守れる理想的な温度は、
15度から16度。
なので、
保存する場所は、
暖かいところを避ける
が正しい表現です。
取り出しやすい
コンロの近くや、流しの下、
に、ついつい置きがちですが、
こういう場所は、
温度が上がったり下がったり、
変化が激しいので、
置かないようにしましょう。
それから、
冷蔵庫も冷たすぎるのでNGです。
しかも、
オリーブオイルの成分によっては、
冷蔵庫の中で白く固まるものもあります。
これは、自然の化学変化なので、
別に問題はないのですが、
冷蔵庫から出したり、入れたりして
あっためたり、冷やしたり
を繰り返していると、
劣化を早めてしまいますよ。
そして、冷蔵庫から出したては、
全然、いい匂いがしない!
まるで、デキャンタをしない年代物のワインのよう。
というのも、
昨年夏、実家の冷蔵庫に、
いいオリーブオイルが入っていたのですが、
香りが全然しなかった
と実証済みです。
すごくもったいなかったです
■光
■酸素
オリーブオイルを入れる容器は?
オリーブオイルを上手に保存するためには、
なるべく、使い切りやすいサイズの瓶を買うことがおすすめです。
一か月にご自身が使う量に合わせて、
例えば、250mlとか100mlとかの瓶を選べば、
そのままの瓶を使えます。
もし、大きめの瓶を買ってしまっって
オリーブオイル入れに移し替えたい場合、
きちんと、ふたが閉まるタイプを選んでくださいね。
本当は、入れ替えたりするたびに、
空気や光にあたるので、
あまり入れ替えないほうがおすすめです。
例外は、ステンレスの缶。
ステンレスの缶は、
容量が大きいけど、値段がお得なので、
おすすめのタイプ。
ただ、開封前はいいけれど、
一度開けると、空気が入るので、
開けたらすぐに、
黒っぽい瓶にすべて移し替える!
が鉄則です。
私はオリーブオイルの空き瓶や
ワインの空き瓶などに、
移し替えて、保存しています。
オリーブオイルは、
販売用に瓶詰めされたときから、
18か月以内が最適です。
ただ、もし過ぎてしまった場合でも、
熱、光、空気に注意して、
ちゃんと保管していれば大丈夫です。
劣化していれば、
嫌な匂いがするので、すぐわかります。
オリーブオイルソムリエの授業で、
7年経ったオイルを試飲したことがありました。
たしかに、
若い感じはしなかったけれど、
しっかりした味わいと香りが残っていて、
まさか、そんなに昔のものだとは、
誰も想像できなかったんです。
実は、当たり年の、
優秀な生産者の作ったオリーブオイル。
イギリスのチャールズ皇太子も気に入って、
当時、大量に購入したという
上質な(ものすごく高級な)オイルだったんです。
品質がいいオイルは、
アンチエイジング効果のポリフェノールを
たっぷり含んでいるので、
自分自身をも守る力が強いんです。
だから、なかなか古くならない!
恐るべしアンチエイジング!
だから、少し高くても、
上質なオリーブオイルを買う甲斐があるんです!
天然の美容液ですから。
長くなったので、もう一つのご質問、
古くならないうちに、
大量消費できるメニューは、
別にご紹介します。