海外在住者にとって日本の本を読むのはちょっと前まではとても贅沢なことでした。でも電子書籍の到来により、海外から日本の書籍が手軽に購入できるようになりました。
ここ数年でたくさんの電子書籍ストアがオープンしましたが、そもそも海外からも利用できる日本の電子書籍ストアとはどこなのでしょう。ちゃんと調べてみると各ストアによって違いがあるということが分かりました。
以下に電子書籍を売るストア側が海外からの利用に関してどのような規定を設けているのかをまとめてみました。実際海外からの購入・ダウンロード可能なストアの購入時の条件や注意点、おすすめや所感なども後半に記しますのでご参照下さい。
【この記事は常に内容をアップデートして再投稿するよう心掛けています】
実際使ってみたり、主要な電子書籍販売サイトをめぐって利用規約やFAQなどを調べた結果、現時点では大きく分けて次の三つに分類できるのではないかと思います。
1.海外からの利用可とするストア(※後記条件にご注意下さい)
■eBookJapan
■電子貸本Renta!
■電子書店パピレス
■ パブリ
■ Sony リーダーストア
■ ガラパゴスストア
2.海外からの利用不可とするストア(※実際は利用できるので下記参照)
■honto
■BookLive
■紀伊國屋書店 ウェブストア
3.特殊なストア
■ Kindleストア
■ 楽天Kobo
※注意 電子書籍ストアは上記以外にも多数存在します。
以下、それぞれ詳細を記述します。
【1.海外からの利用可とするストアについて】
すべて海外からの利用が可能なストアですが以下のような条件があるので注意が必要です(例外有)。
(1)日本発行のクレジットカードで購入すること
(2)閲覧には日本版のOSを使用すること
(1)について、最近の調査では大手のクレジットカード会社のものなら海外発行のものでもOKと明記されているところが増え(eBookJapan、パピレス、Renta!)、海外在住者にはより使い勝手が良くなったのではないでしょうか。
ちなみに海外発行のものがどうしてダメなんだろうと疑問に思ってちょっと調べたら、海外発行のカードは不正利用されることが多いため日本のネット通販ではほとんど使えないようになっているとの情報を目にしました・・・。日本の店舗などで直接使う場合は問題ないそうです。
(2)についてですが、これはどの電子書籍ストアも日本語版OS推奨です。海外版だと何か問題があったときに対応できないということでサポート対象外となっています。が、実際は日本版でなくても読めることがほとんどです。私は海外版OSのWindows PCを普段使っていますが、たいていの電子書籍アプリはインストールすることができ日本語の書籍も特に問題なく読めます。閲覧ソフトのアップデートなどで読めなくなるかもというリスクはゼロではないですが、最近はほとんどのストアで再ダウンロード期間が無期限となり、購入した電子書籍が消えてなくなることはないので、また別に読めるデバイスを使用すればいいと思えばそれほど障害になる制限ではありません。
【2.海外からの利用不可とするストア】
日本国内在住で日本での利用を前提としているサービスのため海外からの利用はできないとしています。残念ですね。
ですが、実情はちょっと違って実際は使えてしまうストアがほとんどです。海外からのアクセスに制限をかけていないようです。規約をきちんと読む人もあまりいないと思うし案外知らずに使っている人は多いと思います。上に挙げたhonto、紀伊国屋、BookLiveは総合電子書店としては大手で信頼も置けるところだし、実際海外でも使えているという情報をネット上でよく目にします。
閲覧ソフトがきちんとインストールでき、日本発行のクレジットカードがあればほぼ問題なく使えると思います。
【3.特殊なストア】
少し説明が必要なストアです。
Amazonの日本版Kindleは基本的には日本国内在住者向けサービスで、海外からの購入には冊数制限があるようです。通説では五冊まで買うとブロックがかかりそれ以上購入できなくなるというものですが、五冊以上買えているという海外在住者の声もネット上には散見しますので謎が多いです。Kindleこそ電子書籍の大本命と思っていた方は多いと思いますが海外利用には注意が必要ですので、詳細を別記事にまとめました。→Kindle日本版の海外利用についてはこちらの記事をご参照下さい。
楽天Koboは少しまえ楽天ブックス内に電子書籍セクション(正式名称:楽天Kobo電子書籍ストアpowered by 楽天ブックス)が新設され、ようやくKindleのように同じストア内で紙と電子書籍両方を扱うようになりました。海外からの利用が可能です。ただし専用端末Kobo使用の場合は日本製のKoboを使うこと、日本発行のクレジットカードを使うこと、居住国を日本に設定することなどの注意が必要です。
【所感】
こうして見ると条件云々はさておき、海外からも利用できるストアは案外多いということが分かります。実際私もここ五、六年ほど電子書籍をよく利用するようになりましたが、ストア数、取り扱い蔵書数、対応端末の増加そしてサービスの向上は目覚しいものがあります。
実際どのストアを使ったらいいのかは迷うところだと思いますが、迷うのも楽しいと思いませんか?私は各ストアをめぐって、品揃えをチェックしたり、検索のしやすさや見易さなどを吟味するのがとても楽しかったです。
ちなみに効果的な比較方法は好きな作家さんを二、三人選んで各ストアで検索してみることです。やはり読みたい作家さんの本がなかったらそのストアを使う意味はないですものね。
あ、もちろんまずはじめに自分の使う端末(PC、タブレット、スマホ等)にアプリが対応しているかどうかは必須確認事項です。対応していてもすべての書籍がその端末に対応しているとは限らないので(ここ、案外落とし穴です)、念のためいくつか書籍の商品説明のページまで行って対応端末を確認しましょう。
それから、決済方法の確認も行っておきましょう。
はじめは閲覧アプリがちゃんと作動するかを無料の本などで試してみて、大丈夫だったらなるべく安価な書籍を一冊買ってみて決済が上手くいくかを確認した方がいいと思います。
【私の電子書籍ライフ】
おすすめという訳ではないですが、海外で電子書籍を楽しむために少しでも参考になればと思い、私の電子書籍ライフをちょっとだけ書いてみようと思います。
最初に試したのは2010年ころパピレスやパブリ、eBookJapanなど古参の電子書籍ストアでまだ品数も少なく怪しいサービスなんじゃないかと(失礼ですが)びくびくして使っていました。
小説を中心に読んでいたのでPCの画面で読むと目が疲れるのが難点と思っていたとき、電子ペーパーなるものを知り、海外でも使える端末ということでSonyReaderを2011年の夏に購入。それ以来活字もの(小説)はSonyReaderで、漫画はPCで読む生活が続きました。のち2014年夏iPad購入後はもっぱらiPad利用に移行しました。
活字中心の読書をする方は一度は電子ペーパーに気が向くのではないかと個人的には思っていて、そういう将来を見据えたストア選びをするなら、Sonyのリーダーストア、BookLive!(Lideo対応)、紀伊國屋ブックウェブ(SonyReader対応)、パピレス(SonyReader対応)、Kindle、楽天Koboのいずれかをおすすめします。これらのストアでは液晶画面の端末(タブレットなど)とともに電子ペーパー画面の端末にも対応しているからです。(※2016年2月時点の追記 電子ペーパー端末の人気に陰りがあり、Kindle以外はほとんど新機種が出ていません。スマホやタブレットの利便性には勝てなかったか・・・?)
液晶画面でも苦がなく読めるのが漫画で、これはどのストアでも豊富に扱っています。価格もほぼ同じで、そうなるとどれだけポイント還元などの割引が多いかといった点でストアを決めるのも一つの手です。eBookJapan、honto、BookLive!などは特にポイントサービスがいいと感じるストアです。
どういうジャンルの本が好きかによっても選ぶストアは少し変わってくるかもしれません。私がよく読む本は文芸、ミステリ、歴史小説、漫画、BL作品などで、今のところeBookJapan、Renta、Kindleあたりのストアでほぼ読みたい本は手に入れられています。
理想的なのは一つのストアに統一して購入することなのでしょうけれど、一番お得で欲しい本が手に入るように買っていたら自然とこの三店になっていました。
長々と書いてしまいましたが、海外で電子書籍利用を始めるに当たり少しでも参考になれば幸いです。
今後も最新情報入手しだい更新していきます。
【関連記事】
●SonyReaderに興味を持たれた方は・・・
→電子書籍端末ソニーリーダーの海外利用をご参照下さい。内容は少し古いですが、現行モデルでもだいたい適用される話が書いてあります。
●それでもやっぱり本は紙だ!という方は・・・
→海外から日本の本を送ってもらうのにお得なストアをご参照下さい。電子書籍との比較もしています。