日本のアマゾン(Amazon.co.jp)で電子書籍Kindleのサービスが始まったのが昨年2012年の10月でした。それからしばらくたって実際海外で利用し始めた人が増えてきて「海外からも日本のキンドルが読めたよ」という情報がネット上で散見されるようになりました。

けれど、冊数制限という他の電子書籍ストアより厳しい規制があるという話もあって気になります。

私も2014年にiPad購入後、たまにKindleを利用するようになりました。以下の情報はそれ以前にネット上の情報をもとに書いたものですが、実際自分が利用してからのことをふまえて加筆修正しつつ、現在のキンドルの海外利用と注意点についてまとめておこうと思います。

注意(Amazonジャパンのサイトではこれまで公式に海外からの利用に関する説明がされていません。よってここで記すことは個人が実際試してみた経験談やフォーラムでのディスカッションをもとに情報をまとめてみたものです。不正確なものもあるかもしれませんがご容赦願います)


■ 日本製のキンドル(リーダー)を日本で買って海外へ持っていき、海外からAmazon.co.jpにアクセスし日本語のキンドル電子書籍を購入することは可能(ただし冊数制限あり?後述します)。アマゾン・アカウントの居住国を日本に設定する必要あり。クレジットカードは海外のものでも使えたという情報あり。

■ Kindleアプリを手持ちのアンドロイド端末、iPhoneやiPadにダウンロード・インストールし海外からAmazon.co.jpにアクセスし日本語のキンドル電子書籍を購入することも可能。(筆者、iPadにて利用可能確認済み)

■ 海外製のキンドル端末が日本語表示に対応している場合、海外からAmazon.co.jpにアクセスし日本語のキンドル電子書籍を購入することが可能。どの国で発売されているどのバージョンのキンドルが日本語設定できるのかは公式に発表されていない。

■ 【冊数制限について】上記の方法で海外からAmazon.co.jpにアクセスし日本語のキンドル電子書籍を購入すると5冊までは買えるがそれを超えると「最近引っ越しましたか?」というようなメッセージが画面に現れ、ブロックがかかりそれ以上購入ができなくなる。(注意:いくつ買ってもブロックされず自由に買えているという海外在住の方の情報もありますので、この辺が賭けみたいなところがあります。どの国でどういった状態ならブロックがかからないのかが未だにはっきりしないからです。手っ取り早くかつ確実な情報収集の方法は同じ国に住んでいるKindle所有者に日本の電子書籍が買えているか直接聞いてみること?ちなみに筆者欧州在住ですがブロック制限がかかったことはまだありません。)

■ このブロックを解除するには日本からAmazon.co.jpにアクセスしキンドル電子書籍を購入する必要がある。電子書籍でなければいけないのかAmazon.co.jpの他の商品でも適用されるのかはよく分かりません。ポイントは「私は日本居住者ですよ」と見せかけること。日本に家族などの協力者がいる場合はその人に自分のアカウントに入ってもらい購入してもらうといいようです。ここで一旦ブロックは解除されますが、また海外から買い始めると冊数制限に引っかかるのでこれの繰り返しになると思います。

他、決済時の登録クレジットカードを別のものに変えたら解除できたといった情報も見かけました。他にはVPNやProxyサービスを使って日本から購入しているように見せかけることもできるようです。私はこういう技術的な裏技は得意ではないので・・・解決策をお探しの方は以下のサイト様が詳しく書いてくださっています。

 →(続)海外からKindle日本の本を購入して、読む方法:トラブル対処編



所感


日本版Kindleは海外で使えないことはないけど、冊数制限がかかった時対処できるかどうかが鍵のような気がします。

まずは手持ちのデバイスにKindleアプリをインストールして試してみるのがいいでしょう。無料本でダウンロードがちゃんとできるかを確認→安価な本購入でクレジットカード決済がうまくいくかを確認→ブロックがかかるかどうかは運任せだけどとりあえず購入し続ける→ブロックがかかったら日本の誰かに購入してもらうか上記サイトを参照し自力で解除を試みる。こんな流れかと思います。

ちょっとこれは面倒だと思ったら、他の日本の電子書籍ストアの利用をお勧めします。

他店では海外からのアクセスに制限をかけていないので冊数を気にすることなく自由に購入できます。パソコン、アンドロイド、iPadなど対応端末も広いです。これまでに私が試して海外からも使えた日本の電子書店については別の記事にまとめてありますのでそれもご参照ください。

 →海外からも利用できる電子書籍ストアは


端末購入について


日本一時帰国時にKindleを買ってみようと思っている方も多いかと思いますが、できればまずKindleアプリのインストールできるデバイスで試して読み心地などを確認することをお勧めします。

手持ちのタブレットの液晶画面でも充分読める!OK!という場合はKindle Fire HDという液晶画面の専用端末を買う必要は全くないと思います。小説など比較的長文のテキスト中心で読みたいという方は電子インクを使用したKindle Paperwhiteのほうが目が疲れず、専用端末として買うならこちらの方がいいかもしれません。

もしKindleだけが選択肢じゃないのでしたら、私はSonyReader(電子インク画面)もお勧めします。当方、欧州在住ですが今のところちゃんと使えています。カナダ在住の方からも使えたとのご報告がありました。ソニーの電子書籍ストア(リーダーストア)は海外からも利用でき冊数制限はありません。(日本発行のクレジットカードが必要です)

 →SonyReader海外利用について詳しくはこちらの記事にまとめました。

※2016年2月追記 電子インク端末の普及がタブレットやスマホに押され、現在Kindle以外はほとんど新機種が発売されない状態が続いています。

アンドロイド(あるいはiPadなどのAppleデバイス)のタブレットかKindle Fireかで迷っている場合。KindleFireは他の電子書籍ストアのアプリは入れられないようになっているのでKindle専用機と思った方がいいかもしれません。音楽や動画など含め今後もAmazon中心で楽しみたいという人にはいいですが、他のアプリも色々使ってみたいと思っているなら汎用性の高い一般のアンドロイド/Apple端末の方がたとえ価格は高くても利用価値があるのではないでしょうか。Kindleアプリの他、eBookJapan、紀伊国屋書店ブックウェブなどほぼすべての電子書籍ストアが提供するアンドロイド/Apple用閲覧アプリを自由に入れることもできKindleで扱っていない書籍を他ストアで買って読むことも可能となります。ただし、タブレットは様々なメーカーから多モデルが出ているので、すべての機種にこれらのアプリがすべてきちんと対応しているかどうかは分かりません。中華タブレットでは全滅だったという情報もありました。

====


Kindleは知名度も高いし、すでにAmazonにアカウントを持ってお買い物をしている人が多いので電子書籍もできればここで読みたいという方は多いと思いますが、自由度という意味では日本の他の電子書店の方が上ではないでしょうか。私はブロックがかかった場合に日本の家族に頼んで自分のアカウントに入ってもらうのは身内同士でも嫌だし、裏技的なこともあまり得意ではないのでKindle利用は洋書だけにしようかなと思っています。(その場合Amazon.com利用です)

日本の書籍の品揃えはKindleも他の書店も大差ありません。(こちらの記事に詳しく書きました→Kindleの価格と品揃え)唯一の違いは洋書の取り扱いが日本の電子書店にはほぼないということです。

私は2014年にiPadを購入する前まではパソコンで漫画、ソニーリーダーで小説という風に分けて電子書籍を利用していました。それでも充分に快適な電子書籍ライフが送れていましたが、iPad購入後はもっぱらそのパフォーマンスの良さにiPadオンリーの読書生活になりました。海外在住でもこれだけ手軽に日本の書籍が読めるようになったことは画期的です。2009年にこの読書ブログを始めた時には夢にも思っていませんでした。今後も電子書籍ウォッチング続けていきたいと思います!



読者登録してね