友人から紹介してもらった本
銀色夏生さんの詩集
周りの同級生とはちょっと違う、、詩を読む事(いや、詩を読んでいる自分の姿)にちょぴり酔いしれながら読んでいました。
言葉少ないけれど物事の核を突く文書やノスタルジックな写真が好きでした。
結婚して、子供が出来て
子供と図書館へ行くようになり
また銀色夏生さんの本を手に取るようになりました。
『つれづれノート』
その頃は銀色さんの自分の気持ちに素直な生き方、自分と対等な人として接する独特な子育て、、自分で決めた事を外の世界に左右されず生きていくという強い気持ち、自分には無い潔さをを眩しく感じながら読み、、、
そして、先日
またまたお久しぶりに
銀色さんの本
『力をぬいて』に出会いました。
読んでみると、日常のちょっとした気持ちや、心が揺れ動いた事を自分自身の言葉で表現したくても当てはまる言葉が見つからず、モヤっとした感覚を持ち続けていた事柄が、銀色さんの感覚を通して見事に言語化されていました。
一つ一つのエッセイが
まさにあの時の私、、、
あの頃感じていた気持ちの原点はここだったのか、、
彷徨って、収めようの出来なかった気持ち達がストンっと収まる場所へ帰っていった感じがしました。
共感したエッセイが
息子に対する母の思い
……中文
娘は成長すると対等な友人、仲間のように思える。『女性は基本的にしっかりしている。大丈夫』というような安心感がある。女性なので理解しやすいからだろう。それに比べて、息子に対しては、『これからちゃんと生きて行けるのだろうか』という心配のようなものがある。…中略
母親は息子の姿の向こうに、赤ちゃんの頃からのすべての顔を見ているのではないか、ということ。赤ちゃんの頃の泣き声、子供の頃のかわいかったこと、あの時かわいそうなことをしたという後悔、など。自分のしてきたことも含めて見ているのではないか。私はそうだ。
だからいつまでも、母親は息子に対する感情はちょっと切ないのかな、と。そして息子の方も、なにがあっても自分のことを絶対に愛している存在として母親を思っているので、事件にもなるような共犯関係が生まれるのかなと、、、。
でも、まさに息子の後ろには赤ちゃんからの面影が影武者のようにいるんだよね。。
自分の心が迷子になった時、
ちゃんと帰り道を教えてくれる
心が必要だと感じた時、
必ず手に取っている本
出会えて良かった
これまでもこれからも
読み続けていきたい一冊です。