金曜日、駅に行く途中

道端で見かけたこちら

 

亜米利加風露の分離果

(2025年5月16日撮影。以下同じ)

 

右下の方に

かろうじて花が残っているので

亜米利加風露[アメリカフウロ]

であることが分かるというか

帰宅後にハナノナで調べたら

3番目の候補としてあがりました。

 

亜米利加風露なら

以前に2度ほど

取り上げたことがあります。

 

 

 

でも今回のように

真っ赤な花びら様の中央から

棒のように黒いものが突き出ている

という状態のものを見たのは

初めてのような気がします。

 

これはいったい何なのかと思い

ハナノナで調べてから

亜米利加風露で検索してみたところ

松江の花図鑑」というサイトに

掲載されていた写真と

冒頭の解説や

写真のキャプションを読んで

判明した次第です。

 

 

「松江の花図鑑」の冒頭解説では

「果実は約2cmの角果で

 5つの分果に弾ける」

と説明されていますが

正確には角果ではなく

全体でひとつの分離果

と見るべきもののようです。

 

「松江の花図鑑」で

「角果」といっているのは

心皮間柱[しんぴかんちゅう]という

果実の皮になる心皮と

その中央を貫く軸にあたり

この心皮が複数に分かれていて

それぞれの心皮に繫がっているのが

豆のような形の部分にあたり

(下の写真の赤で囲った部分)

この中に種子があるようですね。

 

亜米利加風露の分離果(マーキング)

 

こういう構造を持った果実を

分離果といい

豆のような形の部分を

(あるいは繫がっている心皮も含めて)

分果というようです。

 

 

「松江の花図鑑」で

角果と説明されている

中央の軸の部分

複心皮子房が縦に裂け

縮んでカールを巻いたようになり

その先にくっついている分果内の種子が

弾き飛ばされるという

構造のようです。

 

「草花と自然Blog」の

アメリカフウロの記事に

 

 

分果をつけて

カールを巻いたように

くるっとなった角果の写真が

載っています。

 

Wikipedia の

分離果のページにおける

種子散布の項目にも

写真が載ってました。

 

Wikipedia の

種子散布の項目の説明にある「花柱」が

「松江の花図鑑」では「角果」

当ブログでいう「心皮間柱」

ということになります。

 

亜米利加風露の分離果(アップ)

 

ちなみに

赤い花びらのように見えるのは

萼のようですね。

 

 

フウロソウ科のものは

全て今回のような構造を

持っているのだとか。

 

種子散布後の

分離果の状態も

見たくなってきましたが

いつか出くわすでしょうか。