バッハの世俗カンタータ
《お静かに、おしゃべりはせずに》BWV211
通称《コーヒー・カンタータ》の映像を
いろいろ探していたら
ミリアム・フォイアージンガーが
歌っている映像がヒット。
念のためアドレスを貼り付けておきます。
もはやお馴染み
ルドルフ・ルッツ指揮
バッハ財団管弦楽団の
メンバーによる演奏です。
会場は
《悲しみのいかなるかを知らず》
BWV209 を演奏したのと同じ
カルメン・ヴュルト・ホールで
録音は2022年6月23日です。
娘役の
フォイアージンガーに
父親役のバスがドミニク・ヴェルナー
語り手役のテノールとして
ゼーレン・リヒター
という面々ですけど
バスとテノールが
バッハ財団合唱団の人か
ゲストかまでは
分かりません。
冒頭、テノールが出てくる前に
観客席がざわついているのは
演奏者側が
たぶんルドルフ・ルッツが仕込んだ
演出でしょうね。
例によって
器楽演奏が
1パート1人なので
軽快でテンポがいい感じ。
ソプラノが歌う
ふたつ目のアリアの
オブリガート・フルート奏者は
BWV209 の時と同じ人で
やはり嫋々とした響きを
聞かせてくれます。
ただし、
コーヒー・カンタータの
演奏に限っていえば
嫋々とした感じよりも
軽快な感じの方が
いいかとは思いますけど
フルート、頑張ってます。
(自分ってば偉そうw)
フォイアージンガーの
リースヒェンは
その佇まいがおっとりしていて
礒山雅がイメージするような
スーブレット風には見えません。
これも以前ご紹介の
カンタータ第52番
《偽りの世よ、われは汝に頼まじ》
を歌った時のような
髪の短い頃なら
まだしも、だったかも。
アリアも
綺麗に聴かせようとしている感じで
ふたつ目のアリアなど
フルートには合ってますが
作品の雰囲気的には
どうでしょうか。
でも
最後の三重唱前の
テノールによる
レチタティーヴォの際に
いたずらっ子ぽい
てへっ、という感じの表情が見られて
スーブレット的ではありませんけど
ちょっと印象に残ります。
ちなみに、歌い手の中で
フォイアージンガーのみ
裸足のように見受けられますが
なぜなんでしょうね。
舞台の下手に
バーカウンターのようなものが
用意されていて
酒瓶が並んでます。
これは当時のコーヒーハウスが
少なくともその一部については
風紀の悪い場所だと目されていたことを
踏まえているのかも知れません。
テノールは最初と最後以外
ずーっとカウンター前に
座りっぱなしなのは
よく考えると笑えますね。
歌い手の衣装が全て
現代服ということもあってか
全体的に小綺麗な感じの演奏
という印象を受けます。
礒山雅の物言いではありませんが
これが理想的な演奏とは
思いませんけど
(とはいえ決して悪くはない)
ここ最近、当ブログでお馴染みの
フォイアージンガーの映像だったので
ご紹介することにした次第です。