手元にある
以前、買っておいた
ミッシェル・ベルジェのCDの
1枚がこちら。
(ワーナーミュージック・ジャパン
WPCR-10273、1999.3.25)
原盤は1975年1月に
WEA レーベルから
LP盤でリリースされました。
そのLPの邦盤が
出たかどうかは分かりませんけど
CD化は本盤が初になります。
原盤タイトルは
Que l'amour est bizarre で
こちらは最後に収められた曲の
タイトルでもあります。
ただし、その曲の邦題は
「恋は異なもの」で
その方が原意に近いんですけどね。
以前、一度聴いたかどうか
覚えてないんですけど
1曲目「天使のようなメジナ」Médina の
Médina Médina, Médina Médina,
と繰り返すフレーズを聞いて
これってフランス・ギャルが
カバーしてなかったっけ
と誤解するほど
聴き覚えのある感じがする
メロディーでした。
ベルジェがプロデュースした
フランス・ギャルのアルバム
(別題『フランス・ギャル』)の録音が
1975年ですから
似ているのも、むべなるかな
といったところでしょうか。
9曲目「君の慰め」Laisse-toi vivre で
Laisse-toi, laisse-toi, laisse-toi vivre
と歌詞を繰り返すあたりも
なんとなくギャルっぽいものを
感じさせるんですけど
サビ部分でフレーズを繰り返す
というアレンジが多い感じですね。
それに対して
最後の「恋は異なもの」 は
フランソワーズ・アルディっぽい
という感じかなあ。
原盤ライナーには
歌詞などが掲載されておらず
曲名とスタッフ名が
記されているだけです。
スチールも
ジャケ表のものと
ベルジェがペンを持って
ノートに向かっている姿を
横から撮った小さい写真が
ライナーの裏表紙に
載せているのみ。
ほんと、欧米の
レコードやCDのライナーは
作りがそっけないなあ。
邦盤は
室谷あきこが
歌詞を transcribe して
対訳もつけています。
解説を執筆している谷理佐は
フランソワーズ・アルディの『私小説』で
歌詞を transcribe していた
Lisa TANI と同一人物でしょう。
ベルジェの経歴が
素描されているのみならず
ベルジェの音楽の特徴を
簡潔に説明していて
ベルジェ節とか
書いたりしている自分には
ありがたい限りです。
特徴のひとつとして
「リズムに重点を置いたサウンド」
と述べたあと
「歯切れの良さが身上の
彼のピアノを核に、
躍動感を演出する
アンサンブルの妙」
と評しているのは
たいへん腑に落ちました。
全体的に
ピアノ・アレンジの
印象的な曲が多いですけど
8曲目「愛の旋律」
Si tu écoutes mes doigts のピアノは
ラグタイムを思わせるもので
ちょっと異色な感じ。
ちなみに
Si tu écoutes mes doigts は
対訳を見ると
「聴いてごらん、私の指が奏でる音を」
という意味になるようです。
ベルジェ単独での邦盤は
自分の知る限り、本盤のみで
"F disques" シリーズの1枚として
ミッシェル・ポルナレフの
『ポルナレフ革命』(1973)と同時に
リリースされました。
ベルジェの邦盤として
貴重な1枚であるだけでなく
"F disques" シリーズというのも
珍しいという意味で
貴重ではないかと思います。
ヴェロニク・サンソンの
『悲しみの詩』(1974)と
フランソワーズ・アルディの
『夜のフランソワーズ』(同)が
第1弾として出ているようですけど
第3弾がリリースされたのかどうか
よく分かりません。
1970年代の
フレンチ・ポップスの動向を
伝えてくれる好企画として
気になると同時に
どれだけセールスがあったのかも
ちょっと気になったり。
俗っぽくて、すみません。( ̄▽ ̄)
●タイム・スタンプについて補足(翌日0:55ごろの)
すみません、20日の23:06に
アップできたと思ってたんですが
「下書きとして保存する」の方を
クリックしてたようです。
まだアップされてないことに気づいたので
タイムスタンプはそのままに
21日の0:55ごろアップしたことを
お断りしておきます。