ICレコーダーを充電中
PCがスリープモードになって
充電が中断しないように
YouTube の映像を
流しっぱなしにするということは
以前にも書いたかと思います。
その際、映像として
バロック音楽の演奏を
選択することが多いんですけど
今回もそんな折に
フランスの女性指揮者
エマニュエル・アイムが
hr交響楽団こと
フランクフルト放送交響楽団で
振っている映像を見かけました。
しかも
「もっと見る」以下の記述を見ると
なんとエメーケ・バラートが
参加しているのみならず
最近? のフランスの
女性ヴォーカリストとして
注目している一人
レア・デザンドレも参加しており
これは視聴しないではいられない
ということになった次第です。
映像は2本あったんですが
まずヒットしたのは
ヘンデルの《ディクシット・ドミヌス》。
その映像が終わると次に
同じメンバーで
バッハの《マニフィカト》が
次に観る映像としてあがりました。
フランクフルト放送交響楽団は
古楽器での演奏を
主とする団体ではないようで
今回の演奏でいえば
《マニフィカト》第3曲での
ソプラノのバックで
ゴテゴテしたオーボエが
キンキラキンに光っているのが
とても気になりました。
古楽器ではないため
楽器の方が表に出てしまい
ソロ歌手との相性が
時として今ひとつ
と思ってしまうのは
これは自分が古楽ファンだから
でしょうか(苦笑)
バラートは今回
ややビブラートを利かせ気味なのと
やや線が細い、ないし
声が弱々しい感じがされ
聴いた時のような感動は
覚えなかったのが残念。
《スターバト・マーテル》は
カウンターテナーとの二重唱で
ほぼ出ずっぱりなのに対し
ヘンデルにしてもバッハにしても
全体の一部を歌うだけですから
全体の中に埋没した感じに
なってしまったためでしょうか。
また、自分は
バラートらしい
と感じさせる演奏として
ヴィヴァルディのオラトリオ
あげたことがあるだけに
繊細なバラートに対する感覚が
鈍っているのかもしれません。
もう一人のソプラノ
レア・デザンドレは
メゾソプラノだけあって
というと変かもしれませんが
線の細さも感じられず
指揮のアイムや
ソプラノのバラートに
にっこり笑いながら
アイコンタクトするあたりの
茶目な感じといい
デザンドレらしいと
嬉しくなった次第です。
デザンドレは
フランス系イタリア人ということもあり
当初、サラ・ミンガルトに師事し
のちにウィリアム・クリスティ主宰の
レザール・フロリアンに参加して
YouTube でも
レザール・フロリサンのチャンネルで
よく歌ってました。
ちなみに
エマニュエル・アイムも
レザール・フロリサンの
チェンバロ奏者&アシスタントを
務めていた時期があり
2000年に独立し
古楽器アンサンブル
ル・コンセール・ダストレを結成し
指揮およびチェンバロ奏者として
活躍しています。
ですから
デザンドレとアイムが一緒にいると
レザール・フロリサン仲間だ
という目線で見てしまい
微笑ましくなるのですが
当人たちは意識しているのかどうか
実際はどうなんでしょうね。
一方の男性陣ですが
カウンターテナーのダミアン・ギヨン
テノールのパトリック・グラール
バスのヴィクトル・シカールは
バスがなかなか良くて
テノールがそれに次ぐ
といった印象でしょうか。
各ソリストの掛け合いで始まる
Dominus a dextris tuis での
テノールとカウンターテナーの掛け合いでは
カウンターテナーがやや聴き取りにくく
そういうときに線の細さや弱さを
感じさせられたりしたのでした。
ル・コンセール・アストレ合唱団は
最初にヘンデルの演奏を聴いたとき
もう少し力強さが欲しい
とは思ったものの
アイムの指揮に対する反応がよく
アタックも良くキレがあって
基本的に素晴らしいと思います。
合唱指導 Einstudierung は
カウンターテナーで
イギリスの古楽グループ
ラ・ヌオヴァ・ムジカを率いる
デイヴィッド・ベイツだとか。
今回の公演の中では
ヘンデルの《メサイア》で歌われる
有名なハレルヤ・コーラスも
演奏されたようで
この記事をまとめている時に
見つけました。
アンコールに
応えたものかもしれません。
これを聴くと
ル・コンセール・アストレ合唱団の
合唱のキレの良さを
改めて実感させられます。