クラウディオ・アバド指揮

モーツァルト管弦楽団による

ペルゴレージ

《聖エミディウスのためのミサ曲》

(《聖エミディオのミサ曲》とも)

通称《ミサ・ロマーナ(ローマ・ミサ)》を

収録しているディスクの紹介

続きです。

 

アバド指揮《ペルゴレージ:ミサ・ロマーナ》直輸入盤

(独 Archiv: 4778463、2010.2.5)

 

《ミサ・ロマーナ》については

前回ご案内しましたので

今回は併録曲について

補足しておくことにします。

 

 

前回も書きましたが

併録は

〈サルヴェ・レジーナ〉へ短調と

宗教音楽劇《アキテーヌ公

聖グリエルモの改心と死》第3幕から

聖グリエルモのレチタティーヴォとアリア

〈私の歩みに指導者はいない〉

そして

詩篇第112篇〈しもべらよ、主をたたえよ〉

(ラウダーテ・プリエ・ドミヌム)の

3曲になります。

 

 

〈サルヴェ・レジーナ〉へ短調は

コントラルトのサラ・ミンガルトが

ソロで歌っています。

 

本来はソプラノ用で

アルトが歌う場合は

ハ短調に移調した楽譜を使う

と思ってたんですけど

ここではソプラノ用の楽譜を

あえてアルトで歌った

ということなんでしょうか。

 

英文ライナーに何か

書いてあるかもしれませんが

さっと見ただけでは

分かりかねます。

 

こういうとき

日本語訳のライナーだと

助かるんですけどね。

 

演奏は

ミンガルトだけあって

さすがの貫禄でしたけど

全体的にテンポが遅いのと

抒情性を強調しているためか

輪郭がぼんやりしている

というような印象を受けました。

 

残念ながら

個人的には本演奏は

おススメしかねます。

 

 

宗教音楽劇

《アキテーヌ公

聖グリエルモの改心と死》第3幕からの

聖グリエルモのレチタティーヴォと

アリア〈私の歩みに指導者はいない〉は

ソプラノのヴェロニカ・カンジェミが

歌っています。

 

こちらの曲は

ペルゴレージの

ナポリ音楽院卒業制作で

全曲録音も出ていますけど

直輸入盤ということもあり

どういう話なのか

分からないのが

悩みの種。

 

本盤の英文ライナーに

劇の内容について

書いてあるかもしれませんが

……以下同文。( ̄▽ ̄)

 

演奏は

相変わらず線は細いですけど

ソロということもあってか

なかなか聴かせました。

 

 

詩篇・第112篇(第113篇)

〈しもべらよ、主をたたえよ〉

(ラウダーテ・プリエ・ドミヌム)は

ソプラノのラヘル・ハルニッシュと

メゾ・ソプラノのテレサ・ロマーノ

そしてスイス・イタリア語放送合唱団とで

歌われています。

 

こちらは

ディエゴ・ファソリス指揮が

本盤の2年後に録音した

《スターバト・マーテル》

独唱がユリア・レージネヴァと

カウンターテナーの

フィリップ・ジャルスキー

という組み合わせで

演奏されていますから

そちらと比較して楽しむことも

可能だったりします。

 

ファソリス指揮《スターバト・マーテル》

(英 Warner: 50999 319147 2 7、

 2013.11.12)

 

聴き比べると

ファソリス盤は

スタジオ録音ということもあってか

全体的によく響き

キラキラっとした印象を受けます。

 

レージネヴァも

合唱に引けを取ることなく

さすがの巧さ。

 

それと比べると

ハルニッシュの歌いっぷりは

後塵を拝するという感じが

否めませんけど

これはこれで

いい演奏だと思います。

 

疲れている時は

むしろハルニッシュの方を

聴きたくなるかもしれませんね。

 

 

というわけで

アバドの今回の盤は

《スターバト・マーテル》の

最初の録音から受ける

イメージからすると

割と自分の好みに近い演奏で

ちょっと意外でした。

 

それだけに

ミンガルトの低調さが惜しい

といったところでしょうか。

 

ちょっと偉そうですけど

ご容赦ください(笑)