今朝方

東京湾を震源とする

地震がありまして

(最初は千葉県が震源だと

出たような気がしますけど……)

住まいの方は幸い

震度3止まりでしたが

本の山が崩れたので

朝っぱらから

積み直しに追われました。

 

で、地震といえば

ペルゴレージに

地震にちなんだミサ曲がある

と何かで読んだことを思い出して

いろいろと検索してみたところ

ヒットしたのが

《聖エミディウスのためのミサ曲》

(《聖エミディオのミサ曲》とも)

通称《ミサ・ロマーナ(ローマ・ミサ)》

でした。

 

手元には

《ミサ・ロマーナ》を収録した盤が

3種類ほどあるんですけど

今回はクラウディア・アバドの演奏を

ご案内することにします。

 

アバド指揮《ペルゴレージ:ミサ・ロマーナ》直輸入盤

(独 Archiv: 4778463、2010.2.5)

 

リリース年月日は例によって

タワーレコード・オンラインに

拠っています。

 

 

こちらは以前

立川のディスクユニオンで

見つけたものです。

 

直輸入盤ですが

同時に出たアバドの別の盤と

一緒に売られていたので

勢いで3枚まとめて

買ったのでした。

 

ユニバーサルから出ている

日本流通盤もあって

(UCCA-1095、2010.3.24)

そちらを

探しているんですけど

いまだに見たことがなく。

 

ちなみに

直輸入盤自体も

その後あまり見かけないので

買っておいて良かった

と思っています。

 

 

録音は

2009年5〜6月に

ボローニャの

サンタ・クリスティナ・

デッラ・フォンダッツァ教会で

行われました。

 

演奏は

ソプラノのソロが

ヴェロニカ・カンジェミで

コントラルトのソロを

サラ・ミンガルトが担当。

 

合唱は

ディエゴ・ファソリスが指揮する

Coro della Radiotelevisione svizzera

(スイス・イタリア語放送協会合唱団)。

 

器楽演奏は

クラウディオ・アバドが創設した

モーツァルト管弦楽団

総指揮はもちろん

アバドです。

 

 

《ミサ・ロマーナ》は

「ソプラノ、アルト、2つのコーラスと

2つのオーケストラのための」

という但し書き? のつく

大規模な楽曲でして

本盤の場合

ヴァイオリン6、

ヴィオラ2、チェロ2、

コントラバス、オーボエ、

ホルン、トランペット、

アーチリュート、オルガンが各1で

一群をなしています。

 

これになぜか

バスーンが1人加わって

器楽演奏は総勢33人。

 

合唱は

ソプラノ5、

コントラルト、テノール各4

バス3で

一群をなしています。

 

これにソロが2人加わって

総勢34人ですが

ソプラノとコントラルトのソリストは

ソロおよび二重唱のパートだけ

歌っているようですね。

 

 

曲名にある聖エミディウス

(エミディオとも)ですが

イタリアはマルケ州の

アスコリ市で殉教したことから

同地の守護聖人となりました。

 

1703年にマルケ州で地震が起きた際

アスコリ市は被害を免れたので

聖エミディウスのおかげ

ということになり

以後、地震災害の守護聖人と

目されるようになったそうです。

 

1731年と1732年に

南イタリアで地震が発生し

厄除け祈願礼拝用のミサ曲を

ナポリ市から依頼され

同年の大晦日に演奏された

と伝わっており

このミサ曲によって

ペルゴレージの名声が

確立したとされているようですね。

 

 

2024年の日本では

年初から能登で大地震があり

同じ月に関東地方でも揺れるという

激動の年の始まりなので

《ミサ・ロマーナ》を聴いて

1732年のナポリ市民のように

心を沈められたら

という次第なのでした。

 

それにしても

ナポリ市から依頼されたのに

通称《ミサ・ロマーナ》

というのは

なぜなんでしょう。

 

演奏の様式が

ローマ式だから

ということなのかどうか。

 

ライナーに

書かれているのかもしれませんが

英文訳をさっと見ただけでは

よく分かりませんでした。

 

こういうとき

日本語訳のライナーがあると

助かるんですけどね。

 

 

演奏の方ですが

ファソリスが率いるだけあって

合唱のキレが素晴らしい。

 

管弦楽団のキレも良く

演奏風景のスナップからは

ポジティフ・オルガンを使用し

ホルンもナチュラルホルンっぽく

自分には見えます。

 

そもそも

アーチリュートが加わっている

ということで

古楽器ベースの演奏だと

思われます。

 

テンポよく

サクサクと演奏されるのも

古楽のスタイルっぽい感じ。

 

 

ソプラノと

コントラルトのソロは

合唱と比べると

やや弱い気がします。

 

特にソプラノの線が細い感じですが

ソプラノ独唱の楽章を聴くと

これはもしかしたら

カストラートを前提として

作曲しているのかも

と思わせるフレーズが

あるような気がしました。

 

それだけに

もう少しパワフルだと

良かったかもなあ

とか思ったことでした。

 

 

本盤には他に

サルヴェ・レジーナ へ短調と

宗教音楽劇《アキテーヌ公聖グリエルモの改心と死》

第3幕から聖グリエルモのレチタティーヴォとアリア

〈私の歩みに指導者はいない〉

そして

詩篇第112篇〈しもべらよ、主をたたえよ〉

(ラウダーテ・プリエ・ドミヌム)

という3曲が併録されています。

 

これら併録曲については

長くなりましたので

また改めて。

 

To be continued. . . かな? ( ̄▽ ̄)