那須田務『古楽夜話』

(音楽之友社、2023年10月10日発行)

 

副題「古楽を楽しむための

60のエピソード」。

 

特定の年代を設定して

その時代に起きていたかもしれない

作曲家にまつわるエピソードを

時には空想を交えて描いた上で

そのエピソードにかかわる作曲家と

推薦盤CDを紹介する

という構成の1冊です。

 

 

こちらは

皆川達夫追悼文集

見かけたのと同じ

大宮のジュンク堂で見つけて

出たばかりだったのを

すぐ購入しました。

 

読み終えるのが遅れたのは

仕事が立て込んでいたからですが

就眠儀式代わりに読み進め

本日、昨日の冒頭で書いた事情から

仕事の会議を休んだこともあり

病床の徒然を紛らわす中

残りを一気に読み終えました。

 

 

ヒルデガルド・フォン・ビンゲンから始まって

モーツァルトと付き合いのあったフルート奏者

ヨハン・バプティスト・ヴェンドリングまで

バッハやヘンデルなどの有名どころから

これは知らなかったという

作曲家や音盤などを取り上げており

最新の研究成果も踏まえられているため

たいへん興味深く、面白く読めました。

 

スウェーリンクの項目では

チェンバリストの

レオンハルトへの言及があり

スウェーリンク最晩年の邸宅に

住んでいたとは知らず

これはちょっとした個人的な

トリヴィアでした。

 

 

推奨CDの中には

持っているものがある一方

持っていないものがあったりして

これでまた探求ディスクが

増えることになってしまったわけですけど

海外盤(直輸入盤)が多く

CD番号などは記されておらず

ジャケ写なども掲げられていないので

手に入れるのに苦労しそうです。

 

レーベル名だけでなく

CD番号も併記して

できればジャケ写も

入れてほしかったなあ

とか思ったことでした。

 

 

ちなみに

最近ハマっているペルゴレージの

推薦盤としてあがっている曲はもちろん

《スターバト・マーテル》ですが

上がっているディスクは

クリストフ・ルセの再録音盤です。

 

ルセの再録音盤は

一度、聴いて

うーん、と思った

盤だったりするんですが

聴き直してみましょうか。

 

 

なお、著者の那須田務は

当ブログで何冊か

取り上げたことがある

バッハ関連の本にも

執筆していますけど

今年亡くなった児童文学者

那須田稔の子息だとは知らず

「あとがき」で読んで

びっくりしたことでした。

 

なるほど

空想的なシーンを描く素養

ないしは資質があった

ということに

なりましょうか。

 

これは Wikipedia の

那須田稔の項目にも

書かれておらず

(2023年12月17日閲覧時)

トリヴィアルな知識が

またひとつ増えた次第です。