ブルスカンティーニが歌う
《奥様女中》(1960年版)は
演奏は良かったのですが
こうなるとやっぱり
舞台を見たくなってきます。
《奥様になった女中》の
舞台映像として有名なのは
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンドのもので
DVDも出ていますが
やたらプレミアがついていて
ちょっと手が出ません。
というわけで
検索してみたら
ディエゴ・ファソリスの
演奏しているものが
YouTube に
アップされていました。
ウベルト Uberto: Furio Zanasi
セルピーナ Serpina: Sonya Yoncheva
ヴェスポーネ Vespone: Roberto Carlos Gerboles
タファノ Tafano: Pablo Ariel Bursztin
指揮 ディエゴ・ファソリス Diego Fasolis
演奏 イ・バロッキスティ I Barocchisti
監督 Mando Bernardinello
® 2008 - Broadcast by HD Suisse
召使がヴェスポーネの他に
タファノというのが追加されていて
(虻とか、しつこい人、という意味w)
最初に召使の小芝居がありますので
演奏時間はちょっと長め。
召使の小芝居は
本編中にも
ちょくちょく入っていて
昭和脳にはそれが
ドリフのコントに見えたり。( ̄▽ ̄)
ファソリス指揮
イ・バロッキスティの演奏も
しっかりとフィーチャーされていて
なかなかいい感じ。
器楽演奏的には
前回ご案内のものより
はるかにいいと思いますね。
舞台に階段があって
上下に奥行きがあるのは
たぶんペルゴレージの時代と
かなり違うのではないでしょうか。
なんといっても幕間劇ですから
セットが組んでなくても
演じられるような
スタイルではなかったか
と思われるので。
スイスのテレビ局が
制作したものなので
平面的な画面構成を
避けたものだと思われます。
まあ、劇の雰囲気を知るには
ちょうどいい映像かと
思いますけどね。
先にも書いた通り
クイケン版のDVDもあるので
そちらがどういうふうになっているか
観てみたいと思っていたら
同じものかどうか分かりませんけど
そちらもYouTubeに
アップされてました。
いちおう貼り付けておきますが
アメブロ上では直に観られず
Youtubeに飛ぶ仕様になってます。
ウベルト:Donato di Stefano
セルピーナ:Patrizia Biccirè
ヴェスポーネ:Stefano di Lucca
やはり
舞台に高低差は
設けられておらず
小道具も少ないので
こちらの方が
オーセンティックかなあ
という感じがしますね。
ファソリス版の方が
滑稽感がより出ていて
そこらへんは現代的だと
思いますけれど
まずはオーセンティックなものを
知っておくべきだろう
とも思うので
貼り付けておく次第。
ところで
皆川達夫の最初のガイド本
『バロック名曲名盤100』(1977)だと
ヘンデルとバッハに
32項目使っているためでしょう、
ペルゴレージの項目は
《奥様になった女中》しか
ありません。
1988年10月20日発行の
同書の第14刷では
いちおうネーメト盤が
おすすめ盤になってますけど
これはCDが普及していた頃だから
ではないかと思われます。
思い立って
初版本を見てみたら
そちらでは
ブルスカンティーニ盤が
おすすめのトップなんですけど
なんと、前回紹介したものと
指揮者とソプラノが違う!
アルベルト・ゼッダ指揮
ローマ室内管弦楽団の演奏で
ソプラノはアンナ・チェリーネ
となっています。
こ、これは……。
これでまた
中古盤探しの沼にハマる
ということに…… Orz