フルート・ソナタを視聴した後
次におすすめの映像として
表示されたひとつが、こちら。
リコーダーのミカラ・ペトリ
ヴィオラ・ダ・ガンバのヒレ・パール
チェンバロのマハン・エスファハニ
という豪華メンバーの演奏(ライブ)が
YouTube で簡単に観られるとは
思いもよりませんでした。
バッハのフルート・ソナタを
リコーダーで演奏する
ペトリの盤は
キース・ジャレットの
チェンバロと共演したものがあり
以前、ご案内しました。
その際、ヴィオラ・ダ・ガンバは
加わっておりません。
というのも
フルート・ソナタ BWV1030は
もともとチェンバロの右手と左手が
別々の声部を担当し
フルートの声部と絡む
トリオ・ソナタと呼ばれる
楽曲だからです。
チェンバロの左手が担当する
通奏低音の声部に
今回はヴィオラ・ダ・ガンバが
加わっているというわけです。
ペトリは以前にも
エスファハニとの共演盤を
出していますが
パールが加わったのは
今回が初めてで
よくこの三人の揃い踏みが実現したな
と感心してしまいました。
もっとも
感心しているのは自分だけで
ペトリはともかく
他の二人は
はあ? 誰それ?
と思う人もいるかもしれず。
エスファハニは
チェンバロ・ファンには
ある程度お馴染みで
当ブログでは以前
鈴木優人のソロCDを紹介した際
名前だけ出したことがあります。
ヒレ・パールについては
クリスティーネ・ショルンスハイムとの共演で
バッハのトリオ・ソナタを演奏している盤を
取り上げたことがあるんですが
日本語版 Wikipedia に
立項されていないようなので
知名度は今ひとつなのかしらん。
そんなこといったら
エスファハニも
立項されてませんけど。
でも、この組み合わせ
ほんとにすごいんですよ!
先に当ブログで
ご覧いただいたように
フルート・ソナタ BWV1030 は
フルートとチェンバロの
奏者2人だけで演奏可能です。
そういう演奏スタイルが
一般的に多いわけですけど
ここでは通奏低音に
ヴィオラ・ダ・ガンバが加わって
音に厚みというか
深みが加わっています。
一本目の具合が悪かったのか
ペトリが第1楽章の途中で
楽器を持ち変えるところや
パールが途中
ピチカートになるところなど
映像ならではの興味深さ。
このユニットによる
同曲のCDも
出ているようなので
さっそく買おうと思ったら
以前注文したことがあると表示され
慌てて手元のCDの山を
漁ったという。(^^;
あちこち探し回って
ようやく出てきました。
(ナクソス・ジャパン
NYCX-10104、2019.11.15)
リリース年月日は
タワーレコードオンラインによります。
原盤レーベルは
OUR Recordings で
録音は2019年6月。
OUR Recordings はペトリと
リュート奏者の
ラース・ハンニバルによる
デンマークのレーベルだそうで
だとすれば今回のアンサンブルは
ペトリ自身の企画かもしれません。
上にも書いた通り
ペトリはエスファハニとは
以前、一緒に録音してますけど
今回、パールを連れてくるところが
なかなかうまい采配というか
見事に化学変化を起こしている感じ。
ちなみにコンサート映像は
BWV1030以外の全曲が
アップされており
太っ腹というか何というか。
ここらへんも
ペトリの判断でしょうか。
BWV1030以外だと
BWV1034が
ヴィオラ・ダ・ガンバの
ドスが効いているというか
パールの見事な演奏ぶり
リコーダーとの絡みぶりが迫力満点で
一見(一聴)の価値があります。
ちなみに
BWV1033〜1035は
フルートと通奏低音のためのソナタなので
ヴィオラ・ダ・ガンバが加わるのが
一般的なスタイルとなります。
映像もCDもおすすめ。
BWV1030から1035まで
偽作・疑作も含めて
すべて演奏されてますから
ぜひ全曲、聴いてみてください。