〈まことの安らぎはこの世にはなく〉を

YouTube でいろいろ見ていると

お馴染みエマ・カークビーの歌唱が

アップされてました。

 

 

1998年8月17日

ロイヤル・アルバート・ホールで

開催されたプロムナードを

BBCテレビで放送したものなのか

映像も音も今ひとつですが

カークビーと

クリスファー・ホグウッド指揮

アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの

演奏が観られるだけでも貴重すぎる。

 

音質画質は悪くても

以前、当ブログに貼り付けた

マリー・リスの演奏と比べると

口元に妙な歪みがなく

喉の奥で綺麗にコロラトゥーラを

鳴らして? いるのが

よく分かります。

 

特にアレルヤを歌う映像はすごい。

 

さすがはデイム・エマ

脱帽させられること請け合い。

 

 

ところで、以前

カークビーの歌唱を含む

ホグウッド指揮の

ヴィヴァルディの演奏をまとめた

20枚組のBOX

紹介したことがあります。

 

もちろん

カークビーの歌う

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉

を収めたCDは

日本流通盤が出ており

そちらはまだ買ってなかったかなあ

と思っていたら

ひょっこり出てきまして。(^^ゞ

 

それがこちら。

 

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉カークビー盤

(ポリグラム POCL-5220、1996.10.2)

 

〈オワゾリール NEW ベスト50〉

というシリーズの1枚です。

 

ジャケットも兼ねた

ライナー表紙のイラストの上に

Florilegium とあるのは

アンソロジーという意味で

タスキ[オビ]にもある通り

ヴィヴァルディだけでなく

マルチェロ(マルチェルロ、マルチェッロ

とも表記)の有名な

オーボエ協奏曲も収録されています。

 

以前ご案内の20枚組のBOXでは

本盤からマルチェッロを除き

代わりにヴィヴァルディの

二つのオーケストラによる協奏曲

イ長調 RV585 を収録したものが

ディスク19となっていたのでした。

 

 

ただ今回、上掲のCDの

ライナーを見て驚いたのは

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉

の指揮者はホグウッドではなくて

サイモン・プレストンである

と書かれていたことでした。

 

20枚組のBOXの方には

そんなことはどこにも

クレジットされておらず

海外の会社も割といい加減です。

 

 

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉は

最初にLPレコードでリリースされた時

プレストンの指揮するグローリア RV589 と

カップリングになっていたようなのです。

 

したがって録音年は

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉のみ

1978年7月で

他は1980年6月になります。

 

うーん、なんというか

だったらグローリアとカップリングで

出せばいいのにと思うんですが

グローリアの方は

〈オワゾリール・ベスト50〉の1枚として

バッハのマニフィカト(変ホ長調版)と

カップリングで出したから

(20枚組BOXと一緒に当ブログでご紹介済み)

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉のみ

行き場がなくなっていた

という感じですかね。

 

 

なお、上掲のCDでは

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉

という邦題ではなくて

〈この世に真の平和無く〉

と訳されています。

(歌詞の訳者は金澤正剛)

 

この邦題だと

ちょっとイメージが変わるなあ。

 

〈まことの安らぎはこの世にはなく〉

という邦題は誰がいつ付けたのか

あるいは映画《シャイン》が

最初かもしれませんけど

あのアリアにこのタイトルだからこそ

感動もいや増してるのかもしれない

とか思ったことでした。