少し前に

イギリスの声楽グループ

ヴォーチェス8が歌う

バッハのモテット集

取り上げたことがあります。

 

その際

古楽器演奏による

1パート1人の

OVPP方式を採用した

モテット集を購入したと

書きましたけど

その購入した盤が

今回ご案内の1枚です。

 

カントゥス・ケルン『バッハ:モテット集(全曲)』

(BMGファンハウス BVCD-38118、2005.6.22)

 

原盤レーベルは

ドイツ・ハルモニア・ムンディ(通称DHM)

録音は1995年10月19~23日です。

 

〈ドイツ・ハルモニア・ムンディ

バッハ名盤撰〉というシリーズの1枚。

 

 

DHMのバッハ撰は

そのほとんどが

BMGビクターから出ていた

〈オーセンティック・ベスト50〉

ダブっています。

 

そのため、買い集めても

櫛の歯が欠けた感じになるので

何となく熱心に集める気にならず

皆川達夫の本を基に

興味が広がっていたこともあって

店頭で見ても後回しにしていた

というような記憶があります。

 

それに本盤が出た当時は

コンラート・ユングヘーネルが指揮する

カントゥス・ケルンに対する思い入れも

特にあるわけではありませんでした。

 

カントゥス・ケルンを意識し始めたのは

クラウディオ・モンテヴェルディの

『宗教的・倫理的な森』全曲盤を

最近になって聴いてからなので。

 

 

今回、バッハのモテットを

OVPP方式で演奏した盤を探すにあたり

参考にしたのは

フェブラリー(さん?)の

ホームページにアップされている

「ルネサンスの響きのバッハ/モテット集」

という記事です。

 

実に28枚もの演奏を聴き比べて

お薦め盤を紹介した記事で

本盤はOVPP方式というだけでなく

演奏そのものが優れている

と紹介されており

購入を決めたのでした。

 

そして確かに紹介されている通り

大変に優れた演奏だと

自分でも思った次第です。

 

 

何がどう優れているか

というのは

なかなか説明しづらいのですが

演奏がクリアで

揺らぎがないのはもちろんのこと

違和感もありません。

 

おそらくアルトとバスが

ちょうどいい感じがするから

ではないかと思います。

 

「ちょうどいい感じ」というのは

どういう感じなのかについて

「ちょうどいい」としか

いいようがなく

もどかしいのですけど。

 

とにかく何回聴いても疲れません。

 

それくらい

耳に心地よい演奏だ

ということです。

 

押し付けがましいところがなく

自然体だとでもいいましょうか。

 

 

器楽伴奏も自然体で

変に目立つことなく

合唱を引き立てています。

 

その器楽伴奏の楽器に

タイユ Taille とあって

どんな楽器だろうと調べたら

「Zauberflote 通信」の記事によれば

アルトないしテノール音域の

オーボエらしいですね。

 

概ねオーボエ・ダ・カッチャか

ヴィオラで演奏されるようですが

ここではタイユという楽器そのものを

使っているというわけでしょう。

 

 

ヴォーチェス8の演奏を比べて

どちらを推薦するかといわれれば

文句なしに、こちらをお薦めします。

 

ヴォーチェス8の演奏が

悪いというわけでは

ありません、念のため。

 

 

ちなみに

手元にあるCDの山を

ひっくり返していたら

OVPP方式の録音が出てきて

すっかり忘れていたので

ちょっとびっくり。

 

そういえば

かつてはその盤を

よくかけていたものでした。

 

それは何かというのは

また改めて。