2021年6月4日
19:00~20:00
大木和音チェンバロ・コンサートの
3回目の無観客ライブ配信が
開催されました。
感想が遅れましたが
オンタイムで視聴しています。
荻窪のベルベットサン velvetsun で
今回は「フランスバロック音楽の夕べ」
Soirée musique baroque française と題し
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の
宇多川貞夫を招いて
ヴェルサイユの響きを再現する
というテーマで開催されました。
セットリストは以下の通り。
01.組曲 ニ長調(マラン・マレー)
MC. 01(大木・宇多川)
02.人々の声(マラン・マレー)
MC. 02(宇多川)
03.プレリュード(ドゥ・マシ)
04.哀歌(マラン・マレー)
MC. 03(大木)
05.三美神(デュフリ)
06.プレリュード ヘ長調(ルイ・クープラン)
MC. 04(宇多川)
07.優雅なロンド(マラン・マレー)
MC. 05(大木)
セットリストは
公開されていたポスター(?)と
MCを基にしています。
マラン・マレーについて
あまり詳しくないのに加え
最初、MCも何もなしに始まるので
最初の楽曲名が合ってるかどうか
ちょっと自信がないことを
お断りしておきます。
最初、
ガンバ独奏で始まってたので
てっきりドゥ・マシかと思ったら
違ってましたし。
「ガンバの即興から始まります」
と書かれているので
原曲がないのかも知れません。
それともマラン・マレーの楽譜に
そう指示されているものかもしれず
勉強不足が痛感されるところです。
なお、使用楽器は
ガンバが、1720年ごろに
パリで作られたものだそうです。
最初のMCで宇多川氏がそう紹介した際
1720年代フランスのキーワードは
「ルクー、女々しさ、曲線」
だと話されてましたけど
「趣味」と訳された「ルクー」
原語は le cœur でしょうか。
手元の辞書を引いてみると
「心」「ハート」という
意味のようですけど
最後に、古語として
「品格」という訳語が
あがっていましたので
やっぱり le cœur なのかしらん。
チェンバロは
いつものクロールではなく
一段鍵盤楽器でした。
ですから
例のw 引き出しがなく
CDを取り出して紹介する
というお馴染みの流れは
ありませんでした。
いつ頃の、どこの楽器なのか
説明されませんでしたが
ヴェルサイユ・ピッチに
調整されているのだとか。
ヴェルサイユ・ピッチと言われても
よく分からないんですけど
(ピッチという概念自体が
よく分からないw)
MCでの説明によれば
現在使われているピアノの
ラの音より一音低いそうです。
マラン・マレー(マレとも)は
日本ではあまり知られていない
とか宇多川氏が話してましたが
おそらくバロック音楽ファンなら
名前くらいは聞いたことがあるか
と思います。
当ブログでは
映画『めぐり逢う朝』(1991)の
DVDを紹介した際に
ちょっと言及しました。
そこでも
好きな曲としてふれている
「“聖ジュヌヴィエーヴの丘”教会の鐘」と
標題音楽として
当ブログでも何度か言及した
「膀胱結石切開手術の図」が
おそらく、いちばん
有名ではないかと思います。
今回のライブは
ヴィオール曲集の
第4巻(1717)を基に
構成したのだそうで
ガンバ・メインの曲が
選ばれている模様。
したがって
チェンバロとの二重奏とはいえ
実質的にはチェンバロは
伴奏担当のような感じでした。
最後に演奏された
「優雅なロンド」だと
テオルボとの二重奏が
YouTube にアップされており
それから考えても
チェンバロとの掛け合い
という感じではないことは
想像していただけるのではないかと。
あと
ガンバの音が比較的
高音寄りの音が多かったのは
ちょっと意外でした。
ガンバは低音の魅力だと
思い込んでいたもので。
上にも書いたように
マラン・マレーは
それなりに知ってましたけど
ドゥ・マシ De Machy
という音楽家の方になると
名前も曲も初めて耳にしました。
さっそく検索して
CDを探してみた結果
2枚ほど見つかったので
購入してみたところです。
今回、演奏された
ドゥ・マシの「プレリュード」は
楽譜に小節線のない無伴奏曲。
フランソワ・クープランの伯父にあたる
ルイ・クープランのチェンバロ独奏曲
「プレリュード ヘ長調」も
楽譜に小節線がありません。
今回のライブは
この2曲が聴きものだったかと
思います。
ルイ・クープランは
割と好きな音楽家というか
グスタフ・レオンハルトの弾く
1枚ものを聴いて以来
大クープランと呼ばれる甥より
お気に入りだったりします。
レオンハルトは
大クープランも弾いてますが
ルイ・クープランの方が
合ってると思った次第。
宇多川氏は最後のMCで
ジャン=マルク・ナティエ描くところの
ルイ15世の皇女(双子の妹)
アンリエットの絵を紹介してました。
この絵を見ただけで
どんなに上手いかが分かるし
この絵を見られただけでも
今回の配信を観た価値はある
これからガンバを学ぼうと思う方は
この絵を参考にすると良い
とか話してました。
すごく思い入れがあるようですね。
Wikipedia でも
立項されていますので
興味のある方は
ご覧になってください。
今回は最初
視聴に使おうとした
パソコンの接続が悪くて
1分弱、聴き逃してしまっただけでなく
途中で少し当方で
バタバタすることがあり
静謐に聴き通せなかったのが
痛恨の極みです。
もっとも
アーカイブ配信で
聴き直しましたけど。(^^ゞ
アーカイブの無料配信は
本日までなので
リンクを張っても
無料で観られないんですが
念のため張っておくことにします。