2021年3月26日

20:00~21:00

大木和音チェンバロ・コンサートの

2回目の無観客ライブ配信が

開催されました。

 

オンタイムで視聴できましたので

感想その他、思ったことを少し。

 

 

会場は前回と同じ

荻窪のベルベットサンで

セットリストは以下の通り。

 

01.三美神(デュフリ)

 MC. 01

02.タンブラン(ロワイエ)

03.無関心(ラモー)

04.未開人(ラモー)

 MC. 02

05.優しい感情(ロワイエ)

06.気まぐれ(ロワイエ)

 MC. 03

07.即興曲 op.84の5(フォーレ)*ピアノ演奏

 MC. 04

08.敏感(ロワイエ)

09.スキタイ人の行進(ロワイエ)

 MC. 05

10.ラ・ドゥ・シャムレ(デュフリ)

 MC. 06

 

今回はオール・フレンチ・プログラムで

フォーレの即興曲を除き

すべて既発のCD

『三美神』に収録されています。

 

大木和音『三美神』

(ana/records: ANCD-10001、2015.6.24)

 

楽器の音は

チェンバロ、ピアノともに

たいへんクリアに聴こえましたけど

MCの声は音がこもり気味で

聞き取りにくかったのが残念。

 

当初はリスナーが20人でしたが

終了する頃は35人ほどになってました。

 

MC1で話していたように

年度末で忙しかったから

視聴者が少なかったのかどうか

分かりませんけど。

 

 

そのMC1では

CD『三美神』にも触れつつ

今回のプログラムが

作曲家単位で固める方向ではなく

まるで一人の作曲家の作品集のように

まとめたという説明がありました。

 

(これはCD『三美神』のライナーで

 大木自身や、プロデューサーが

 書いていることだったりします)

 

 

MC2では前回同様

演奏に使用しているチェンバロ

クリスチャン・クロール付属の引き出しから

『三美神』のCDを取り出して

紹介してました。

 

これは「お約束」というやつかな(笑)

 

あと、チェンバロの弦をはじく

プレクトラムに使用される

白鳥の羽根の実物も取り出して

紹介してました。

 

白鳥の羽が

あんなに大きいものだとは

思いもよらず

ちょっとびっくり。

 

 

さらに

『三美神』では

DSDという録音方式を

使用していることと

それがどうして決まったのか

その経緯が紹介されていましたが

意外とアバウトに決めたようで

ちょっとウケました。

 

DSDという録音方法は

一発録りで編集できないもので

それをものともせず

やろうと決断した奏者の

思い切りの良さに

録音エンジニアが驚いたらしく(笑)

 

 

CDのライナーには

DSDだと

上鍵盤と下鍵盤の音色の違いを

クリアに録音すると書かれています。

 

今回のライブでは

奏者の手元をカメラが捉えるカットも多く

その上下の鍵盤の弾き分けぶりが

より明確に分かるのも

興味深かったです。

 

 

「スキタイ人の行進」では、途中で一瞬

音が止まるところがありますけど

それはレバーを操作するためであることも

今回のライブを観ていると

よく分かります。

 

CDで聴いていると

すごく気になるところなのですが

(行進が止まった感じがするのでw)

これも一発録りのためであったか

と納得されるのでした。

 

編集できる録音法であれば

間を詰められるわけで

逆にいうなら

間を詰めたように聴こえる録音は

編集しているということに

なりましょうか。

 

 

フォーレの即興曲は

ベルベットサン備え付けの

ヤマハのピアノでの演奏でした。

 

MC3ではそのヤマハのピアノが

ベヒシュタイン(独)の流れにあり

さらにそのベヒシュタインは

エラール(仏)の流れにあるので

フランスものを弾くのにぴったりだ

という話をしてました。

 

時代や楽器の違いに関係なく

フレンチ・テイストが感得できるのでは

というような話もしていましたが

フランス趣味って

つまりは何なんだろう

と考えさせられもしたり。

 

ちなみにMC4でも話していた通り

(そして当ブログでも以前、書きましたけど)

CD『三美神』でもピアニーノという

アップライト・ピアノで

デュフリの「三美神」が演奏されています。

 

 

MC5で

「スキタイ人の行進」は

すべての音をかき鳴らすのに対し

次に演奏するデュフリの曲が

音数が少ないことにふれて

自画自賛になるけれども

自分でもうまく曲順を組んだな

と思っている

という話をしてました。

 

クリスチャン・クロールという

チェンバロの説明をした際

一音一音の感情が豊かだと

話してましたけど

それだけに

音数の少ない曲が

引き立つものと思われます。

 

 

最後のMCでは

時期はまだ未定だが

次はヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の

宇多川貞夫と共演する予定だと

告知がありました。

 

それは実に楽しみですね。

 

なお、今回の配信ライブは

アーカイブに残され

4月1日まで無料公開されるそうなので

チェンバロに興味があれば

ご覧になってはいかがでしょうか。

 

 

 

なお

『三美神』のコンセプトは

上にも書いた通り

3人の作曲家が1人であるかのように

まとめられたものとのこと。

 

とはいえ

自分的にはラモーが、いちばん

お気に入りだったりします。

 

次がロワイエかな。

 

デュフリは

フランソワ・クープランと並んで

自分的には今イチ、のれない

と感じさせる作曲家です。

 

その点について考えていけば

フレンチ・テイストとは何なのか

分かるのかもしれませんけれど

それは宿題ということに

させてもらいましょう。

 

 

 

●訂正(翌日23:05ごろの)

 

タイトルの「#2」の位置を

変えました。

 

チェンバロ・コンサート自体は

何度か行っていらっしゃるので

と思ったからです。