過ぐる11月20日(金)
20:00〜21:00
大木和音のチェンバロ・コンサートが
無観客ライブ配信で行なわれました。
会場は荻窪のベルベットサン。
演奏者のブログで開催を知り
オンタイムで聴きましたので
遅ればせながら、感想なぞ。
セットリストは以下の通り。
01.グラドゥス・アド・パルナッスム博士(ドビュッシー)
MC. 01
02.子守歌(グラナドス)
03.アストゥリアス(アルベニス)
04.火祭りの踊り(ファリャ)
MC. 02
05.オリエンタル(グラナドス)
06.アンダルーサ(グラナドス)
07.ソナタ ニ短調 K.213(スカルラッティ)
MC. 03
08.三美神(デュフリ)
MC. 04
09.スキタイ人の行進(ロワイエ)
01から07までは
既発のCD『内なる印象』に
08、09は、後でふれる
『三美神』に収録されています。
ちなみに
スカルラッティのソナタは
当初のプログラムにはなく
なんだか弾きたくなったので
ということで急遽、加わったもの。
使用楽器は足鍵盤付きのクラヴサン
クリスチャン・クロールのレプリカで
足鍵盤をどう使うのか
興味津々だったのは
いうまでもありません。
グラナドスの「子守歌」演奏後
靴を履き替えている感じでしたし
アルベニスの「アストゥリアス」演奏中
しばしば足鍵盤のあたりが
カメラで映されてました。
足鍵盤を押すと
手鍵盤が下がるのが見えるのでは
とMCで話してましたが
残念ながら画面が暗いのに加え
カメラ アングルの関係もあってか
よく分かりませんでした。
グラナドスの「オリエンタル」が
足鍵盤も使って
弾いているんだろうなあ、と
いちばん感じられた曲でしたけど。
ファリャ「火祭りの踊り」演奏後
実際のコンサートであれば
きっとここで大きな拍手があり
興奮冷めやらぬ感じで
MCで話しているんでしょうが
というようなことを語っていました。
観る側としても
確かに拍手できないのは残念でしたが
その代わりに聴きながら
リズムをとったり
鼻唄でメロディーを
追ったりできるのは
配信ライブのありがたいところかも。
途中にはさまれるMCで
チェンバロのプレクトラム
(弦を弾く爪)に使用される
鳥の羽根を紹介したり
自分のCD『内なる印象』を
紹介したりするときに
底板に作りつけの抽き出しから
取り出していたのには
びっくりでした。
レプリカされた
もともとの楽器に
工具入れとして
作りつけになっているのだとか。
コンサート後、3日間
以下のページで
無料配信されるそうでして。
待機していると
いきなり始まって
最初は消音モードのままだったので
「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」の
冒頭の数秒を聴き損なったため
これはありがたかったです。
ちなみに
コンサートでは
現物が紹介されなかった
『三美神』のCDですが
たまたま手許にあります。
(ana/records: ANCD-10001、2015.6.24)
リリース月日は
タワーレコード オンラインに拠りました。
ana/records の ana は
頭文字を採ったものでしょうね。
同サービスのサイトによれば
ALT/NEU はドイツ語で
英語の OLD/NEW に当たるのだとか。
副題に「ラモー・ロワイエ・デュフリ
クラヴサン作品集」とある通り
ジャン=フィリップ・ラモー
ジョゼフ=ニコラ=パンクロス・ロワイエ
ジャック・デュフリという
フランス18世紀の
3人の音楽家の作品が
収められています。
音楽家3人と
ギリシャ神話に登場する
美と優雅を象徴する三美神とを
重ね合わせたタイトルなわけです。
コンサートで弾かれた
デュフリの「三美神」は
本盤の最初と最後に
収められています。
最後に収められた演奏は
ショパンがよく弾いていたことで
知られる(とライナーに書いてある)
ピアニーノというアップライト ピアノ
(をリペアした楽器で)
弾いているのが珍しい。
アップライトによる演奏意図は
ライナーに書いてある通りですが
それはそれとして
聴き比べが楽しめるのも
嬉しいところ。
アップライトで弾くと
クラヴサン曲というより
それこそロマン派か何かの
小品のように聴こえるから不思議。
当日のアクセスは
60人前後のようでした。
上記のように3日間
ということは連休中いっぱい
無料配信されるそうですので
画面越しとはいえ
パリで作られて11年目だという
クロール・チェンバロの演奏を
観られるチャンスかと。
画面越しだからこそ
手の交差やストップの操作など
リアル・コンサートでは
観にくいところが観られるのも
ポイント高し。
ライブ配信では
「三美神」を演奏中
システムの操作メニュー画面が
映りこんだりする
トラブルがありましたけど
アーカイブには、もちろん
映りこんでいません。
マイクかケーブルの関係で
ちょっとノイズが入るのが
そのままなのは残念ですけど
それが気になるという方は
『三美神』と『内なる印象』を購入し
セトリの順に聴いてみても
いいかもしれませんね。
両盤とも、おススメです。