『バロック音楽』NHKブックス版
(日本放送出版協会、NHKブックス
 1989.3.20/1991.11.30. 6刷)

副題「豊かなる生のドラマ」

『磯山雅随想集/

神の降り立つ楽堂で』
紹介した際にふれた
自分がバロック音楽の
古楽演奏にハマり始めた頃に
購入した1冊です。

奥付が1991年というあたり、
自分がチェンバロにハマるきっかけとなった
グスタフ・レオンハルトの演奏する
バッハのCDのリリース年は
1992年ですから
時期的にもドンピシャリ。


本書はもともと
NHK市民大学講座のために
書かれたテキストを
増補したものです。

だから内容が読みやすい。

にもかかわらず
ポイントがしっかりと
押さえられている。

初読時は
当方も初心者だったので
そのすごさが
分からなかったと思います。

30年の間にそれなりに
さらに関連書を読み
CDを聴いてきてますから
再読すると
簡にして要を得た内容のすごさが
よく分かります。


自分が最近、関心のある
ヴィヴァルディについては
ソロ・コンチェルトの作曲者としてしか
ふれられていないのが
ちょっと残念。

当ブログでも以前、紹介した
ヴィヴァルディをディスっている
ベネデット・マルチェッロの
『当世流行劇場』(c1720)は
179ページに『流行の劇場』として
言及されています。

本書の初読時

邦訳はまだ出てませんでしたけど
まさか日本語で読めるようになるとは
また、オペラが苦手な自分が

それに目を通すとは思いもよらず
時の流れを感じますね。


巻末の参考文献表や
参考CD・LP・VDリストを見ると
持っているもの
購入済みのものには
鉛筆で○が付けられていて
微笑ましいと同時に
懐かしく思ったり。

いつのころからか
チェックしなくなりましたが
その後、購ったものがあったり
いまだに入手していないものもあったりして
またぞろ収集熱がそそられてきます。

本書は去年の秋(10月)に
ちくま学芸文庫から再刊されました。

そちらは購入していないので
内容が増補されているかどうか
分かりませんけど
巻末の参考文献や
ディスクのリストなどは
カットされてるかも。


ちなみに
参考CD・LP・VDリストの
VDというのは
ヴィデオ・ディスクの略。

レーザーディスク以前の
映像記録ディスクで
本書では唯一
リヒター指揮《マタイ受難曲》が
リストアップされています。

こちらは
講談社現代新書の
『J・S・バッハ』(1990)でも
言及されていましたが
かなり後になって
DVD化されました。
(確か買ってあるはず)


参考文献表の
主要作曲家論にあがっている本で
○が付いているのは
磯山の『バッハ=魂のエヴァンゲリスト』(1985)
くらいでしたが
30年後の今
残り1〜2冊と迫りました。

さすがに『バッハ叢書』全10巻は
いまだに入手できておらず
今後も揃えられそうにない
という気がしますけど。( ̄▽ ̄)