(ユニバーサル クラシック&ジャズ
UCCG-5364、2015.5.20)
フランスのチェリスト
ピエール・フルニエが
ルドルフ・バウムガルトナー指揮
ルツェルン音楽祭合奏団と共演した
バロック時代に由来する
チェロ協奏曲を収めたCDです。
ジャケ写からも分かる通り
「The Best 1200」という
シリーズの中の1枚のようですね。
ライナーの解説が
マルC2007となってますから
2007年に出たものの
再発だと思われます。
以前、当ブログで
カール・ミュンヒンガー指揮
シュトゥットガルト室内管弦楽団と共演した
ボッケリーニの録音を
紹介したことがありますけど
その再録音がすべて
収録されているのに加え
大バッハの息子(次男)である
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの
チェロ協奏曲 イ短調 Wq.172 を併録。
録音は
ボッケリーニとエマヌエル・バッハが
1961年10月
ヴィヴァルディとクープランは
1963年12月です。
ミュンヒンガーとの録音が
1952年ですから
およそ10年後の再録音に
なるわけですけど
10年でこれほど違うか
と、びっくりするくらい
サウンドがクリア。
メロディーを確認するために聴く、とか
チェロの音の美しさに浸りたい
というのであれば
こちらがおススメですね。
エマヌエル・バッハの協奏曲は
誰かが編曲したものではなく
オリジナルです。
通奏低音にチェンバロが使われており
作曲の時期も1753年頃だそうですから
これは確かにバロック音楽だなあ
という感じがしますね。
もっとも、音楽史的には
前期古典派ではなかったか
と思いますけど。
ところで
先にクープランの記事を書く際は
原曲を確定するのに
ずいぶん苦労したんですけど
今回の盤のケースの裏側に
全部書かれていました。
01.プレリュード/第6番(連番だと第10番)
02.シシリエンヌ/第2番(連番だと第6番)
03.ラッパ/第6番(連番だと第10番)
04.嘆き/第6番(連番だと第10番)
05.悪魔のエール/第2番(連番だと第6番)
前の記事では
第6番、第7番、第10番の曲を
編曲していると書きましたが
今回の盤によれば
第6番と第10番だけみたいで。
「?」を付けといたプレリュードは
第10番のもので当たってました。
一方、シシリエンヌは
前の記事では第7番からだと書きましたが
本盤では第6番となっています。
でもなあ、自分の耳には
第7番のシシリエンヌに
聴こえるんだけどなあ。
もしクープランの
新しいコンセール集と
フルニエの演奏との両方を
お持ちの方がいたら
ぜひ聴き比べてみてください。
クープランの曲を編曲した
ポール・バズレールの直筆譜か何かに
「新しいコンセール第2番から」と
はっきりと書いてあるのであれば
そしてその復刻版を
この目で確認できたのなら
信じないでもありませんけど
そうでない限り
自分の耳を信じたいところです。
CDのケースの表示や表記に
内外を問わず
誤植が多いということは
何度も経験してきたものですから。