ヴィヴァルディのモテットは
リオム番号だと
RV623 から 634 までが
当てられており
2007年になって発見された
RV811 を加えれば
全部で13曲となります。
その内訳は
ソプラノのための曲が9曲
アルトのための曲が4曲。
伴奏は基本的に弦楽合奏で
1曲だけソロ・ヴァイオリンが
弦楽合奏とは別に加わります。
上記13曲の内
RV624 と 628 は
器楽パートを一部欠いた
不完全なものだそうですが
音楽理論的に復元可能なのだとか。
理論的に復元可能にもかかわらず
オリジナル譜は不完全だから
という理由なのか
宗教音楽全集を謳っている
RV624 と 628 は未収録です。
(ちなみに、ネグリのボックスは
そもそもモテットの収録曲が少なく
4曲しか録音されておりません)
キングズ・コンソートのボックスには
完結後に発見された RV811 も
収録されていませんけど
これはさすがに仕方がないですね。
「全集」未収録曲となると
無性に聴きたくなってくるのは
自然な流れ(たぶんw)
例によって Amazon で検索しまくり
何枚か探し出した結果からいうと
カンタータと同様、あと3枚買えば
残りが聴けることが分かりました。
その1枚が今回ご紹介のこちら↓
Vivaldi: Motets.
(洪 Quint Records: QUI-903063、1992)
【収録】RV623、631、630、626、624、634
【演奏】マリア・ザードリ(ソプラノ)
パール・ネーメト指揮/カペラ・サヴァリア
【録音】1992年3月
リリースは
ハルモニア・ムンディ・フランスの
クィンタナ・シリーズから
ということになるのかな。
ソプラノのザードリは
ハンガリーの奏者で
指揮のネーメトも
ハンガリーのフルート奏者です。
ただし今回の盤では
フルートの登場はなく
ヴァイオリン6、ヴィオラ2
チェロ、コントラバス、バスーン
オルガンという編成で
すべてピリオド楽器を使用しています。
本盤は合奏のバランスがよく
ソプラノもよく響いており
意外と良い演奏でした。
自分の知る限り
今のところ他に競合盤がない
《薔薇の花々よ、息を吹け》RV624 が
聴けるという意味で貴重なのは
いうまでもありません。
でも、そういう
資料的な価値に留まらない
良さがあるのは
嬉しかったですね。
あえていえば
クセがなく無難すぎて
物足りなさを感じさせるかも
と思わなくはないものの
イタリア流のケレン味ばかりが
いいというわけでもありますまい。
残念ながら、日本流通盤は
出ていないようですが
個人的にはおすすめの1枚です。