ヴィヴァルディの作曲になる

アルトのためのカンタータを聴くためには

CDを3枚揃える必要があると

先に書きました。

 

これまでに

レイギン盤ヤーコプス盤

2枚、紹介してきたわけですが

最後の1枚が今回ご案内の盤になります。

 

Vivaldi: Arie e cantate per contralto.

Vivaldi: Arie e cantate per contralto

(仏 Naïve: OP-30584、2019.7.13)

【収録】RV684、685、686 ほかオペラからのアリア8曲

【演奏】デルフィーヌ・ガルー(コントラルト)

    アカデミア・ビザンチナ

    オッターヴィオ・ダントーネ(指揮、チェンバロ)

【録音】2018年2月20〜23日

 

リリース年月日は

タワーレコードオンラインに拠ります。

 

これは出たばっかりの1枚だけに

タワーレコードオンラインか

Amazon だかで

新譜で購入しました。

 

カンタータ以外の収録曲は

以下の特集ページを参照ください。

 

https://tower.jp/article/feature_item/2019/06/07/1103

 

プロモ映像は短いものですが

(レチタティーヴォだけです)

一見の価値はあるかと。

 

 

ガローはフランス出身ですが

ダントーネはイタリア出身。

 

それだけに

というと短絡的かもしれませんけど

ヴィヴァルディの爽快さと疾走感が

見事に表現されており

まさに快演というべきでしょう。

 

アルトと器楽合奏のためのカンタータの

残りのひとつである RV683 も

ガローとダントーネのコンビで

録音してほしかったなあと

思わずにはいられません。

 

(もしそうだったら

 アリアのためのカンタータを全曲聴くのに

 2枚で済んだわけですしw)

 

 

ちなみに自分の知る限り

本盤でしか聴けない

《黄金色の雨のごとく》RV686 のアリアは

ホルンが鳴り響く壮麗な楽曲で

聴きごたえがあります。

 

器楽演奏だけなら

2つのホルンとリュート、

弦楽と通奏低音による合奏協奏曲

といっても過言でないくらい。

 

第1レチタティーヴォは

チェンバロとチェロ、リュート

第2レチタティーヴォはそこから

チェロだけ抜いて演奏され

アリアとの対照の妙が光っています。

 

 

オペラからのアリアは

オペラに対する苦手意識があるため

聴く前は気が重かったというのが

正直なところです。

 

でもカンタータにしたところで

レチタティーヴォとアリア

という組み合わせだし

考えてみれば

オペラのアリアのようなもの。

 

カンタータが歌われた

貴族の私邸では

オペラのアリアのみを

抜き出して歌われることも

あったことと思われます。

 

だからなのかどうか

違和感なく聴けただけでなく

歌詞が分からないのが逆に幸いして

旋律ないし演奏そのものを楽しめた

という気がしないでもなかったり。

 

本盤に収録されたアリアに

限るのかもしれませんが

爽快で疾走感にあふれた

ヴィヴァルディ節が感じられ

聴いてて実に楽しかったです。

 

 

たとえば

《試練の中の真実》RV739 からのアリア

〈純粋な魂よ、おそれるな〉は

ライナーの英訳では fool となっている

pazzi という言葉の歌い方が

表情豊かで可愛らしくも感じたり。

 

《カンダーチェ》RV704からのアリア

〈私の悲しみをやわらげるため〉は

ロコモーティヴな定旋律が軽快でしたし。

 

《ユスティヌス》RV717からのアリア

〈恋をしている魂にとって

 それはやさしいこと〉の旋律も

実にノリがいい、といった具合。

 

 

本盤は Naïve[ナイーヴ]という

フランスのレーベルが出し続けている

The Vivaldi Edition の60巻目に当たります。

 

Naïve はのちに

やはりフランスのレーベルである

Opus 111[オーパス111]を

傘下に収めており

そのためか

Naïve / Opus 111 という

並列表示の盤もあったりします。

(Opus 111 盤の再リリースなのかも)

 

 

The Vivaldi Edition は

トリノ国立図書館が所蔵する

ヴィヴァルディ作品のコレクションを

録音していこうというプロジェクトで

器楽曲だけでなく

オペラも含む声楽曲の録音も

精力的に進めているのが特色かと。

 

当初は Tesori del Piemonte

(ピエモンテの宝)という

シリーズ内シリーズのような

扱いだったようです。

 

また、手許にあるものを見た限りでは

The Vivaldi Edition の中で

 Opere Teatrali

 Musica Sacra

 Concerti e Musica da Camera

と、さらなる分類項目があり

そのジャンルごとに

通し番号が付されている感じでした。

 

昨年リリースされたガローの盤から

The Vivaldi Edition 全体としての

通し番号が付いたっぽい。

 

ちなみに本盤は

Opere Teatrali に分類されています。

 

 

1枚組の場合でも

ハコ(紙ケース)入り仕様で

ジャケットデザインは

盤によって個々に異なる

女性の肖像があしらわれています。

 

これが実にフランスらしく

といったらあれですけど

スタイリッシュでおしゃれなので

蒐集心がそそられてしまい

オペラを含む声楽曲に限って

わずかな入手難盤を除き

ほぼ揃えてしまったという。(^^ゞ

 

 

そろそろオペラの方も

聴き始めないといけないなあ

とか思っている

今日この頃なのですが

上にも書いた通り苦手意識があるので

いつになることやら。( ̄▽ ̄)

 

 

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