先日の確定申告の帰りに買った一冊です。
ピーター・キングという名前は
聞き覚えがあるなあと思ってたら、
グルメ探偵シリーズの作者でした。
(例によって買ってある。
読んだことないけど【^^;ゞ)
そのキングによる
現在のところの最新刊は、
先に紹介した『邪悪』同様
歴史ミステリでした。

(2010/森沢くみ子訳、創元推理文庫、2011.3.11)
時に1869(明治2)年、
ヴィクトリア朝のロンドン。
シャーロック・ホームズものの第1作
『緋色の研究』が発表される18年前のこと。
辻馬車屋を営んでいる
エドワード・パーカーは
降ろした客が忽然と消える
という不可思議な出来事に遭遇します。
後日、警察から呼ばれたパーカーは
消えた客の死体を見せられるはめに。
しばらくして、辻馬車屋の仲間が
容疑者として逮捕されてしまい、
パーカーは、生来の穿鑿癖に加え
仲間の容疑を晴らすために、調査を始める
というお話です。
パーカーは、
情報屋としても活動していた
死んだ父親の仕事を継いで
辻馬車屋を営んでいるだけで、
ホームズばりの、特に鋭い推理力を
持っているわけではなく、
さりとて腕っ節が強いわけでもなく、
ごくごく普通の、女優を目指す彼女がいる
好奇心の強い若者、という設定です。
降りた客が消失したという謎も
ごくごく平凡に解かれるし、
地下鉄のトンネル工事現場の怪奇現象も
(幽霊列車が走り、蛙の化け物が跋扈するw)
現代の読者にとっては
さほど大した謎ではありません。
要するに、ホームズが活躍した時代の、
(小説上のデビューこそ1887年ですが、
ホームズの活躍自体は始まってます)
いかにもその時代らしい素人探偵の活躍を
楽しませるという物語で、
ミステリとしては、『邪悪』よりも素朴
だと、個人的には思います。
なお、歴史ミステリのお約束として
同時代の有名人も登場します。
だからまあ、映像化すると
映えるかもしれないですね。
『邪悪』よりもこちらの方が好み
という人がいても
おかしくない気もしますが、
それはヴィクトリア朝ロンドン・マニアに
限られるような気がしないでもなかったり(藁
逆にいえば
ヴィクトリア朝ロンドンの雰囲気が好きな人は
目を通しておいてもいいかも。
あと、パーカーの馬車を牽く馬のペルセウスと
パーカーの交感(?)は、いいかも。
馬というか、動物ものが好きな人には、おススメかも。
パーカーと甥っ子とのやりとりも
いいといえばいい。
ただしそれらは、ミステリとしての出来とは
別ものでしょう。
ミステリがメインの小説の彩りとしてみたら、
あるいは、彩りとしてみるなら、
少々、物足りない感じもします。
ロンドンで辻馬車を駆っている
六千人の協力で事件を解決する
というようなことがオビの惹句に書いてあるし、
作中でも、辻馬車屋をやる前の職歴は
さまざまなものがある、と紹介されているので、
読んでいる間は、都筑道夫が書いた捕物帳の傑作
〈なめくじ長屋〉シリーズを
連想したりもしたんですが、
まあ、普通に青年探偵が(といっても32歳)
がんばる話でした。
読者というのは、
それまでに読んだ小説をベースに
物凄く期待を膨らませるものなので、
その期待を外す作品は
そこそこの出来でも、損ですよねえ。
(作者のせいでは、ないんだけれどもw)
これが面白ければ
買ってあった『グルメ探偵』(1994)を
読もうかと思ってたのですが、
それほどのインパクトはありませんでした。
残念!(> <)
ピーター・キングという名前は
聞き覚えがあるなあと思ってたら、
グルメ探偵シリーズの作者でした。
(例によって買ってある。
読んだことないけど【^^;ゞ)
そのキングによる
現在のところの最新刊は、
先に紹介した『邪悪』同様
歴史ミステリでした。

(2010/森沢くみ子訳、創元推理文庫、2011.3.11)
時に1869(明治2)年、
ヴィクトリア朝のロンドン。
シャーロック・ホームズものの第1作
『緋色の研究』が発表される18年前のこと。
辻馬車屋を営んでいる
エドワード・パーカーは
降ろした客が忽然と消える
という不可思議な出来事に遭遇します。
後日、警察から呼ばれたパーカーは
消えた客の死体を見せられるはめに。
しばらくして、辻馬車屋の仲間が
容疑者として逮捕されてしまい、
パーカーは、生来の穿鑿癖に加え
仲間の容疑を晴らすために、調査を始める
というお話です。
パーカーは、
情報屋としても活動していた
死んだ父親の仕事を継いで
辻馬車屋を営んでいるだけで、
ホームズばりの、特に鋭い推理力を
持っているわけではなく、
さりとて腕っ節が強いわけでもなく、
ごくごく普通の、女優を目指す彼女がいる
好奇心の強い若者、という設定です。
降りた客が消失したという謎も
ごくごく平凡に解かれるし、
地下鉄のトンネル工事現場の怪奇現象も
(幽霊列車が走り、蛙の化け物が跋扈するw)
現代の読者にとっては
さほど大した謎ではありません。
要するに、ホームズが活躍した時代の、
(小説上のデビューこそ1887年ですが、
ホームズの活躍自体は始まってます)
いかにもその時代らしい素人探偵の活躍を
楽しませるという物語で、
ミステリとしては、『邪悪』よりも素朴
だと、個人的には思います。
なお、歴史ミステリのお約束として
同時代の有名人も登場します。
だからまあ、映像化すると
映えるかもしれないですね。
『邪悪』よりもこちらの方が好み
という人がいても
おかしくない気もしますが、
それはヴィクトリア朝ロンドン・マニアに
限られるような気がしないでもなかったり(藁
逆にいえば
ヴィクトリア朝ロンドンの雰囲気が好きな人は
目を通しておいてもいいかも。
あと、パーカーの馬車を牽く馬のペルセウスと
パーカーの交感(?)は、いいかも。
馬というか、動物ものが好きな人には、おススメかも。
パーカーと甥っ子とのやりとりも
いいといえばいい。
ただしそれらは、ミステリとしての出来とは
別ものでしょう。
ミステリがメインの小説の彩りとしてみたら、
あるいは、彩りとしてみるなら、
少々、物足りない感じもします。
ロンドンで辻馬車を駆っている
六千人の協力で事件を解決する
というようなことがオビの惹句に書いてあるし、
作中でも、辻馬車屋をやる前の職歴は
さまざまなものがある、と紹介されているので、
読んでいる間は、都筑道夫が書いた捕物帳の傑作
〈なめくじ長屋〉シリーズを
連想したりもしたんですが、
まあ、普通に青年探偵が(といっても32歳)
がんばる話でした。
読者というのは、
それまでに読んだ小説をベースに
物凄く期待を膨らませるものなので、
その期待を外す作品は
そこそこの出来でも、損ですよねえ。
(作者のせいでは、ないんだけれどもw)
これが面白ければ
買ってあった『グルメ探偵』(1994)を
読もうかと思ってたのですが、
それほどのインパクトはありませんでした。
残念!(> <)